日本帝国海軍 巡洋戦艦 「三笠」級

「三笠」1939年竣工時

諸元(1938年竣工時「三笠」)

  基準排水量  35000t
  全長     245.0m
  全幅     28.8m
  喫水     8.8m
  機関出力   165.000hp
  速力     32.5kt
  航続力    9500海里/18kt
  乗員     1325名
  武装     35.6cm砲(L50)三連装 三基
         12.7cm高角砲(L40)連装 十二基
         25mm機関砲三連装 十二基
         水偵 四機
  装甲     舷側350mm 甲板120mm 主砲400mm

 1921年のワシントン会議、1930年のロンドン会議によって主力艦の新規建造を禁止していた日米英
各国であったが、基準排水量35000t、主砲口径14インチ(35,6cm)を上限として条約の期限が
切れる1937年から戦艦の新規建造を認めることとなっていた。ところが、この時点でロンドン会議に参加
しなかったフランス、イタリアさらには英独海軍協定をもって戦艦の建造を再会したドイツ、そしてそのドイ
ツの技術支援を受けて戦艦の建造を計画していたソ連と、ロンドン条約の制限を受けていない各国は次々に戦
艦の建造を再開。これらの各国が計画している戦艦と比較して、第二次ロンドン条約で加えられた制限を遵守
した設計では対抗するのが困難であるという問題が浮上していた。

 1936年に開かれた第二次ロンドン会議はこの問題を巡って紛糾、建艦競争の再開を望まないアメリカと
仏独の新戦艦に危機感を募らせるイギリスとの対立で一時は交渉が決裂しかけるが、結局、特例措置として1
936年7月をもってアメリカ、イギリスは105000t(35000t戦艦3隻)、日本は70000t
(同2隻)の新戦艦建造枠を得、それ以降の新戦艦の制限については36年末に東京で会議を開いて最終的に
決定すること、同時に旧式戦艦の改装に関する制限を完全に撤廃する(日本は新戦艦建造枠が米英より少ない
代償として、練習戦艦「比叡」を戦艦として再就役させる事を認めさせている)事となった。この決定により
、イギリス海軍は「キング・ジョージ5世」級戦艦3隻を、日本海軍は「三笠」級巡洋戦艦2隻を建造するこ
ととなった(アメリカ海軍は「ノースカロライナ」級戦艦を設計したが、最終的には東京会議で1937年以
降制限の完全な撤廃の決定を待って16インチ主砲搭載艦に設計変更、建造している)。



 イギリス海軍はドイツ、フランス、ソ連の新戦艦に対抗する意味から新戦艦の建造を急いでいたため、「キ
ング・ジョージ5世」級においても条約の制限内で可能な限り有力な戦艦として建造しているが、日本海軍で
は厳しい制限を科せられたこの時点で新戦艦を建造することに消極的な意見が多く、一方で研究を進めていた
新型戦艦案(後の「大和」級)が実際に建造されるさい、技術的に困難な点が数多く存在することを懸念する
声も大きかった。これらの問題が、最終的に条約で認められた建造枠を利用して実験的な巡洋戦艦を建造、そ
れによって得られた技術を新型戦艦にフィードバックする方針を決定づける事となったのである。これにより
、新巡洋戦艦には

1:速力向上を目的とした高温高圧缶による大出力機関
2:長砲身大口径砲と三連装砲塔
3:全体防御方式及びダメージコントロールシステムの改良による耐久力の向上
4:航空機の性能向上に対応するため強化された対空装備

などといった新技術の積極的な採用を行っている。

 一番艦「三笠」はロンドン会議によって認められた1936年7月に起工、続いて二番艦「朝日」が9月に
起工したが、データ収集のために「三笠」の建造を急いだために「朝日」の建造は遅れに遅れ、「三笠」38
年3月に早くも竣工したのと対照的に「朝日」の竣工は40年3月までずれ込むこととなる。また、「三笠」
に関しても(おおむね予想されていたとおり)機関や主砲などにトラブルが多発、実戦兵力として完全に戦力
化するのはやはり40年に入ってからとなっている。



 なお、基本的に本級二隻は「実験艦」的な性格が極めて強い艦であったが、本格的な運用が行われて後は、
空母機動部隊の直衛艦や高速打撃部隊の中核戦艦として良好な運用実績を残しており、特に、マダカスカル沖
海戦においては遊撃部隊として活躍、戦力敵に優勢な独伊艦隊を大混乱に陥れて勝利の原動力となっている。



作者コメント

 明石耕作、初の投稿作品になります。まずは自分の投稿作品の傾向ですが、「陸軍の旅順攻略失敗によって
日露戦争に敗北、大陸進出を阻止された結果として親米英路線を取った日本を含む日米英連合対満州を支配す
るソ連と同盟を結んだナチスドイツを中心とする枢軸国との間の第二次世界大戦」という、佐○○輔氏あたり
の影響をもろに受けまくった世界観を背景として行くのではないかと思われます^^;; やる気と能力と時間が
そろったら、小説にしたいなあ、この世界観。

 で、今回の「三笠」。親米英路線を取る以上、ロンドン条約の制限を無視して41年にいきなり「大和」を
竣工させるわけにはいかない、かといって「大和」を考えると35000トン、14インチ砲の戦艦なんぞ大
して使えそうもない。と、言うことでどうにかして建造する理由をでっち上げてみたわけですが・・・・・・
我ながら、つまらない艦になった気がします。まあ、設定上も個人的にも「これからもっと凄い物を作るため
の練習用」だからしょうがないですね(苦笑)

 文章中に出てくる「大和」も、史実と違う艦にするつもりですし、「大和」級、改「大和」級計六隻の戦艦
と、「三笠」級、「富士」級計六隻の巡洋戦艦からなる「六六艦隊」の設定もありますので、そのうち残りの
艦もやってみようかと思っております。

 それでは、これからもよろしくお願いいたしますm(_ _)m

                                                                                明石耕作