ドイツ軍はフランス侵攻作戦の傍らイギリス南部を攻撃しているうちに戦闘機
Bf-109の弱点を発見した。「航続力が短すぎる」点である。新型航空機の開発
やBf-109の改良ではあまりに時間がかかるためドイツ軍上層部は2つの方法
でこれを解決しようとした。
1、Bf-109に比べ圧倒的に航続力の長い日本軍「零式艦上戦闘機」の輸入又
はライセンス生産
2、Bf-109を艦上戦闘機に改造し空母に搭載する
これを実行すべくドイツはすぐさま日本に零戦30機と護衛空母を譲渡してもらう
代わりに発動機や戦車の技術提供を行うという要求を提出した。
日本は困惑したものの盟友を怒らせるわけには行かないため小型空母1隻を
艦載機込みのフル装備で譲渡することを決定した。そのときに白羽の矢が立っ
たのが1939年5月に竣工したばかりの「神鳳」である。神鳳は主力戦艦部隊の
上空直掩を目的とした護衛空母で、ほかの空母に比べ航続距離が長く、ドイツ
まで回航する際の補給が少なくて済むというのが理由である。
こうしてドイツ本国へと回航された神鳳は「アルベルト・リヒター」と改名され、
技術調査を行った後直ちに実戦配備され、既にバトル・オブ・ブリテンは終息に
向かっていたものイギリス本国を攻撃する戦闘機の補給拠点として活躍し、
敗北寸前だったバトル・オブ・ブリテンの戦局はひっくり返ったがこれはこの空母の
影響によるものと言っても過言ではない。
しかし、英本土への上陸作戦は決行されることはなく、アルベルト・リヒターは
主力艦隊の護衛任務につき、シャルンホルスト、グナイゼナウを追跡していた空
母アークロイヤルと交戦し中破させるなどの戦績をあげている。
そして1941年5月、ライン演習作戦に参加するビスマルクとプリンツ・オイゲン
を護衛するために出航、追撃してきた英国本国艦隊と戦闘。サフォークを撃沈、
ヴィクトリアスを小破させ、ビスマルクはフランスまで帰還するもアルベルト・リヒ
ターはプリンス・オブ・ウェールズの第9斉射、第10斉射の直撃をうけ撃沈され
た。これが日本軍建造空母で初めての喪失艦となっているが、撃沈したウェー
ルズはその年の暮に日本軍航空部隊に撃沈され、敵討ちがなされたことにな
る。
この空母は技術面でも日独に大きな影響を与えており、日本軍の改造空母
「祥鳳」型はアルベルト・リヒターの原型である「神鳳」をモデルにしているし、
1942年に竣工するドイツ軍空母「グラーフ・ツェッペリン」にもこの艦の設計、運
用から得た空母建艦のノウハウが数多く生かされている。
諸元
基準排水量10,700t
満排水量 12,040t
全長 202.0m
全幅 20.05m
吃水 5.3m
主機 艦本式オールギヤードタービン4機2軸推進
機関出力 67,500hp
最大速力 30.3kt
武装 45口径12.cm連装高角砲×8、13mm3連装機銃×16
飛行甲板 180.5m×23.0m 昇降機2機
艦載機35機程度搭載可能
乗員 930名
同型艦なし
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