−−−「高千穂」級 建造への経緯−−−
1939年9月の第二次欧州大戦勃発時、日本海軍欧州派遣艦隊は
義勇艦隊の扱いを受けイギリス国籍で戦っていた。
これは第2次日英同盟条項内の秘密条項で交戦国が一国の場合宣戦
布告ではなく義勇軍を出すというものであった。
1939年10月17日スカパフローへドイツ空軍の空爆の中、港
外で待避行動中の戦艦「金剛」が至近弾を受け大破した。
「金剛」は空襲が終了しスカパフローへ入港しようとこころみたが
入港直前に放水隔壁が破れ浸水が激しくなり、横転、弾薬が誘爆し
海中に姿を消した。
これが世界で初めて航行中の戦艦が航空機の攻撃で撃沈された瞬間
であった。
日本海軍はこの時期、空母中心の艦隊へと変わりつつあり、スペック
的には戦艦を撃沈可能な航空魚雷などが配備されていたが、戦艦を
沈めることができるのは戦艦という考えが大部分を占めており、航
空機によって戦艦がそれも自軍の物が沈められたことにかなりの衝
撃を受けたようである。
このことは、それまで細々と空母直衛用に建造されていた「秋月」
級防空駆逐艦の建造計画が一挙に2倍になったことでもわかると思
う。
その後、実際に試験が行われた、結果、航行中の艦船でも命中させ
ることが可能であること、撃沈が可能であることが証明された。
このことにより、2倍増やされた「秋月」級防空駆逐艦の建造計画
がさらに増やされ3倍近くになった。
しかし、それだけでは日本海軍は安心できなかったのである。
そして計画、建造されたのが「高千穂」級 防空巡洋艦であった。
「高千穂」級への性能要求としては、同時に突入してくるであろう、
雷撃機、急降下爆撃機、を阻止できるものと、という過酷な物だった。
この時期、日本海軍で航空機による大型艦艇の攻撃法としては雷撃
機3機、急降下爆撃機3機、合計6機を一単位とする雷爆同時攻撃
法がとられていた。
6機、この数値を元に同時に6機の航空機を阻止できる能力を要求
した。
このことにより、電探連動対空射撃管制装置は6基搭載され、艦載
砲としては、その当時、もっとも対空射撃に適した100mm65口径連装
両用砲が選択された。
搭載数は電探連動対空射撃管制装置が1基で3基の砲を指揮可能な
ことから最大数の18基が要求されたが、船体が大型になりすぎる
ことから、前後左右甲板に各4基の16基と搭載数は決り設計そし
て建造が開始された、要求提出から1番艦の起工までまで3ヶ月と
いう例のないスピードで計画が進んだ。
1940年2月8日 「高千穂」級、1番艦「高千穂」起工、以後
4番艦まで2月中に日本各地の海軍工廠、民間造船所で起工された。
その後、さらに八隻の建造が承認され、一番艦から四番艦が建造さ
れたのと同一のドックで四隻一組で一二番艦まで建造されることに
なった。
要目:「高千穂」級 防空巡洋艦 一番艦「高千穂」
・基準排水量 14,600トン
・全長 220.2m
・全幅 24.8m
・喫水 7.3m
・主機 艦本式オール・ギヤードタービン4基、4軸
・主缶 ロ号缶本式(重油専燃)8基
・機関出力 180,000馬力
・速力 35.5kt
・航続距離 9,500海里(18kt)
・武装 100mm65口径連装両用砲 16基
25mm3連装機銃 16基
・装甲 水線 127mm
甲板 51mm
砲塔 35mm
司令塔 115mm
・同型艦 「高千穂」級 4隻
「高千穂」級 一番艦「高千穂」
1940年 2月 8日 三菱造船、長崎造船所にて起工
1941年 4月14日 進水
1941年10月20日 竣工
二番艦〜四番艦は省略する。
「高千穂」級 防空巡洋艦 五番艦から八番艦の建造にあたって・・・
当初、「高千穂」級と同一の装備で建造される方針であったが、
「高千穂」級4隻は竣工後すぐ欧州方面の戦闘に投入された。
ドイツ空軍との戦闘の中、同時目標処理数が6目標では足りないこ
とが判明した、しかし、これ以上電探連動対空射撃装置を設置する
場所は無く、砲塔に目標追尾用の射撃電探を設置する方法を採るこ
とになった。
このことによって、電探連動対空射撃管制装置から各砲塔の射撃電
探に追尾をスイッチする事によってすべての砲塔が別の目標に対し
て射撃できるようになり、理論値では同時に16目標への射撃が可
能になった。それにあわせて、索敵電探の増設、電探連動対空射撃
管制装置の新型への変更も行われた。さらに、建造時期に開発中で
あった新型127mm両用連装砲へ変更も検討されたが、数をそろえられ
ない、開発中の物で建造計画を狂わせてはいけないとの観点から変
更は9番艦以降に持ち越された。
この改訂から「高千穂」級の5番艦から8番艦までを「改高千穂」
級、又は「穂高」級と呼ぶ場合もある。
要目:「高千穂」級 防空巡洋艦 五番艦「穂高」
・基準排水量 15,000トン
・全長 220.2m
・全幅 24.8m
・喫水 7.3m
・主機 艦本式オール・ギヤードタービン4基、4軸
・主缶 ロ号缶本式(重油専燃)8基
・機関出力 180,000馬力
・速力 35.5kt
・航続距離 9,500海里(18kt)
・武装 100mm65口径連装両用砲 16基(射撃電探付き)
25mm3連装機銃 16基
・装甲 水線 127mm
甲板 51mm
砲塔 35mm
司令塔 115mm
・同型艦 「穂高」級(「改高千穂」級)4隻
「高千穂」級 5番艦「高千穂」
1941年12月 8日 舞鶴海軍工廠第1ドックにて起工
1943年 1月10日 進水
1943年 6月25日 竣工
六番艦〜八番艦は省略する。
「高千穂」級 防空巡洋艦 九番艦から一二番艦の建造にあたって・・・
「高千穂」級九番艦以降の建造に当たって当初の計画通り新型砲塔、
127mm55口径連装両用砲へ変更されることになった。
この他に、「高千穂」級が艦隊編成時に防空能力、通信指揮機能の
高さから防空指揮統制艦に任命されることが多く、現場より艦隊防
空戦時、防空指揮統制用の指揮所に使えるスペースが欲しいとの要
望があり、艦橋前部の設計を改め防空指揮統制用のスペースをもう
けたため艦型が少々変わっている。
さらに、通信指揮機能の強化、新型対空索敵電探の装備をおこない
艦隊防空戦にかなりの威力を発揮した。
六番艦から八番艦は竣工後、内地で再編中であった、第一航空機動
艦隊、第三航空機動艦隊に各二隻づつ配備され防空統制艦、防空副
統制艦として任務につき、第一、第三航空機動艦隊の防空戦の要と
して第二次欧州大戦、そして太平洋戦争を戦った。
この改訂から「高千穂」級の九番艦から一二番艦までを「改高千穂
U」級、又は「新高」級と呼ぶ場合もある。
要目:「高千穂」級 防空巡洋艦 九番艦「新高」
・基準排水量 16,200トン
・全長 220.2m
・全幅 24.8m
・喫水 7.4m
・主機 艦本式オール・ギヤードタービン4基、4軸
・主缶 ロ号缶本式(重油専燃)8基
・機関出力 180,000馬力
・速力 35.2kt
・航続距離 9,300海里(18kt)
・武装 127mm55口径連装両用砲 16基(射撃電探付き)
25mm3連装機銃 16基
・装甲 水線 127mm
甲板 51mm
砲塔 35mm
司令塔 115mm
・同型艦 「新高」級(「改高千穂U」級)4隻
「高千穂」級 九番艦「新高」
1943年 8月10日 大神海軍工廠第9ドックにて起工
1944年 9月24日 進水
1945年 2月13日 竣工
一〇番艦〜一二番艦は省略する。
この後、一番艦から八番艦まで全艦が損傷修理の際又は艦隊再編成
中に「高千穂」級9番艦以降と同様の装備へと改装されたのは言う
までもない。
以下に各艦の戦歴を記するところだが一二番艦まで書いてると疲れ
るのでまたの機会にする。
「高千穂」級の評価
日本海軍が航空機による攻撃をおそれて建造した物であったが、本
級の建造は正解だったといえるであろう。
第二次欧州大戦以降の戦闘では航空機のはたす役割はますます大き
くなり、対艦攻撃兵装(ドイツ空軍の滑空爆弾、誘導爆弾、航空魚
雷など・・)の発展もめざましい物があり、この時期に「高千穂」
級が誕生したのは、海軍にとって救いであったといえよう。
初期型では防空力に対する評価はそうでもなかったが、中期型以降
の防空力に対する評価はがらっと変わる、中期型以降(改装後の初期
型も含む)の配備された艦隊への攻撃は自殺行為と評価されるほどの
強力なな防空能力を与えられていた。
本級は日本海軍において初めて建造された対空戦闘専門の大型戦闘
艦でありこのあとに続く防空巡洋艦の基礎となったのは言うまでも
ない。
計画の12隻が完成後さらに追加の建造計画もあったが本級の調達
価格が高価なこと、最近装備が開始された新型の防空巡洋艦「石狩」
級の使用実績が比較的良好であり、調達価格も安いことから(砲塔
は16基から10基に減少、これまでの戦闘結果などから導き出さ
れた数値による)、こちらに建造をスイッチすることになった。
しかし、機動艦隊防空指揮官は「石狩」級より「高千穂」級の配備
を切に願ったという、砲塔10基20門の「石狩」級と砲塔16基
32門では突入してくる敵機へ指向できる砲の門数の数がかなり
違ってくる。たとえば、左右どちらからかの突入と仮定すると「石
狩」級8基16門、「高千穂」級12基24門。数にして1.5倍
の違いが出てくるイコール突入してくる敵機の阻止数にも違いが出
てくるわけである。
このあたり、現場での要望と設計側での意見が食い違っていたよう
である。
戦争後半にもなると対空誘導弾搭載艦艇も配備され最強とは言い切
れなくなったが、それでも艦隊防空の主役はまだまだ火砲であり休
戦までその座を譲ることなくすごした。
休戦後は全艦が対空誘導弾搭載艦へと生まれ変わり1970年代後
半まで数度の改装を行いつつ現役ですごした。
現役を離れたあとも半数は売却され、各国海軍で使用され、残り半
数はモスボール保管されたが再就役はないであろう。
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艦載兵器概要
口径 砲身長 初速 弾丸重量 俯仰角 射程/射高 発射速度
100mm65口径連装両用砲
100mm 650mm 1000m/秒 13.0kg -10〜+90度 14000/11000 30発/分
127mm55口径連装両用砲
127mm 700mm 1000m/秒 25.4kg -10〜+90度 21600/14200 50発/分
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どもです。制作者のJTです。
今回は防空巡洋艦を作成してみました。
日本帝国海軍の防空巡洋艦です。ただ、命名基準がよく解っていな
いので艦名が変かもしれませんがそのあたりはお許してください m(_ _)m
かなりの重武装です、それに、初期型で電探連動対空射撃管制装置
装備済みだし、技術力進みすぎてるような気が自分でもします。
そのうえ、絵が完成してから思ったのですが、かなり、トップヘビー
の様な気がするんですが、復元性が悪くて転覆しないか心配です・・・
一応前の「レジナ」級の歴史を継承しつつ新たに年代を重ねてみま
したが、もう、年表作らないと訳わからなくなってきています(^^;;
次期、投稿艦艇は年表作成後ですね。次回作は戦艦が書きたい気が
しますが、設定の決まっている「石狩」級防空巡洋艦かも・・・?
「レジナ」級の時に言った「六甲」級はいつになることやら・・・
反省:伏線貼るごとに「金剛」級沈めてます。この時点で生き残り
一隻「比叡」のみ・・・沈めすぎたm(_ _)m
誤字脱字はお許しくださいm(_ _)m
ではでは、この艦のご意見、ご感想、聞かせてくれるとうれしいです。
2000/04/12 JT
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