飛燕2型改空力特性向上機

飛燕2型改空力特性向上機

本機は飛燕2型改の冷却効率及び空力特性を向上させたものである。これは昭和20年2 月に中国で捕獲され3月に福生に着いたP51Cムスタングを見に川崎の技術者が訪れ機 体を入念に調べ飛燕2型改にフィードバックした。なおその後のP51Cムスタングは巡 回訓練を大阪・大正飛行場で行ったが模擬空戦中にエンジン両側に付いた発電機の1 つが焼けて飛行不能になり大正飛行場に放置されていたらしい。試作は川崎岐阜工場 で行われ完成したパーツを組み込んだ機体は性能向上が認められ早速福生の航空審査 部飛行実験部でテストされた。さらに審査部の機体にも組み込まれ(10号機)B29迎撃 に出撃した。変更点は胴体下のラジエーターの取付位置はそのままでカバー形状はム スタングに近い形状にして空気取入口を扁平な楕円の抵抗の少ないコンパクトにしそ の位置も機体から離され気流の境界層を両側に逃がした。冷却温度調節フラップは最 大開口時でもほぼ水平になるようにセッティングを変更することで冷却効果が上がっ ただけでなく空力特性も向上した。過給器空気取入口も機体との隙間を大きくしラム 効果を上げている。プロペラ幅も根元まで太いもの(雷電の形状をを参考に試作され た)としたことで機体より外側にはみ出しているプロペラ面積が増えたことによりプ ロペラ全体の有効推力面積が増加したことで最高速は620km/hとなり上昇力も向上し ている。航空審査部飛行実験部の機体が何機改造され他の部隊で使用されたかは分か っていない。


飛燕2型改空力特性向上機