諸元(1943年竣工時「富士」)
基準排水量 47200t
全長 268.2m
全幅 32.9m
喫水 9.6m
機関出力 198.000hp
速力 32.8kt
航続力 7400海里/18kt
乗員 1280名
武装 40.6cm砲 (L45) 連装 4基
10cm高角砲 (L65) 連装 12基
25mm機関砲 3連装 18基
水偵 4機
装甲 舷側380mm 甲板120mm 主砲425mm
同型艦 「富士」「浅間」「筑波」「白根」
日本海軍がロンドン条約の特例措置で建造した「三笠」級巡洋戦艦は、排水量35000t、主砲口
径14インチという制約と1921年に「長門」級戦艦「陸奥」を竣工させて以来実に14年ぶりの戦
艦建造ということから様々な新規技術を実験的に導入するという方針から発生した様々なトラブルとで
決して満足できる艦ではなかった。これに対して、日本海軍では、六六艦隊計画において6隻建造予定
であった巡洋戦艦の残り4隻はまったく新しい設計で建造することにしており、「富士」級はその計画
に従って建造された日本最後の巡洋戦艦である。
六六艦隊における巡洋戦艦の運用思想は、基本的には空母を含む高速機動艦隊(いわゆる空母機動部
隊ではなく、戦前のフランスが計画していた機動性を生かして一撃離脱作戦や通商破壊作戦、あるいは
敵通商破壊艦の攻撃などを目的とする小規模艦隊に近い)の主力艦というものであり、これに基づいて
導かれる設計思想は、空母との共同活動に十分な速力、数度の海戦に耐えうる耐久性や航続性能、及び
敵空母との戦闘を想定した防空火力等であり、戦艦を相手とする攻撃力の優先順位は比較的低く抑えら
れていた。「三笠」級も基本的にはこれに基づいて設計されており、「富士」級ではそれを発展させる
こととなった。
基本計画において最大の問題となったのは搭載する主砲である。当時搭載が想定されていた主砲は、
「三笠」級に採用された長砲身14インチ砲、1930年代に計画された「金剛」代艦で搭載が予定さ
れ、「長門」級の搭載時に換装された改良型16インチ砲(改装計画が進められた当時ロンドン条約が
有効であったため、口径を正16インチにしているために口径は小さくなっているが、砲弾の初速度及
び発射速度が向上している為、火力は41センチ砲を上回る)、新型戦艦に搭載予定であった18イン
チ砲であるが、これらのどれもが難点を抱えていたのだ。まず、長砲身14インチ砲は砲身の振動が原
因で命中率に悪影響を及ぼすことや、砲身命数が少なすぎる点が問題となっており、その反面で火力自
体は期待されたほど向上していないということもあって魅力に欠けた。開発が順調に進んでいた18イ
ンチ砲はそれらの点で問題はなかったが、発射速度が遅く、有効な射撃を行うにはある程度多数の砲を
搭載する必要があるとされていた。しかし、必要を満たす数の主砲を搭載したのでは計画中の戦艦をも
上回る巨艦となってしまい、(建造費用から)予定された排水量に納めるとすると6門が限界、しかも
装甲は対18インチ装甲を張ることなど不可能であるという結論に達していた。もっとも現実的なもの
は16インチ砲だが、「長門」級に搭載された連装砲塔を採用するとなると火力の面で「長門」級と同
等となるため新規に建造するだけの魅力に欠け、5基10門搭載するのではヴァイタルパートが長くな
りすぎる。装甲面では既に全体防御の採用が決定されていたのだが、それでもやはりヴァイタルパート
が長すぎるのは望ましくなかった。また、3連装砲塔の開発も提案されたが、新規に砲塔を開発するの
は時間的制約から避けたいという意向もあり(14インチ砲搭載案は3連装4基、18インチ砲搭載案
では3連装2基で計画されていた)、基本的な原案作成の段階で計画は非常に難航している。
結局のところ、最終的に採用されたのは、「長門」級と同じ16インチ連装4基という案であり、結
論としては常識的な形にまとまっている。また、重要視された対空火器は長10センチ砲を12基採用
しており、当時の戦艦としては最大級の火力を誇っていた。また、速力、防御力も十分なものとなって
いるが、航続力については初期段階で搭載が予定されたディーゼル機関が振動問題で搭載を見送られ、
蒸気タービンになったことで平凡な値に止まっている。
43年3月に竣工した「富士」、同年5月に竣工した「浅間」は竣工後すぐに大西洋戦線に派遣され
ることとなり空母機動部隊の直衛艦として、また、44年2月に竣工した「筑波」、同年3月に竣工し
た「白根」は地中海方面で活動していたが、45年のソ連艦隊極東出撃に際しては「富士」「浅間」が
パナマ運河を経由して日本に帰投、「筑波」「白根」は南大西洋フォークランド島沖ででソ連艦隊と接
触しているがこのときはまだ日ソ開戦前であったため、戦闘は行われずにソ連艦隊の太平洋進出を許し
てしまっている。
戦後になって戦艦の時代は終わったが、4隻とも生き残った「富士」級は、「大和」級が運用費用の
問題で比較的早期に退役したのとは対照的に改装を重ねながら長く日本海軍の主力として生き残り、最
後の実戦となった1999年の第三次中国戦争では巡航ミサイル搭載艦として北中国の中枢部に対する
先制攻撃を敢行している。現在唯一現役である「筑波」も2005年には退役を予定しているが、その
時点での艦歴61年は一線級の戦闘艦としては恐らく最長不当の記録となるであろう。
作者より
やりたかったことは一言で言えば「和製ビスマルク」です。しかも性能じゃなくて外見が(苦笑)
第二次対戦型戦艦の中で一番綺麗で強そうな艦は「ビスマルク」級だと思いませんか?他の艦も含めて、
ドイツ艦は流麗さと重厚さを兼ね備えた一級品揃いだと思っております。ちなみに二番目はアメリカの
「アイオワ」級。自分の中では「大和」級は正直言ってワーストクラス・・・・・・ビリっけつは何と
なく中途半端な「ノース・カロライナ」級。何か弱そうでちょっと。
中味の方は過去の作品で何度か出てきた六六艦隊の巡洋戦艦です。全体的には「アイオワ」級に近い
かな? ちなみに、最初は全幅を33.5mに設定。過去の作品で「パナマ運河経由で極東に回航」と
いう話があったのを思い出して「この全幅じゃパナマ運河通れんじゃん」と慌てて削ったりして(爆)
主砲の問題については絵を描きながらどうしようか悩んだことから。実際に主砲5基搭載案や3基搭載
案も絵を描いてみたりして悩んだ悩んだ。最終的には「ビスマルク」のイメージを重要視して連装4基
に。でも何かなあ・・・・・・
それではこの辺で失礼します。
明石耕作
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