
J7W1はジェットエンジンの使用も考慮して設計されていた。計画では地上静止推 力900kgでほぼ3000HP相当のもので速度は780km/h程度。ただし離陸用補助ロケットが 必要だがこれは過荷重としたいと言う事で石川島芝浦タービンで試作中のネ130ジェッ トエンジンだったようであるが結局実現しなかったと言われていた。しかしJ7W1のエ ンジン完成が遅れ作業が進まない中ジェット化に向けてネ20を装備した機体が実際に 存在したのである。九州飛行機では中島で設計された双発ジェット攻撃機「橘花」の 転換生産を昭和20年から行っており(九州製「橘花」は1号機がほとんど完成した時 に終戦となった)都合が良かったのである。J7W1がエンジンで開発が遅れる中ジェッ トエンジンを搭載した方が実用化が早いとの判断で拍車が掛かったのである。J7W1 は元々戦闘機として設計されていたので橘花よりも都合が良かった。ネ130が完成し たらすぐに換装できるようにネ20(推力不足は分かっていたが)で進められた。ジェッ ト化により薬莢回収箱がいらなくなり機内スペースを有効に使えるようになった。 ネ20により機体のラインはJ7W1よりもスッキリしたものとなった。ただ重心が変わっ たのでエンジンノズルは外側へ移動している。この機体は推力不足の為にMXY-6のよ うに曳航機で空中まで持って行き飛行性能と操縦性の実験が行われたとも言われてい る。プロペラトルクの問題が無くなったのは言うまでもない。ネ20については従来形 式のMXY-9(彗星の爆弾倉庫にネ20を装備した実験機)での機動実験の飛行データが 役立ったらしい。写真は尾輪がある事から8月3日以降のものと思われる。 |