マーチンベイカー M.B.406



1942年11月、アメリカ・イギリス・連合軍は、北アフリカのアルジェリアとモロッコに上陸。
その際、現地のビジー統治下フランス軍は、連合軍を受け入れました。
これを見たドイツ軍は、フランス空軍機すべてを確保しようとしますが、20機程のモラーヌソルニエM.S.406が、イギリス側に逃亡を試みたのでした。

さて、イギリスでのM.S.406に対する評価は、最悪なもので、当然、スクラップ化される運命にありました。
M.S.406は、鈍足もいいところで、海面上でのスピードは、時速400Kmにも満たないありさまでした。
しかし、マーチンベイカー社が研究の為と、これらすべてを買い取ったのでした。 これには、いくつかの理由がありました。

M.B.2の失敗後も、マーチンベイカー社は、なんとしても、戦闘機市場に乗り出したいと考えていました。
技術力があるとはいえ、投資も必要となり、簡単に出来るというものでもありません。

そこに、ベースとなるべき機体を見てしまったのです。
実は、鈍足のM.S.406も、謎とまで言われる程に操縦性が良かったのです。

もし、高性能なマーリン・エンジンに換装するとすれば、重心位置を正しく取る為に、主翼に乗りかかるように搭載する事になります。
奇跡的にも、胴体の上下幅は、意外な程広く、エンジンを主翼上に搭載する余地があったのです。

これが、M.S.406 買取りの理由でした。
ただちに、改造され、テストされました。

<主な改造点>
操縦席を60Cm後退させていますが、胴体幅もあまり変わらない為、キャノピーは、そのまま使用。
エンジンマウントを大幅改修し、マーリン・エンジンを搭載。
ラジエター形状見直し。
胴体後半の羽布張りをやめ、アルミ板を張り、剛性もアップさせる。
横安定を保つ為、垂直尾翼面積を増大。
武装が貧弱な為、ガン・ポッドを装着。


テストされた結果、素晴らしい性能を見せました。
この機体をM.B.3として、発表しましたが、(すみません、まったくの嘘・・・でも似てる)M.S.406にちなんで、M.B.406と改名しました。

やがて、さらなる高性能を目指し、なんとグリフォン・エンジンに換装したものも出現。
これが、イラストの機体です。

かつて、M.S.406に、ソ連のクリモフ・エンジンに換装した 『メルケ(おばけの意)・モラン』という物が存在しました。
これで、やっとカタログデータ通りの性能が出せたそうですが、今回のグリフォン・エンジンを積んだバケモノは、海面高度にて、時速720Kmを記録したそうです。
グリフォン・エンジンは、小型のスピットファイアーには過激すぎると言われていましたが、今回のベースのM.S.406は、さらに小型な機体です。
もの凄い加速力と、上昇力まで備えてしまいました。