日本海軍 輸出用二等駆逐艦

二等駆逐艦
輸出用二等駆逐艦国内仕様(汗)


−要目−
 基準排水量:950t 全長:92.0m 全幅:8.5m 吃水:2.8m
 出力:21000馬力 速力:30.0kt 航続距離:18ktで2500浬
 兵装:50口径12.7cm連装砲2基、61cm4連装魚雷発射管1基、25mm連装機銃2基、
    爆雷投射機(両舷用)1基、同投下台6基、掃海具一式
 同型艦:18隻


−概要−
  ロンドン条約の有効期間が切れて艦艇の建造が自由になってから策定された昭和12年度計画では艦
 艇を輸出する事が決められていた。
  種別で言えば二等駆逐艦で、これには自国の一等駆逐艦がある面では保守的であるのとは対照に試
 験的に新技術を導入して建造し、以後の艦艇建造の参考にしようと言う意図があった。
  また、珍しく武器を積極的に輸出する理由には外貨獲得と言う目的もあった。

  この艦は重量軽減を重視している為に昭和9年度計画の「大鯨」で痛い目にあった溶接も積極的に採用
 し、しかも上部構造物にはアルミ合金を使用するという思いきった方法がとられた。
  ただ、流石に船の命とも言える機関は無理をせずに「初春」型の機関をデチューンしたものを採用し
 た。幾らなんでも動けない船を造るのはマズイと判断したのだ。

  最も気を使ったのはある意味では兵装で、特に日本海軍の秘密兵器である九三式魚雷は絶対に輸出
 すべきではないと判断してその前身である九〇式魚雷を使用する事になった。魚雷発射管も酸素発生
 器などの酸素魚雷を運用する上で必要な機器は取り外された。海軍は九〇式魚雷自体は優秀な魚雷な
 ので何処に出しても恥ずかしくないと考えた。九三式魚雷がずば抜けて優秀なだけなのだ。

  こうして設計された(?)輸出用二等駆逐艦は平甲板型で煙突は傾斜せずに直立した日本海軍が最近
 建造した小型艦艇では珍しいシルエットの艦だった。
  建造する際の規格が自国向けよりも若干緩められてはいたが概ね優秀を納めたのでこれなら大丈夫
 だろう、と楽観的な雰囲気が担当者の間にあったがすぐに深刻な問題に直面した。貴重なアルミを惜
 しげも無く使用した輸出用二等駆逐艦は当然の事ながら建造費が高騰してしまったのである。安くす
 るには纏まった数を建造したり次発装填装置を外したりすれば多少は建造費は落ちるだろうがそれで
 も高かった。
  悩んだ挙句に担当者は断腸の思いで高価な魚雷を船とセットに大量かつ安価に売る事で解決を図ろ
 うとした。採算は取れるが利益は当初の予定よりも少ない。しかし、全く売れないよりはマシだ。

  紆余曲折を経て昭和14年からは満州国に(半ば強引に)4隻を輸出し、イギリスとフランスの植民地
 に挟まれていたタイには8隻を輸出した。
  昭和16年の12月になると日米が戦争状態に陥ったので満州国向けの2隻を海上護衛総司令部が接収
 し、更に4隻を発注した。

  合計18隻が建造された輸出用二等駆逐艦は満州国の4隻は日本海軍の指揮下に置かれ、それぞれ輸
 送船の護衛に従事した。内3隻が沈没し、1隻は佐世保でスクラップ状態になりながらも生き延びた。
 タイの8隻も同様で3隻が敗戦後にシンガポールで英軍に接収され処分された。最後に、日本海軍が使
 用した6隻は当初は海上護衛総司令部で運用されていたが、連合艦隊に引き抜かれた艦もあり、最終
 的に生き残った艦は無かった。


−コメント−
  懲りずにまた変なものを作りました。日本は伝統的に武器の輸出に消極的なようですが敢えてやり
 ました。もう、自分でもよくわかりません(笑)。
  多少建造ペースが遅いですが、そこは商談で手間取ったと解釈して下さい(汗)。
  あと、この艦ならドイツの水雷艇くらいには勝てると思います。

                                        2002年2月2日