ドイツ第二帝国巡洋戦艦「ヴォーダン」級

1913年竣工時「ヴォーダン」

諸元(1913年竣工時 「ヴォーダン」)

  基準排水量  26350t
  全長     208.5m
  全幅     28.5m
  喫水     9.25m
  機関出力   68.000hp
  速力     26.5kt
  航続力    4800海里/14kt
  乗員     1106名
  武装     28cm砲(L50)連装 五基
         15cm砲(L45)単装 一二基
         8.8cm砲 単装 一二基
         50cm水中発射管 四基
  装甲     舷側300mm 甲板80mm 主砲250mm

 本級は、スカンジナビア半島西方沖に位置する島国、ヴィントスラント王国からの発注により190
9年に「ヴィントスラント」、「マリアテーゼ」という艦名で起工された艦である。ところが、建造中
に第一次世界大戦が勃発、ドイツによって徴用、それぞれ「ヴォーダン」「ヴァルハル」と改名され、
1913年に「ヴォーダン」、翌年には「ヴァルハル」が竣工している。

 装備は基本的に「モルトケ」級と同様の装備であったが、主砲配置を変更、艦尾だけでなく艦首でも
背負い式配置を採用したことで全主砲塔が首尾線上になるようにされた。これによって主砲の射界が向
上しており、ドイツ巡洋戦艦としての能力は「デアフリンガー」級に次ぐものとなった。

 両艦ともに大海艦隊偵察部隊(巡洋戦艦戦隊)に配備され、ジュットランド沖海戦ではイギリス巡洋
戦艦「ケイオス」「バベル」を撃沈する戦果を挙げているが、ドイツは第一次世界大戦で敗戦、終戦後
は他の戦艦と共にスカパフローに抑留される。後に、スカパフローに抑留されていたドイツ艦隊のほと
んどの艦が一斉に自沈しているが、「ヴォーダン」、「ヴァルハル」は自沈することなく、戦利艦とし
てイギリスに引き渡されることとなった。そして、この二隻は後に「世界でもっとも数奇な運命をたどっ
た戦艦」と呼ばれるほどに様々な運命が待ち受けていたのである。

作者より

 ドイツ第二帝国海軍、格好いいですよねえ。個人的にはこの時代(弩級艦時代)の戦艦と巡洋戦艦が
好きなのですが、中でもドイツ巡洋戦艦が一番のお気に入りです。スマートでそれでいて重厚なイメー
ジを持つドイツ艦は世界でもっとも美しい艦だと思います。

 さて、この「ヴォーダン」級ですが、見た感じまったく普通のドイツ巡洋戦艦(「ザイドリッツ」と
「デアフリンガー」を足して二で割っただけ)ですが、これからある意味で火葬な(笑)運命を辿っ
ていくこととなります。それはどんな運命か? また、文中に出てきたイギリス巡洋戦艦「ケイオス」
「バベル」とは一体何物か? それについては次回以降のお楽しみということで。
                                       
 今回の赤っ恥。「ヴォーダン」「ヴァルハル」という艦名ですが、当初は「オーディーン」「ヴァル
ハラ」となっておりました。これがドイツ語ではないということに気がついたのはメールを送った後の
こと(爆)慌てて再度メールを送ったのであります。画像ファイル名が「1913odin.bmp」なのはその名
残なのですねえ(苦笑)

 ちなみに、同じく文中に出てきたヴィントスラント王国ですが、こっちは秘密でもなんでもなく、当
初イブクーロでやる予定だったのが時代的に不可能&勝手に使って良い物か判断しかねたためにでっち
上げた架空の国ですので念のため。

                                        明石耕作