アメリカ海軍 1938年度(架空)計画艦「イリノイ級」

イリノイ級

架空戦記「オイローパ帝国」の中で、 米共和党下院議員の「4万トンや5万トンを ちまちまつくっていてもしようがない! どーんとでかいのを10隻も浮かべておけば、 アメリカに害をなす国などない」
との発言で、アイオワ級をとりやめ、その場の 雰囲気で毎年2隻の建造が決まった.
パナマ運河を通れる最大の戦艦という、 1920年代以降研究され続けてきたフネの具現 とも言えるもので、この架空世界の中では、 このフネを沈められる兵器は当分存在しないといわれる.

基準排水量:10万2000トン
満載排水量:12万3000トン
全長:326m
全幅:32.6m
きっ水:13m
出力:21万馬力
最大速度:27ノット
水線装甲:457mm
甲板装甲:187mm
砲塔前盾:570mm
主砲:45口径20インチ3連装×5基
高角砲:38口径5インチ連装×10基

排水量は、通称「12万5000トン型」と議会で呼ばれて いるが、これはドイツのZ計画の噂を上回るもの・という ことで、実際は上の通り.
外観の特徴は、なんと言っても巨大な主砲塔につきる.
海軍では、この艦を「波上の要塞」と呼び、陸軍の4発爆撃機 の向こうを張った.

イリノイが、外国に与えたショックはものすごいものであった.
英国はアメリカと張り合う無理を悟り、欧州方面での危機に 対応することに専念し、予定とおり4万トンのライオン型の 建艦を続ける.また、永い海軍運用の経験から、イリノイ型の 有効性に疑いをもったふしがある.
フランス・イタリアは国力が続かず、リシュリュー型・リットリオ型 をそれぞれ4隻づつ作った時点で建艦競争から脱落. ソ連はマイペースでソユーズ型戦艦・クロンシュタット型巡洋戦艦 の建造を継続している.
日本は、20インチ砲戦艦の登場にあわて、急遽「超大和級」として 20インチ砲戦艦の建造に着手した.
ドイツは、大型軍艦の建造費用を惜しみ、ビスマルク級2隻以降、 大型艦の建造をやめてしまった.

皮肉なことに、イリノイ級は、細い艦体が災いして、20インチ砲15門の 斉射が危険であることが判明したが、これは極秘事項とされた.
ために、3番艦以降は18インチ砲15門とし、艦幅を39mに大幅に拡幅し、 パナマ運河の通過を断念した.
このため、米海軍は、フィラデルフィア工廠、ニューポートニューズ造船所 に加えて、西海岸のサンディエゴ工廠・サンフランシスコ軍港についても 13万トン級軍艦の修理施設のみならず建造設備を投資した.
これらは、後に、超大型空母配備にあたって、大きな意味をもってくる.
1番艦イリノイ、2番艦オハイオは、いかに「その場の雰囲気での 意志決定が国民の財産を損なうか」というシンボルとなったが、 このことは国民には知らされていない.
次の英国王戴冠記念艦観式や、コロンブス航海500年記念式などが イリノイ・2番艦オハイオの晴れ舞台であろうと内部では言われている.