イタリア海軍航空隊 CR42改“グラディウス”

CR42改
 Bf109に敗れたハインケルが次期戦闘機として開発した機体。
イタリア海軍は航空戦艦ジュリオ・チェザーレで艦載機の運用を行っていた。
主力艦載機はCR42であった。
開戦後もCR42を依然として運用せざるを得なかったのは、空軍が最新鋭機を
独占したためである。CR42は複葉機として優れた性能を誇っていたが、
ハリケーンなどの新型機に劣勢は否めなかった。
1940年6月、輸送船団から脱落していた英軍の輸送船”プリンス・オブ・ペルシャ”
をイタリア海軍は拿捕した。驚いた事に”プリンス・オブ・ペルシャ”には
マーリン3型航空発動機が30機積み込まれていた。英輸送船団には誰もその
積み荷の重要性に気づくものがなく、拿捕時にも破壊を免れていたのである。
イタリア海軍航空隊はこの奇貨に狂喜した。CR42の発動機をマーリンに換装
すれば大幅な性能向上が見込めると考えたのである。
早速、ジェノアのピッコロ航空機製作所で改造にとりかかった。
改造の要点は発動機の交換と、バランスを取るための操縦席の位置の変更、
一部機体構造の強化であった。作業は驚異的速さで進み、9月には
最初のマーリン搭載CR42が完成した。試験飛行では速度、上昇力の
大幅な向上が見られ、操縦性、実用性とも申し分なかった。
マーリン搭載CR42は制式名称がないまま「CR42bis」と呼称され、
早速部隊配備された。関係者の間では”グラディウス”と呼ばれる
事が多かったが、この愛称の由来は諸説あってはっきりしない。
初陣の1940年11月のイラストリアス追撃戦ではジュリオ・チェザーレ
艦戦隊がシーハリケーン、フルマーと互角に戦い大戦果を上げている。

[性能]
最大出力1030馬力
最大速度490km
12.7mm機関銃*4