
・基準排水量 36.100トン ・満載排水量 41.800トン ・全長 238.6m ・全幅 30.2m ・機関出力 200.000馬力 ・喫水 8.1m ・航続距離 13.000海里(18kt)・速力 34.5kt ・武装 ・50口径41センチ砲連装三基 ・65口径12.7センチ連装両用砲十基 ・40ミリ機関砲十六基 ・25ミリ機関砲十二基 ・装甲 舷側340mm 甲板130mm 主砲380mm ・同型艦 「穂高(HODAKA)」「戸隠(TOGAKUSHI)」 「羊蹄(YOUTEI)」 概要 改正ロンドン条約(1937)において、戦艦の制限がかさ上げされ たことで「阿蘇」級では戦闘能力に不安が出るということから、建 造以前の五・六番艦は当初指摘されていた砲門数の不足に目をつむ り、41センチ連装砲三基を搭載するための設計変更が加えられた。 これが改「阿蘇」級こと「鷲羽」級である。 「鷲羽」級では敵戦艦の十六インチ砲に対抗するために、「阿蘇」 級では多少不安があるとされていた防御力の強化が図られており、 また排水量の増加による速力の低下を補うために「鷲羽」級は「阿 蘇」級に比べて艦首尾が延長されている。 「鷲羽」級は当初二隻のはずであったが、1940年に東欧・北欧を 巡る英仏独対ソ連の戦端が開かれたことで自動的にロンドン条約が 失効したため、戦力の更なる強化を図ろうとする帝国海軍は「鷲羽」 級二隻を追加建造した。 これは、合衆国の保有する十六インチ砲搭載戦艦「コロラド」級、 「ノース・カロライナ」級、「アイオワ」級、計15隻に対し、「長 門」級、「加賀」級、「六甲」級、「摂津」級計10隻という日本の 保有戦艦の数的不足を、「鷲羽」級によって補完しようと考えたか らである。アメリカはその大陸の両側に艦艇を配備しなければなら ず、そのためその15隻全部が日本海軍に立ち向かうわけではないた め、「鷲羽」級の配備により戦艦数ではさらに優位に立てるのも追 加建造された理由である。 これに加え、当世界最大の19インチ砲を搭載した「相模」級なら びに「紀伊」級が洋上に出ることを考えれば、アメリカとはいえ容 易に手を出せないことは明らかであった。しかしながら、「相模」 級の存在がアメリカに開戦を決意させることになったのはある意味 皮肉な話であるが。 それゆえ「鷲羽」級の建造は急ピッチに進められることになった。 そのおかげか対米戦開戦時には四隻共に竣工しており、そのうち二 隻が「阿蘇」級と共にマーシャル沖海戦に参戦、「ノース・カロラ イナ」級戦艦撃沈の一助となっている。 また本来ならば対抗すべき「アラスカ」級にも優位に戦いを進め ることができたが、「モンタナ」級「ロード・アイランド」級と大 型化する米戦艦群に能力では太刀打ちできず、機動部隊の護衛艦と してその後の対米戦を乗り切ることになった。本級を量産しようと する動きが封じられたのもこうした中途半端な能力が問題になった ことと、戦時量産された「浅間」級と対空射撃能力ではたいして変 わらないということがあったからである。 本級はそれなりの活躍を見せた艦種であったが、対米戦終結後に は中途半端に大きな艦である本級は28センチ砲装備の「阿蘇」級 よりも扱いにくく、結局は「阿蘇」級の砲塔をそのまま本級が受け 継ぐということで、戦後も二隻ずつ洋上・改修を繰り返しつつ70 年代後半まで在籍した。本級が退役した理由は、70年代に開発さ れた新型対空ミサイルシステム装備艦に発達余裕のある「六甲」級 が選ばれ、その改装予算を捻出するために、日本海軍の偉容を見せ る以外に大して能力のない本級を保有し続ける理由が無くなったた めである。 本級の保存艦は、「鷲羽」が瀬戸大橋近くに40センチ砲装備の 対米戦状態で保存されている。当初呉軍港に保存されていたが、19 85年の瀬戸大橋の開通において鷲羽山近くに移送された。同年に開 催された瀬戸大橋博覧会では一大テーマパークとして大盛況であっ たらしい。 |