烈風の翼面荷重要求 : たかつかさ(00/8/19 23:54)
Re:烈風の翼面荷重要求 : BUN(00/8/21 18:41)
Re[2]:烈風の翼面荷重要求 : SADA(00/8/21 20:35)
Re[3]:烈風の翼面荷重要求 : BUN(00/8/22 01:17)
烈風の翼面荷重要求・・・と発動機選定 : SADA(00/8/22 12:22)
それは性能標準ではないですよ : BUN(00/8/22 22:45)
それ賛成 : 胃袋3分の1(00/9/5 12:35)
Re:それ賛成 : たかつかさ(00/9/6 23:12)


3996 Root [3997]
烈風の翼面荷重要求
たかつかさ(00/8/19 23:54)

とかく評判の悪い(というより、事実なら論外)
海軍側の「翼面荷重をこれこれにせよ」ですが、
ひょっとして巷間伝えられるのと違って
離着陸性能への要求から逆算された値なのかも知れないと
思いつきました。

もしそうであれば、それなりの合理性を持ったものとなるわけですが……。

実際のところ、どうだったのでしょうか?


3997 [3996] [4001]
Re:烈風の翼面荷重要求
BUN(00/8/21 18:41)

烈風の翼面荷重指定ですが、突然翼面荷重のみが指定された訳ではなく、ある程度の次期戦闘機の研究を行った末の総合案の一部として翼面荷重も算出されている、と見たほうが良いようです。
 巷に伝わる130kg/uの値は要求仕様が固まり研究が進んだ段階で空技廠飛行実験部(後の横空審査部)からの要望として現れたもののようです。
 空技廠が翼面荷重についてひとつの指針を持っていたのは実は艦上戦闘機に限らず、局地戦闘機、攻撃機、偵察機に至るまで、全て数字が用意されているのです。翼面荷重に限らず、性能標準よりも詳細な各機種の仕様についての研究を空技廠は独自で行っており、烈風の翼面荷重指定も、三菱烈風の翼面荷重を指定したのではなく、空技廠案の次期艦上戦闘機の仕様を参考として三菱側に提示(あるいは強要)したのであろうと考えています。
 試製烈風そのものは強風と同程度の翼面荷重とF6Fと同程度の翼面積で設計された機体であり、保守的ではあるものの当初から予定していたA20発動機(これは研究段階から存在し、烈風の要求仕様書にも明確に誉とは指定されていない)を搭載したごく当たり前の艦上戦闘機であって、空技廠の干渉は実はさほど影響していないのではないでしょうか。


4001 [3997] [4002]
Re[2]:烈風の翼面荷重要求
SADA(00/8/21 20:35)

> 烈風の翼面荷重指定ですが、突然翼面荷重のみが
> 指定された訳ではなく、ある程度の次期戦闘機の
> 研究を行った末の総合案の一部として翼面荷重も
> 算出されている、と見たほうが良いようです。
> 巷に伝わる130kg/uの値は要求仕様が固まり
> 研究が進んだ段階で空技廠飛行実験部(後の横空審査部)
> からの要望として現れたもののようです。

ここまでは三次資料、四次資料からの知識しかない
私も「多分そうなのだろう」とは思いますが、その後、
「飛行実験部の要望」である130kg/m^2案の優先
を強いられたのではないのですか?

碇義朗著「雷電」には、烈風、雷電、零戦改良、閃電、
秋水とてんてこ舞いの三菱の状況が描かれていますが、
烈風について、130kg/m^2案を優先しつつ、
150kg/m^2案も並行して進めるよう指示されたくだりが
ありました。

>  試製烈風そのものは強風と同程度の翼面荷重とF6Fと
> 同程度の翼面積で設計された機体であり、保守的では
> あるものの当初から予定していたA20発動機(これは
> 研究段階から存在し、烈風の要求仕様書にも明確に
> 誉とは指定されていない)を搭載したごく当たり前の
> 艦上戦闘機であって、空技廠の干渉は実はさほど
> 影響していないのではないでしょうか。

同じく、「雷電」では、 海軍と三菱との会議の席上、
空技廠発動機部は「両方積んでみてテストするべきだ」と
述べた物の、他の部門に押し切られる形で誉一本で行く
ことが決定したと書いています。

海軍の航空研究開発部門たる空技廠が、新型機に口を
口を挟まないわけがない、と思うのですが。


4002 [4001] [4003]
Re[3]:烈風の翼面荷重要求
BUN(00/8/22 01:17)

 あたかも絶大な権限があったかに見えますが、航空本部より下部の機関であった空技廠もまた「性能標準」に拘束される立場にあったのです。
 ここから外れた企画を立てる場合は空技廠長名で海軍大臣当てに建白書を提出するほどの騒ぎになるような立場にある組織なのです。空技廠案の艦上戦闘機仕様はかなりスペックが煮詰められていて、そして翼面荷重が130kg近辺なんです。
 でも、それは烈風とは違う、ということだと思っています。


4003 [4002] [4007]
烈風の翼面荷重要求・・・と発動機選定
SADA(00/8/22 12:22)

>  あたかも絶大な権限があったかに見えますが、航空本部より下部の機関であった
> 空技廠もまた「性能標準」に拘束される立場にあったのです。

 ええ。力関係はそのとおりでしょう。だからこそ、
エンジン選定の局面で、海軍航空機の発動機事情について
最も詳しいはずの空技廠発動機部の意見が通らず、空技廠
飛行機部、航本技術部の意見に押し切られる形で誉のみで
行く事になったのだと思います。

>  ここから外れた企画を立てる場合は空技廠長名で海軍大臣当てに建白書を提出するほどの騒ぎになるような立場にある組織なのです。空技廠案の艦上戦闘機仕様はかなりスペックが煮詰められていて、そして翼面荷重が130kg近辺なんです。
>  でも、それは烈風とは違う、ということだと思っています。

 速度や上昇力など、他の性能を満足するなら翼面荷重は
低いほうがいいわけで、翼面荷重130kg/m^2の機体を提案することは
「翼面荷重150kg/m^2を目標とする」性能標準から外れた行為では
ないと思いますが・・・。


4007 [4003] [4048]
それは性能標準ではないですよ
BUN(00/8/22 22:45)


 昭和17年の時点での誉採用はある程度合理的であり、間違った判断では無いでしょう。
 烈風のエンジンを巡っての対立は表立っては空技廠と三菱間で行われていますが、17年9月の三菱名航所長から空技廠総務部長宛の意見書のデータは誉とA20を搭載して、翼面荷重を130の場合と150の場合で試算していますが、この時、A20発動機は2200馬力で試算されています。それに対して誉はアンダーパワーだと三菱側は主張しているのです。
 誉が何にとってアンダーパワーなのかと言えば、それは長大な航続距離要求を満たす為に巨大化した機体にとって、額面通りの出力であっても誉はアンダーパワーだと言っているのです。

>  速度や上昇力など、他の性能を満足するなら翼面荷重は
> 低いほうがいいわけで、翼面荷重130kg/m^2の機体を提案することは
> 「翼面荷重150kg/m^2を目標とする」性能標準から外れた行為では
> ないと思いますが・・・。

150kgの翼面荷重指定は烈風の要求仕様にあるのであって、性能標準にある訳ではありません。130kgというのは要求仕様をひっくり返す指定なのです。もともと十六試艦戦の計画が一年遅れたのは発動機の見込みが立たなかったという理由なのですから、発動機の選択肢は基本的には無いんです。よろしいでしょうか。

1.烈風の130kgの翼面荷重要求は、厳密には烈風とは別の機体(空技廠の艦戦案)の仕様である。

2.烈風の誉採用はこの時点では妥当な見解である。むしろ無謀な提案をしているのは全く未完成(終戦まで量産品無し)のA20(ハ43)を2200馬力として計算している三菱の側とも言える。

3.発動機が決まる前から不思議にも何故か決定していた烈風の機体規模は航続距離要求による燃料搭載量を基礎としているらしい。

私が考えている所は以上です。


4048 [4007] [4050]
それ賛成
胃袋3分の1(00/9/5 12:35)

> 2.烈風の誉採用はこの時点では妥当な見解である。むしろ無謀な提案をしているのは全く未完成(終戦まで量産品無し)のA20(ハ43)を2200馬力として計算している三菱の側とも言える。
>
私も前々からそう思っています。大体、終戦時においてさえ1基も量産機に搭載されていないエンジンをどうやって昭和17年に検討を開始している機体に積めるというのでしょうか?それなら、ハ42を積むように主張する方がまだ納得がいきます。
そして、三菱設計陣はある程度見込みでハ43に合わせた機体設計を進めており、誉決定後もあとで換装ができるとたかをくくったかのごとく、機体設計を誉に合わせた手直しをした形跡がありません。
本来なら艦戦という用途を考えても、疾風よりやや大きい程度の機体で完成していても不思議ではないはずです。


4050 [4048] なし
Re:それ賛成
たかつかさ(00/9/6 23:12)

回答いただいたみなさま、ありがとうございました。
これからもこの件は勉強してみたいと思います。

>> 2.烈風の誉採用はこの時点では妥当な見解である。むしろ無謀な提案をしているのは全く未完成(終戦まで量産品無し)のA20(ハ43)を2200馬力として計算している三菱の側とも言える。
まったく同感です。