■グラーフ・シュペーII級装甲艦

グラーフ・シュペーII :1942年10月就役
ザイトリッツ :45年の終戦時に完成65%状態で、その後ソ連に賠償艦として引き渡し。
3番艦以降建造中止

要目
 基準排水量:15000t(実際は16000トン程度ある)
 全長   :198.5m
 全幅   :21.8m
 機関出力 :132000馬力(「ヒッパー級」と同じもの)
 速力   :31.0ノット
 航続距離 :16ノットで8000海里

 水線部装甲:120mm
 甲板装甲 :80mm

武装
 主砲  :52口径28.0cm砲  三連装2基 6門
 副砲  :55口径15.0cm砲  連装2基 4門
 高射砲 :65口径10.5cm砲  連装6基 12門
 艦載機 :2機

備考
1938年9月、独海軍から発令された新艦の要求に対して、ドイツ艦政本部は折からの海軍復活もあり活気に満ちていました。そして、その勢いを以てこの新艦種の設計、建造に取り組みました。

艦種:巡洋戦艦(装甲艦)
満載排水量:30,000t以内
用途:敵艦隊誘致、牽制、遊撃、決戦時の主力支援
特記事項:6〜8隻の建造を予定

 要求は以下のようだった。そこで設計者側としては、実にドイツ的な発想から限界の性能を盛り込んだ3万トン一杯の巡洋戦艦の建造を目論みました。(※一番下のイメージ図参照)
 しかし、実際大まかな設計が固まった時点で別の意見が出されました。
意見を出したもの達は、「特記事項」に注目したのです。曰く『ただでさえH級の建造が計画されているのに、その上6隻から8隻もの大型艦をどうやって建造するのか。残念ながら我がドイツにはそれだけの施設は存在しない。ならば、もっと現実を見た実現性の高い艦を設計することが我々の任務ではないだろうか』と。
 確かにその通りだった。無理をすればできなくもないだろうが、3万トン程度の巡洋戦艦にそこまでする必要性はあまりありませんでした。用途を考えれば、条約型重巡洋艦を撃破できる程度の性能で十分でした。
 こうして、H級と新型装甲艦と言うハイ・ロー・ミックスの建造計画としてまとめられ、推進される事になりました。
 しかし、急な変更をしたことで問題が浮上します。問題は、設計期間でした。
 この問題に設計者側は、「ヒッパー」級重巡洋艦と装甲艦の設計を大幅に流用する事で解決した。そして、この設計流用に際して、部品も可能な限りどちらかと共用できるようにされました。これにより、工期と予算の削減が大いに期待できたからです。さらに、無理をすれば2年半程度で建造が見込まれた事も、時勢から大きな利点と考えられました。
 そして、1939年9月、ドイツがポーランドに侵攻する直前に、相次いで先行する3隻が起工されました。
 その後戦局の推移によりドイツ海軍全体の新規建造が停滞しましたが、ヒトラー総統の命令により、建造中だった「ヒッパー」級から資材を流用して建造が急がれ、1942年10月に一番艦の「グラーフ・シュペーII」が就役しました。艦の名前は非常に政治的意図を感じさせるものがありましたが、思いの外堂々とした姿に、最初の出撃に立ち会ったヒトラー総統も上機嫌だったと伝わっています。

 技術的には、既存の技術の集大成であり、特に代わり映えするものは全く使われていませんでしたが、それ故使い勝手が良く将兵からも好評で、訓練が終わるとさっそくノルウェーにいるテルピッツの元に派遣されて、通商破壊艦および抑止艦としての役割を果たしました。
 戦局が逼迫すると、残存艦と共にバルト海方面に疎開し、1945年5月のドイツ降伏時に自沈し、その短い生涯を閉じました。
 なお、2番艦以降は、2番艦が建造半ばで工事が停止され以後防空砲台として活用。降伏後にソ連に賠償艦として引き渡された他は、そのいずれもが計画中止、建造中止に追い込まれその姿を洋上に現す事はありませんでした。
 そして、このクラスの建造のために「ヒッパー」級の建造中だった、「ザイトリッツ」と「リュッツォウ」の建造は早々に中止され、多くが部品とされています。

初期計画案完成予想図

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※あとがき
お久しぶりです。
久々の普通の投稿となってしまいました。
本当なら、競争試作にエントリーする予定だったのですが、
結局間に合わず、このような形となりました。
今回のコンセプトは、「(それなりに)安い、(建造期間が)早い、うまい?」です(笑)
ですが、見ての通り史実に存在する装甲艦の装甲と速力などを改善しただけの平凡な艦です。
ハッキリ言って、史実で計画された新型装甲艦よりも劣りますが、
私的には、条約型重巡洋艦とその後に現れる巡洋艦に対抗するのが本来の目的だと思っているので、
この程度で十分ではないかと思います。

また、投稿に際して姉妹デザインも作ったので、そちらは後に私のサイトで紹介したいと思います。
(文責:扶桑かつみ(by太陽帝国))