太平洋戦における陸軍作戦 : Ms-09R(00/10/12 09:54)
Re:太平洋戦における陸軍作戦 : taka(00/10/12 22:39)
Re[2]:太平洋戦における陸軍作戦 : Ms-09R(00/10/13 00:34)
Re[3]:太平洋戦における陸軍作戦 : SUDO(00/10/13 07:02)
陸軍の装備は近代戦に対応できるのだろうか : dg(00/10/13 11:47)
泥縄陸軍 : Ms-09R(00/10/14 00:37)
そうでもないよ。 : BUN(00/10/14 01:35)
金がないのなら・・・ : dg(00/10/16 17:43)
Re:そうでもないよ。 : FIX(00/10/18 05:18)
よく読んでね。 : BUN(00/10/18 07:18)
Re:泥縄陸軍 : tackow(00/10/14 09:28)
Re[2]:泥縄陸軍 : 帝国金融新聞(00/10/14 13:47)
おかしな研究なら : Sampon(00/10/14 20:39)
Re:太平洋戦における陸軍作戦 : 帝国金融新聞(00/10/14 13:29)
Re[2]:太平洋戦における陸軍作戦 : Sampon(00/10/14 20:54)
Re[3]:太平洋戦における陸軍作戦 : 帝国金融新聞(00/10/14 21:46)
[投稿者削除] : Sampon(00/10/14 22:36)
Re[4]:太平洋戦における陸軍作戦 : Sampon(00/10/14 22:56)
[投稿者削除] : Sampon(00/10/14 23:07)
補足 : Sampon(00/10/14 23:12)
水際防御 : BUN(00/10/15 09:22)
そうでしたか : Sampon(00/10/16 21:07)
それは考え杉! : BUN(00/10/16 22:47)
米艦の艦名調査 : 大塚好古(00/10/17 09:59)
誰が読んでたのだろう? : BUN(00/10/17 10:59)
Re:誰が読んでたのだろう? : 大塚好古(00/10/17 11:18)
何で知ってるんです? : BUN(00/10/17 11:51)
恐ろしい : Ms-09R(00/10/17 21:27)
さらにわからなくなりました・・・ : 帝国金融新聞改めCAT(00/10/17 21:44)
戦法の変遷 : マキャベリ(00/10/17 14:22)
Re:戦法の変遷 : BUN(00/10/17 17:28)
戦後できた定説 : マキャベリ(00/10/18 00:47)
Re:戦後できた定説 : tackow(00/10/18 08:28)


4151 Root [4152] [4156] [4166]
太平洋戦における陸軍作戦
Ms-09R(00/10/12 09:54)

いや、そんなに大したモンじゃないんですが、よく戦史等の本に「帝国陸軍は対ソ戦のみを考え、太平洋における島嶼(?)戦は、何も考えていなかった」「故に、沿岸防御の破棄→内陸への引っ張り込み→持久戦→補給なし、物資の欠乏→玉砕。っといったワンパターンにおちいった」と書いてあるのですが、しからば、どのようにすれば良かったのでしょうか?
「正しい島嶼戦」あるいは「これなら勝てた!」というお考えがあれば、ご享受下さい。


4152 [4151] [4153]
Re:太平洋戦における陸軍作戦
taka(00/10/12 22:39)

>沿岸防御の破棄→内陸への引っ張り込み→持久戦→補給なし
>物資の欠乏→玉砕

まず沿岸防御ですが、敵が十分な準備砲撃を行えば水際陣地は
壊滅的打撃を受けます。よって水際で撃退しようとするなら敵
の準備砲撃が終わってから部隊を展開させないといけないですが
防御陣地が吹き飛ばされてるのであまり効果的とは言えないです。
というわけで内陸に引き込み自軍に有利な陣地で持久戦をすると
いうのは悪い選択ではないでしょう。また島嶼は基本的に孤立し
た場所なんで海軍が制海権を奪ってくれない限り補給に関しては
どうにもなりません。これは敵にも言える事なんで島嶼戦では制
海権を持ってるほうが普通勝ちます。つまり島嶼防衛戦における
陸軍の任務は海軍が制海権を奪回するまでその島の主用施設を守
ることになります。
つまり海軍が頼りにならないなら守るだけ無駄。
ただし硫黄島なんかは本土決戦までの時間稼ぎなわけで持久する
意味があり、初めから守り切れるとは思ってなかったはずです。

よって日本陸軍がとった戦術は正しかったと思います。


4153 [4152] [4155]
Re[2]:太平洋戦における陸軍作戦
Ms-09R(00/10/13 00:34)

>taka様、ご享受ありがとうございました。私の書き方が悪かったんですが、まさに、その点をお聞きしたかったんです。つまり「海軍が頼りにならなきゃ、守るだけ無駄」という事は、開戦前から分っていたハズです。しかるに、どうも陸軍を見ると、いわゆる「南方資源地帯」と「シンガポール」周辺に対する作戦は用意周到なのに、太平洋正面に対する作戦は、広範囲に少数の戦力をバラまいた上に、その後の事をなにも考えていなかったように思えるのです。 兵力がなっかったというのなら、中国戦線では無意味な「打通」作戦を繰り返していましたし、先の理由で「ムダ」というのなら、それこそ「やらなきゃよかった」と思うのです。(米軍はだから「飛び石作戦」を採用したと思うのです) で、それらを踏まえた上で(ココからが本題!(^^;)みなさんなら、どう作戦指導しますか?−という事を、お聞きしたかったのです。(ふう・・長い。すいません)


4155 [4153] なし
Re[3]:太平洋戦における陸軍作戦
SUDO(00/10/13 07:02)

攻撃する側は何処を攻撃するかを選択できますが
防御側は何処に来られるか判らないのです
飛び石は米軍の都合で行われた物ですが
ならば史実で攻略されなかったところには
兵力を置かないでよかったのでしょうか?

私は、それをした場合
米軍は防備の弱いところを重点的に選択した
別の飛び石をしたのではないかと想像します

次に兵力の問題ですが数万の軍隊を何処かに配置した場合
継続的な補給が必要ですね>勿論兵力の運搬にも
それが可能なだけの輸送能力を持っていたのかという問題もあります
また兵力は有効密度がありますからあれ以上配置したところで大きな戦力向上は得られたのでしょうか?
大陸での打通作戦と南方への兵力抽出は
どちらも大差ないでしょう
まだしも、成功すれば別の可能性を夢想できる分だけ
打通作戦の方がマシとも言えます

さて、文句ばかりつけても始まらないのですが
例えば、陸上戦力をもっと削減して
その人員を生産や航空戦力に回す事が出来れば
多少は全体的な戦力に貢献した可能性が有るとも言えます
また、どうせ守る事なんか出来ないのだから
南方には警備用の駐屯部隊しかおかず、兵力を節約するという選択肢もアリでしょう
マリアナのような要衝にだけ配置するのですね
敵の上陸近しと判断した場合には
高速兵員輸送艦艇や戦車揚陸艦で構成された
緊急派遣部隊をすかさずその島へ送り込むという形で対応する
陸戦では良くある機械化部隊の用法ですが
整った哨戒体制の確保と
派遣部隊を安全に揚陸させるための方策に
問題がかなりありますが、やり方としてはアリですね
レイテ戦なんかもそういった観点で語る事も可能ですし

まあ、結論としては
結局制海権を喪失したら勝てないのですから
そんな事してるよりも制海権確保に労力を投入するべきで
そして、それは陸軍の仕事じゃないでしょう


4156 [4151] [4159] [4169]
陸軍の装備は近代戦に対応できるのだろうか
dg(00/10/13 11:47)

帝国陸軍が、
中国の軍閥やら国民党政府軍を相手にするなら
あれで間に合っているのかも知れないが、
ノモンハン戦役にみるとおり、
重砲の能力・野戦機動力・兵站・通信など、
一部の航空戦を除けば、あらゆる点でソ連
軍に劣っていたことを理解していたとは思えない.
いや、理解していたとしても、国民に知らせ
ないように隠していたか.

金がないから18トン以上の戦車を考えるな・だの、馬が足りないから野犬を集めて歩兵砲を
牽引させる研究だの、おかしなことを
少なからずやっている.

敵(米英ソ)を研究せずして戦争に突入する
ような破滅願望集団に、こうすれば・という
ような選択肢があるようには思えないが.


4159 [4156] [4161] [4165]
泥縄陸軍
Ms-09R(00/10/14 00:37)

SUDO様、dg様、ご意見ありがとうございました。結局のところ、当時の陸軍には、近代戦に関する知識も努力もなかったという事ですか。 SUDOさんのご指摘のような、いわば「帝国海兵隊」のような組織を考える事もなく、また、制海権なくしては、島嶼戦など行えないのに、海軍との軋轢は深まるばかりだったというのであれば(無論、陸軍側にも言い分はあるのでしょうが)
もう、何をか言わんーなワケですね。
やはり、彼等は(もちろん海軍も含めて)「やってしまえば、なんとかなる!」みたいな感覚だったんでしょうか。


4161 [4159] [4180] [4207]
そうでもないよ。
BUN(00/10/14 01:35)

 予算が無かったのが一番のネックでしょうが、近代戦に関して知識が無かったというのはやや極端な見方です。
 当時の陸軍は最新の戦術理論を取り入れることにはかなり熱心でした。ソ連の機甲戦術などについての研究はかなり進んでいたのです。それは当時、陸軍が翻訳出版した書籍からも読み取れます。こんなに戦車戦術の理論を輸入していたのか、と驚くほどです。近代戦を理解していなかったと言い切ることはできません。


4180 [4161] なし
金がないのなら・・・
dg(00/10/16 17:43)

>  予算が無かったのが一番のネックでしょうが、近代戦に関して知識が無かったというのはやや極端な見方です。

dg:金が無い.おいらもそう思います.
金がないなら、金を稼ぐ、つまり、経済的
基盤を固めるのが先だったのでしょう.
鶏たまごになりそうですが、
金がないから、それを稼ぎに満州へいく、
さらに北支だ、南方だ・と.

そして経済制裁を食らうはめになる.

問題はその後です.

経済封鎖を食らった後、封鎖解除に努力
(していたとは思うが)する以上に、
いくさの方向を目指してしまったのでは
ありませんか.


4207 [4161] [4208]
Re:そうでもないよ。
FIX(00/10/18 05:18)

研究が進んでいること=理解があること、にはならないのではないでしょうか?
どんな新戦術にしても、“知っている”だけなら大国の陸軍としては当然のことです。それ以前なら問題外です。たぶん、フランス軍だって電撃戦という概念の存在自体は“知っていた”でしょう。それを真面目に取り扱って対応できなかったからああいう風になっちゃんじゃないでしょうか。
日本軍が作ったそういう資料は、軍の方針の参考にされたり、前線の指揮官が活用したりはできていたのでしょうか。


4208 [4207] なし
よく読んでね。
BUN(00/10/18 07:18)

>フランス軍だって電撃戦という概念の存在自体は“知っていた”でしょう。

独参謀本部からして当初「電撃戦」を考えていなかったのですから、FIX君、やっぱり知らないんですよ。対抗手段をマニュアル化できる訳がありません。
その辺、誤解ですよ。

> 日本軍が作ったそういう資料は、軍の方針の参考にされたり、前線の指揮官が活用したりはできていたのでしょうか。

活用できるように誰もが理解できるマニュアルを作成配布したのですから、とても真面目に取り扱ったんです。新しい事象に対してそれを体系立てて捉え、対応をマニュアル化できる、ということは高度な理解と実行力が無ければ不可能です。
問題はそんな瑣末な部分じゃなんですよ。


4165 [4159] [4167]
Re:泥縄陸軍
tackow(00/10/14 09:28)

> 結局のところ、当時の陸軍には、近代戦に関する知識も努力もなかったという事ですか。

また、BUN師匠に先んずられてしまいましたが、そんなコトはないと思います。勉強はしてますよ。
昭和17〜18年頃、市井の本屋さんで売っていたと思われる戦車や機甲戦史の本(陸軍監修、翻訳)があるのですが、かなりの事が詳しく書いてあります(英国の戦車工場の写真とか、月産台数、勿論性能や戦術も。)。
多分、当時の「マニア」は相当な知識を持っていたんではないでしょうか?
これなどは、ホンの一断面ですから、あるべきところには敵国や友邦の情報が沢山あり。それを基に近代戦の勉強をしていたんです、多分。


4167 [4165] なし
Re[2]:泥縄陸軍
帝国金融新聞(00/10/14 13:47)

 たとえ部内に知識を摂取し、現実を充分に認識していた人達がいたとしても、それをトップが受入れ、自分達の置かれている状況でなにが出来るかを考え、スタッフに命じてプランやドクトリンを考えさせ、実施するという事が帝国陸軍には致命的に欠けていたと思う。現実的な提言を1プランの受入、ドクトリンの変更による部内の混乱の恐れ2無根拠な精神主義 がガンだったのでしょう。


4169 [4156] なし
おかしな研究なら
Sampon(00/10/14 20:39)

> 金がないから18トン以上の戦車を考えるな・だの、馬が足りないから野犬を集めて歩兵砲を
> 牽引させる研究だの、おかしなことを
> 少なからずやっている.

おかしな研究なら、敵も少なからずやってます。
犬に爆雷を括り付けて戦車を攻撃させたり、蝙蝠に焼夷弾を縛り付けて木造家屋を燃焼させる研究をしたり。

軍の中枢、主流派がそういう研究に期待を抱いてのめり込んだのなら別ですが、研究があったこと自体は軍の非近代性を示してはいないでしょう。


4166 [4151] [4170]
Re:太平洋戦における陸軍作戦
帝国金融新聞(00/10/14 13:29)

> 制空、制海権が敵の手にある以上、たとえ少々装備がましでも正面きっての戦闘では米豪軍に勝てない。でも正面きって勝てなくても1敵に長期間、島嶼の航空基地、港湾の使用をさせない2 なるべく長く抵抗して敵に出血と時間と物資を必要とさせること はできるかもしれない。
> 「勝てない」けど多分「一番まし」な作戦は1地下化、要塞化 2 重砲による施設の妨害 3小規模部隊による遊撃戦 と思います。


4170 [4166] [4171]
Re[2]:太平洋戦における陸軍作戦
Sampon(00/10/14 20:54)

>> 「勝てない」けど多分「一番まし」な作戦は1地下化、要塞化 2 重砲による施設の妨害 3小規模部隊による遊撃戦 と思います。

ペリリュー戦以降の作戦では1,3の戦術を良く取り入れていると思います。しかし、それが出来たのはサイパン戦で「水際撃滅」が幻想に過ぎないことが判ってからのことで、それまでの戦訓が無くては取れない戦術だったのではないでしょうか。


4171 [4170] [4172] [4173]
Re[3]:太平洋戦における陸軍作戦
帝国金融新聞(00/10/14 21:46)

ううむ、ここで書いたのは「自分の考えは後智恵だと承知の上で」の意見でしたから・・。しかしサイパンにしてもタラワの結末を見れば制空、制海権を握られたら水際撃滅は無理というのはわかるのでは(仮に第一波を撃滅しても敵は後続を繰り出せる。味方は補給皆無でいずれ消滅)。またフィリピンといい、沖縄といい、持久戦を主張する現地司令部の計画を水際撃滅に固執する大本営が台無しにしたということを考えると1、3の実施が充分に行われたとも思えません。本来戦訓の摂取とそこから何かを生み出すのに最も熱心でなければいけない中央が最後まで同じ考えに固執し、決められた方針通りにやっていればいいはずの現地軍がモノを考えないといけなかった辺りに太平洋戦における日本陸軍の悲劇の一端があると思います。


4172 [4171] なし
[投稿者削除]
Sampon(00/10/14 22:36)

投稿者によって削除されました。(00/10/14 22:36)


4173 [4171] [4174] [4175] [4196]
Re[4]:太平洋戦における陸軍作戦
Sampon(00/10/14 22:56)

> ううむ、ここで書いたのは「自分の考えは後智恵だと承知の上で」の意見でしたから・・。

お気持ち、とても良く判ります。仮想戦記が流行るのも、あの時ああしていれば・・・という思いが妄想になったようなものですからね。

> しかしサイパンにしてもタラワの結末を見れば制空、制海権を握られたら水際撃滅は無理というのはわかるのでは(仮に第一波を撃滅しても敵は後続を繰り出せる。

サイパンの場合は、敵が来るのが予想より早すぎた、というのが大きかったと思います。敵が上陸したとき31軍司令部が島を離れていた位ですから。軍単位の配備があって、航空支援があれば守り抜けるという自信があったと思います。

> またフィリピンといい、沖縄といい、持久戦を主張する現地司令部の計画を水際撃滅に固執する大本営が台無しにしたということを考えると1、3の実施が充分に行われたとも思えません。

フィリピンではルソン山岳地帯持久戦を主張する14方面軍とレイテ決戦をやりたい大本営の対立がありましたが、沖縄ではどうでしょう。水際戦が無くて、上陸した敵がエープリルフールかと拍子抜けしたということから、対立はなかったものと思っていましたが・・・。

> 本来戦訓の摂取とそこから何かを生み出すのに最も熱心でなければいけない中央が最後まで同じ考えに固執し、決められた方針通りにやっていればいいはずの現地軍がモノを考えないといけなかった辺りに太平洋戦における日本陸軍の悲劇の一端があると思います。

中川州男大佐、山下大将、栗林中将、牛島中将それぞれの個性や能力が戦い方に現れているとしても、やはり大本営レベルで島嶼戦のマニュアル見直しがあって、ペリリュー、比島、硫黄島、沖縄であれだけ出血を強いる戦いが出来たのではないでしょうか(この辺は文献ですぐ確認できると思います)。参謀本部が硬直した思想の持ち主だったことには同意しますが、戦訓の活かし方も何も知らない程だったとは思いません。


4174 [4173] なし
[投稿者削除]
Sampon(00/10/14 23:07)

投稿者によって削除されました。(00/10/14 23:07)


4175 [4173] [4176]
補足
Sampon(00/10/14 23:12)

自己レス、というか補足です。

> フィリピンではルソン山岳地帯持久戦を主張する14方面軍とレイテ決戦をやりたい大本営の対立がありましたが、沖縄ではどうでしょう。水際戦が無くて、上陸した敵がエープリルフールかと拍子抜けしたということから、対立はなかったものと思っていましたが・・・。

沖縄の場合、たしか持久戦を主張する32軍と、積極攻勢を督促する大本営とが対立したんでしたか(それとも、牛島中将が持久派、長参謀長が積極派でしたっけ)。少なくとも、水際作戦はやらない、という合意が双方にあったものと思ってました。


4176 [4175] [4183]
水際防御
BUN(00/10/15 09:22)

沖縄戦については、32軍が水際での防御戦闘を実施せずに飛行場を放棄したことについては大きな批判が上がっています。初期の水際での防御方針が捨てられ、後期には内陸での防御に重点が移された、というのはやや大雑把なまとめ方だと思います。


4183 [4176] [4186]
そうでしたか
Sampon(00/10/16 21:07)

> 沖縄戦については、32軍が水際での防御戦闘を実施せずに飛行場を放棄したことについては大きな批判が上がっています。初期の水際での防御方針が捨てられ、後期には内陸での防御に重点が移された、というのはやや大雑把なまとめ方だと思います。

BUN師匠、ご教授ありがとうございました。いま海外に在住しており、資料が参照できないもので、記憶を頼りにいい加減なことを云って大変申し訳ございません。反省し、暫くは大人しくしております。


4186 [4183] [4191] [4202]
それは考え杉!
BUN(00/10/16 22:47)

ええ?!大人しくなんかしないでくださいよ。
 私の意見はどちらかと言うとSamponさんと近いところにあります。
 島嶼戦での戦訓はよくぞあの情況で、と感心する位に収集されていますし、連合軍の新型装備についての実態把握も非常に精度の高いものがあります。陸軍中央が何も知らなかった訳でも無ければ、何もする気が無かった訳でもありません。
 それは海軍でも同様で、例えば、一般にはエセックス級の戦没艦襲名で海軍中央が混乱した、と伝えられていますが、実際には襲名艦の元の艦名から、その艦名がどの型の何番艦に変更されたかまでも把握しています。(実は民間の雑誌にすら発表されています。)
 陸軍にしてもM4はおろか他の戦車の武装、装甲、その弱点を突いた攻撃法に至るまでかなり正確に掴んでいます。日本の対戦車攻撃法のマニュアルにはあのマイナーなテトラ−クまで載っているんです。こんな例は実に沢山ありまして、幾ら挙げてもキリが無い程です。一般に批判される程に戦術の改良という点において、日本は硬直してもいなければ怠惰でもなかったのです。
 問題はもっと根源的な部分にあるようです。


4191 [4186] [4192]
米艦の艦名調査
大塚好古(00/10/17 09:59)

 米海軍艦艇の場合戦時中に発行されたShips & Aircraft of the U.S.FleetやJane's Fighting Shipsに型・艦番号・艦名・就役予定年度まで全て載ってますからね(^^;。実際うちの父親は江田島でJane(1944)を読み、アメリカのアイオワ級のデータを見て「あう〜」と唸っていたと言うてます。
 一介の海兵生徒がそういったモノに触れられる状況にあるのですから,陸海軍上層部はそれ以上の情報を得ていたと考えるべきでしょう。


4192 [4191] [4194]
誰が読んでたのだろう?
BUN(00/10/17 10:59)

>実際うちの父親は江田島でJane(1944)を読み、アメリカのアイオワ級のデータを見て「あう〜」と唸っていたと言うてます。

私の父も陸士でタイガー戦車の情報と写真を見て「うぅぅ」と唸っていたとのことですから、陸軍も同様だったみたいですね。
しかし驚くべきは戦中の雑誌などの記事です。
昭和19年頃の航空雑誌などでは
「アメリカ発動機の戦時工作法」は加工方法から材質にまで及び
「大馬力発動機の将来」ではイギリスのゲテモノ発動機が揃い踏みです。
これ、一体誰が読んでたんでしょう??
雑誌の中に陸軍航空通信学校の教育計画の書類が裏を通信学校の試験の出題に対する点数配分のメモに使ったまま挟まっていたのはご愛嬌。軍が読んでたんですね(笑)。


4194 [4192] [4195]
Re:誰が読んでたのだろう?
大塚好古(00/10/17 11:18)

> しかし驚くべきは戦中の雑誌などの記事です。
> 昭和19年頃の航空雑誌などでは
> 「アメリカ発動機の戦時工作法」は加工方法から材質にまで及び
> 「大馬力発動機の将来」ではイギリスのゲテモノ発動機が揃い踏みです。
> これ、一体誰が読んでたんでしょう??

 その頃の私や師匠のような人が買っていたのではないかと(笑)。因みに私は友達の父君が持っていた昭和18年の航空雑誌の記事を読んでセイバー発動機の構造を理解しました(爆笑)。


4195 [4194] [4201]
何で知ってるんです?
BUN(00/10/17 11:51)

ドキッ!!
実は今、昭和19年9月号の航空朝日の
「過給器の発達−歴史的観察に重点を置いて」ゴルドン・ジョーンズ
を読んで過給器の基礎を勉強しているところであります。


4201 [4195] なし
恐ろしい
Ms-09R(00/10/17 21:27)

私の島嶼戦〜泥縄陸軍(勉強不足でした)から、戦時中の専門雑誌の話に変化するとは! やはりここは恐ろしく奥が深いところだ・・。(^^;


4202 [4186] なし
さらにわからなくなりました・・・
帝国金融新聞改めCAT(00/10/17 21:44)

 陸軍中央が何も知らなかった訳でも無ければ、何もする気が無かった訳でもありません。
 
 そうだったのですか・・・。大変勉強になりました。ここまで突っ込んだ調査研究が行われていたとは知りませんでした。

一般に批判される程に戦術の改良という点において、日本は硬直してもいなければ怠惰でもなかったのです。
>  問題はもっと根源的な部分にあるようです。

 で、この「根源的な部分」というのは?一体何まんでしょうか?予算の不足?あきらめ?訓練内容の変更に伴う混乱の回避?精神主義?
 後、ドイツで開発され貧乏日本でも採用出来そうな対戦車兵器(パンツァーブクセとか)はなんで生産されなかったのでしょう?パンツァーファウストは時期おくれな気はするけど。あれは間にあったんでは。
 総じてドイツのように「大いに相手を苦しめた」戦術や兵器が(私の知る限りでは擲弾筒くらい)なく、個々の局地戦もその指導がちぐはぐになっているのはなぜなんだ?という想いが皆様の投稿を見ていてより強くなってしましました。


4196 [4173] [4197]
戦法の変遷
マキャベリ(00/10/17 14:22)

サイパンまでは水際撃滅で、サイパン以降は後退配備で上陸後に攻勢をかけるように方針転換しました。サイパンの沿岸陣地は壊滅した訳ではなく簡易陣地であるにしては、比較的よく残存していたと記憶しています。防御工事をもう少し強化すればとの見方も成立し得ると考えます。
ルソンや沖縄では、当初上陸地点を見極めた上で積極攻勢に出る企画でしたが、沖縄より第9師団を台湾に、ルソンより第1、26師団及び戦車旅団をレイテに転出されたため、主力を失い山岳持久へと方針転換した訳です。結果的に主力を持って攻勢に出るより善戦したと見ることも出来ます。沖縄戦の結果で大本営は、上陸を許した後の攻勢は成功しないと判断し、再び水際撃滅へと方針を転換し本土防衛の陣地構築指導にあたりました。しかし現地部隊には現在工事中の後退陣地を放棄する事に抵抗があり徹底しなかったようです。

陸軍の米軍研究は開戦後二年して!ようやく陣容が整いサイパン戦の戦訓を取り入れ「敵軍戦法早わかり」と題する冊子となって前線部隊に配布されたのは昭和19年10月のことです。この経緯は文春文庫の「大本営参謀の情報戦記」に詳しいです。


4197 [4196] [4205]
Re:戦法の変遷
BUN(00/10/17 17:28)

 連合軍の兵器、戦術の研究とその結果の配布はそれだけじゃないようですよ。
 例えば私が例に挙げた非常に完成度の高い対戦車戦闘のマニュアルはそれより3ヶ月も前です。他の分野ではそれ以前の研究もあるので、ガダルカナルで初めて米軍と大規模な戦闘を行い、その後、ソロモン、ニューギニアでの戦闘の結果がある程度まとめられるのは恐らく18年半ば頃ではないかと思います。私は敵軍戦術の分析、対抗策などについてはまあ、よくやった方だ、と思っています。


4205 [4197] [4209]
戦後できた定説
マキャベリ(00/10/18 00:47)

昭和18年に千早正隆氏が北アフリカで活躍が伝えられているM4戦車について陸大戦術教官に対策を問い合わせたら、教官はその存在すら知らなかったとか、柔道と剣道の有段者が何人いるから米軍恐れるにたらずと豪語した司令官がいたとかの類の話が流布しているので、ろくな戦術研究していなっかたような印象がありましたが、戦後に作られた定説の類なんですね。
実際海没丸腰師団はともかく、第1師団など圧倒的に不利な条件下にしてはそれなりに善戦しているので、戦術レベルでの対抗策についてはまあ、よくやった方なんでしょうね。


4209 [4205] なし
Re:戦後できた定説
tackow(00/10/18 08:28)

 海没師団の割には良くやった、というのも正解だし。硫黄島とか沖縄も善戦した、というのも正しいんだと思います。
 実際、多くの孤島戦ではそうでしたが。あれだけの兵力差があったら、どんな国の軍隊でも結末は見えています。

 これは、孤島ではないですが、ガ島なんかも輸送船を無事に送り届ける事が出来たならば、どう転んだかは判らない面があるんではないでしょうか?


FlasH BBS Pro v1.41 [Shigeto Nakazawa]