概要
「土佐」型の名は八八艦隊計画にその名を見出すことが出来るが、実際に建造された艦の要目はこれと大きく異なる。
当初、金剛型4隻を廃棄して土佐型戦艦2隻・赤城型巡洋戦艦2隻の建造が予定されていたが、
ジュットランド海戦の結果を反映した装甲増強を行うと速度低下がおこる。
それも特に赤城型において顕著であることが判明した。金剛型の代艦として運用する上で、
速度の低下は由々しき問題であり、大幅な計画修正が行われた。
・水平装甲および水線下防御を特に強化すること。安全距離は搭載砲に対して2万〜2万5千メートルとす。
・7千t8吋砲甲巡で採用した結果、平甲板方の船体は、居住区の床に傾斜を生じさせる。
又、波打つ甲板上に水平構造物を作る際に工程の複雑化を招く。長門型のように長船首楼型の船体とする。
・副砲は荒天時に波をかぶるケースメートを廃し、全て連装砲塔に収める。
・確実な防御を施した上で30Kntを発揮する為には20万馬力近くが必要となり現実的ではない為、
速度は28Knt程度とする。米戦艦の速度が23Knt程度であるため、この程度でも十分である。
・満載時に28kntの発揮が可能であること。
・金剛型ではフッド型4隻には対抗し得ない。
問題の多い「扶桑」型2隻と「伊勢」型2隻をフッドに対抗し得る巡洋戦艦として大幅に改装することとして、
「土佐」型「天城」型計4隻は同一設計の戦艦とする。
といった経過を経て要目が決定され、建造されたわけだが、八八艦隊の計画艦が果たしてその計画速度を
出せたかどうかが疑わしいのに対し、新「土佐」型は満載時に確実に計画速度である28kntを出すことを
確約させられ、更にはそれを実現させたため、結果的には優秀な機動性を常に発揮できる高速戦艦となり、
後の半世紀近い間日本海軍のシンボルとしてあり続けたのである。 猶、艦名が1番艦より「土佐」「加賀」
「天城」「赤城」であるのは土佐型2隻・赤城型2隻を建造する予定であった際の名残である。
竣工時
艦型:長船首楼型 ダブル・カーブド・バウ
水線長:244メートル
全幅:33メートル
喫水:9.2メートル
基準排水量:4万6800トン
満載排水量:5万2500トン
主罐:ロ号本艦本式水罐(重油専焼);18基
建艦:1番艦「土佐」;呉工廠
2番艦「加賀」;三菱長崎造船所
3番艦「天城」;横須賀工廠
4番艦「赤城」;神戸川崎造船所
主機:(1・3番艦)技本式オール・ギヤード・タービン8基
(2番艦)三菱パーソンズ式オール・ギヤード・タービン8基
(4番艦)川崎ブラウン・カーチス式オール・ギヤード・タービン8基
最大出力:12万6千馬力(公称8万馬力)
軸数:4軸
速力:28.0knt
10分の10最大速度;28.5knt
公称速度;24knt
燃料搭載量:3500トン
航続距離:14kntにて6700海里
主砲:45口径三年式41サンチ連装;5基(前甲板背負式2基・後甲板ピラミッド型3基)
副砲:50口径三年式14サンチ連装;10基(艦橋両舷前向き各2基・第二煙突両舷後向き各3基)
発射管:61サンチ水上発射管:4基
高角砲:(一・二番艦)50口径十年式12サンチ単装;9基(第一煙突両舷各3基・後部艦橋周囲3基)
(三・四番艦)50口径十年式12サンチ連装;4基(第一煙突両舷各1基・後部艦橋両舷1基)
機銃:三年式機砲;4基
探照灯:90サンチ;9基
測距儀:主;10m1基(艦橋頂部)
主砲塔;一三式8m5基(各主砲塔)
副砲用;一四式4.5m4基(艦橋前部・後部艦橋頂部各2基)
装甲:舷側;最大305粍(15度傾斜)
甲板;最大127粍
1936〜38年にかけての大改装
艦型:長船首楼型 クリッパーバウ 球状艦首
水線長:252メートル
全幅:37メートル
基準排水量:5万4500トン
満載排水量:6万1250トン
主罐:ロ号本艦本式水罐(重油専焼);12基
主機:艦本式オール・ギヤード・タービン8基
最大出力:14万4千馬力
軸数:4軸
速力:28.0knt
10分の10最大速度;28.3knt
燃料搭載量:5000トン
航続距離:16kntにて6600海里(14kntにて8600海里)
主砲:45口径三年式41サンチ連装;5基(前甲板背負式2基・後甲板ピラミッド型3基)
副砲:50口径三年式14サンチ連装;8基(第一煙突両舷前向き各1基・第二煙突両舷後向き各3基)
高角砲:40口径十年式12.7サンチ連装;5基(第一煙突両舷各1基・後部艦橋周囲3基)
機銃:九二式25粍連装;12基(艦橋前後・二番煙突両舷・後部艦橋両舷に各2基ずつ6群)
探照灯:110サンチ;8基(一番煙突両舷及び格納庫上両舷に各2基ずつ4群)
測距儀:主;12m1基(艦橋頂部)
主砲塔;10m2基(2・4番主砲塔)・一三式8m3基(1・3・5番主砲塔)
副砲・高角砲用;九四式式4.5m6基(艦橋前部・艦橋側面・後部艦橋頂部各2基)
射出機:呉式五号二型;1基
飛行機:4機(格納庫を煙突間に有す)
装甲:舷側;最大331粍(15度傾斜)
甲板;最大178粍
※大改装要綱(一部抜粋)
・2番4番主砲測距儀を基線長10mの物とし、砲塔上に別室として設置する。
・高角砲・機銃を新型とし、対空戦闘能力を高めること。
・防御、特に水平防御を大幅に強化すること。
・罐・機械を新型高出力のものと換装し、罐数の減少を図る。
・前項とあわせて、罐・機関配置を「交互配置」とし、被害に対する抗甚性を大幅に高めること。但し、
外見から察しえぬこと。
・弾火薬庫・揚弾装置等を新型砲弾に対応させること。
・バルジを付加して、水雷防御能力を増大するとともに、浮力の増大を図ること。
・重量対策として、副砲の2基撤去を認める。
・これらの改装によって速度を低下せしめぬこと。猶、艦首尾の延長は認めるが、250mを超えないこと。
39年、対米情勢悪化に際して
・主砲塔バーベッドを増厚
・バルジに水密鋼管を充填
を始めとする細かい強化が行われている
※細かい時代背景も考えてはあるのですが、無茶苦茶なので省略。
この後、土佐型4隻は長門型や巡洋戦艦となった扶桑・伊勢型とともに、
開戦直後にサウスダコタ級を基幹とする米太平洋艦隊と砲火を交え、特に一番艦「土佐」は大破する。
その後に施された更なる改装プランも考えています。
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