英国海軍 小型航空母艦 改「ハーミズ」級

改「ハーミズ」級

諸元(新造時)

基準排水量 : 9,500t
全長    : 182.5m
全幅    : 27.4m
吃水    : 5.7m
主機    : 蒸気タービン2基・2軸
機関出力  : 40,000馬力
速力    : 25kt
兵装    : 14cm単装砲×5
        10.2cm単装高角砲×4
搭載機   : 20機
乗員    : 670名
同型艦   : 8隻

 改「ハーミズ」級はそのクラス名が示すとおり「ハーミズ」を基に、量産 を前提として建造された小型航空母艦である。

 第1次大戦中、ドイツ海軍の水上機母艦による通商破壊に手を焼いた英海 軍は、航空機の脅威には航空機をもって対処するという、意外なくらい健全 な発想のもと、航空機母艦の量産を決定した。

 自らも水上機母艦の運用経験が深い英海軍は、離発着など水上機の運用に は制約が多いことを知っていた。水上機母艦でなく航空機母艦が量産の対象 となったのはこのためである。

 ここで問題となるのがワシントン軍縮条約である。この条約によって航空 機母艦の保有量には制限が課せられていた。この制限に抵触せずに空母を量 産するため、条約制限外の10,000t以下の小型空母が量産されることになっ た。単艦あたりの建造費の節約もまた、理由のひとつである。

 かくして、新たに量産する小型空母は建造中の「ハーミズ」を基にその設 計を整理/簡略化することで、建造コストと排水量を抑えた艦型とすること が決定され、改「ハーミズ」級の誕生となったのである。

 改「ハーミズ」級は原形の「ハーミズ」に比べて14cm砲の搭載位置を整理 している。
 原型「ハーミズ」が舷側に3基づつの14cm単装砲を搭載しているのに対し、 改「ハーミズ」級は左右舷側に各1基、艦尾に3基、計5基の14cm単装砲を 装備している。これによって舷側開口部を減らし、船体構造の簡略化/軽量 化を図ったのだ。

 改「ハーミズ」級の1番艦は「ハーミズ」に遅れること約1年、1924年7 月に竣工している。以降毎年約1隻づつ、経済大恐慌によって予算が打ち切 られる前の1929年度分まで、計8隻が竣工している。

 改「ハーミズ」級の存在が原因で、ロンドン軍縮条約は排水量10,000t以 下の航空母艦の保有量制限を盛り込まないまま締結された。
 航空母艦としての備砲制限は依然有効であるものの、この制限では巡洋艦 と同等の砲戦力を備えた艦を建造するのは容易で、巡洋艦保有量の制限に関 する限り、ロンドン条約は存在しないも同然となってしまった。

 第2次大戦初期、改「ハーミズ」級の各艦は船団護衛、あるいはドイツ海 軍通商破壊艦の捜索に投入された。
 船団護衛では、ドイツ軍のFw200「コンドル」に対する迎撃で、かな りの成果をあげたと伝えられている。