零式艦上戦闘機四一型

零式艦上戦闘機四一型甲


昭和18年、海上護衛総隊は低速小型の商船改装空母での運用を想定した多用途機の開発を航空技術廠に対し指示した。
航空技術廠は仮称零式艦上戦闘機二一型改として零式艦上戦闘機二一型を二座に改造した機体を同年7月に完成した。
飛行性能は二一型と比較して最高速度及び上昇力が低下したものの飛行特性に関しては遜色がなく実用に耐え得ると
の評価により7月18日に防空、偵察、攻撃任務の全てに対応できる多用途機、零式艦上戦闘機四一型(A6M4)として制式
採用された。

零式艦上戦闘機四一型は二一型をベースとしており、主翼、尾翼、エンジン、プロペラなどは二一型と同じで胴体の
主要部もそのままであるが、つぎのように改造が加えられた。
・操縦席後方に同乗席を設け、偵察窓と爆撃照準機が装備された。(全長は延長せず)
 後席には操縦系はなく座席は円柱に取付けられたもので上下に35cm、左右に37度の位置調整可能とした。
・風防は前席、後席とも後方スライド式で中間及び後席後方は固定式とした。
 機動性の高い戦闘機としての性格を強く残していることから後方武装は考慮されなかった。
・後席による重心移動を調整するため機首部に防弾装甲板を装着した。
・胴体下に30kg爆弾であれば4発、60kg爆弾であれば2発、250kg爆弾であれば1発を懸架可能な懸架ラックを
 装着できるようにした。

派生型として三式空六号無線電信機(H-6型捜索レーダー)を搭載した四一型乙(A6M4a)と三式一号探知機
(磁気探知装置KMX)を搭載した四一型丙(A6M4b)があり四一型(A6M4)は遡って四一型甲と呼ばれるよう
になった。機体は四一型甲とほぼ同等だがアンテナの装備や重量軽減のため主翼内の機銃装備が廃止された。

四一型の量産は日立航空機が担当し18年9月の951空を皮切りに海上護衛総隊の各航空隊に配備され始めた。
951空で練成された飛行隊は18年12月から大鷹、雲鷹、海鷹、神鷹に配属され輸送船団の護衛任務にあたった。
各飛行隊は戦闘攻撃機×12、電探哨戒機×4、磁探哨戒機×8で構成され19年には米潜水艦ラッシャー、バーブ等
を撃沈する戦果を上げ敗戦の日まで日本の海上輸送を守り続けた。

零式艦上戦闘機四一型甲(A6M4)戦闘攻撃機
諸元:全幅12.000m 全長9.050m 全高3.525m 翼面積22.438m
自重1860kg 全備重量2590kg
発動機:空冷星型複列14気筒 栄12型 離昇出力940hp 基数1
性能:最高速度496km/h(高度4550m) 巡航速度330km/h(高度4000m)
着陸速度119km/h 上昇時間 高度6000mまで7分57秒 実用上昇限度10300m
航続距離(正規)1516km (過荷重)2045km
武装:97式固定7.7mm機銃2挺(装弾数:各680)、99式1号固定3型20mm機銃2挺(装弾数:各60)
爆装:翼下に30kg爆弾×2もしくは60kg爆弾×2
   懸架ラックに30kg爆弾×4もしくは60kg爆弾×2もしくは250kg爆弾×1

零式艦上戦闘機四一型乙(A6M4a)電探哨戒機
諸元:全幅12.000m 全長9.050m 全高3.525m 翼面積22.438m
自重1860kg 全備重量2590kg
発動機:空冷星型複列14気筒 栄12型 離昇出力940hp 基数1
性能:最高速度465km/h(高度4550m) 巡航速度330km/h(高度4000m)
着陸速度119km/h 上昇時間 高度6000mまで9分21秒 実用上昇限度10300m
航続距離(正規)1434km (過荷重)1933km
武装:97式固定7.7mm機銃2挺(装弾数:各680)
爆装:翼下に30kg爆弾×2もしくは60kg爆弾×2
   懸架ラックに30kg爆弾×4もしくは60kg爆弾×2もしくは250kg爆弾×1
電探:三式空六号無線電信機(H-6型捜索レーダー)

零式艦上戦闘機四一型丙(A6M4b)磁探哨戒機
諸元:全幅12.000m 全長9.050m 全高3.525m 翼面積22.438m
自重1860kg 全備重量2590kg
発動機:空冷星型複列14気筒 栄12型 離昇出力940hp 基数1
性能:最高速度478km/h(高度4550m) 巡航速度330km/h(高度4000m)
着陸速度119km/h 上昇時間 高度6000mまで8分14秒 実用上昇限度10300m
航続距離(正規)1467km (過荷重)1978km
武装:97式固定7.7mm機銃2挺(装弾数:各680)
爆装:翼下に30kg爆弾×2もしくは60kg爆弾×2
   懸架ラックに30kg爆弾×4もしくは60kg爆弾×2もしくは250kg爆弾×1
磁探:三式一号探知機(磁気探知装置KMX)