イギリス空軍 試作高々度迎撃機 フェアリー・ランプリー

フェアリー・ランプリー

諸元

全長     : 12.1m
全幅     : 16.8m
全高     : 4.1m
自重     : 6,100kg
全備重量   : 7,800kg
発動機    : ロールスロイス・グリフォン83液冷V型12気筒
         離昇出力2,340馬力×2(タンデム結合特殊改修型)
最高速度   : 776km/h
上昇力    : 12,000/18分
実用上昇限度 : 13,000m
航続距離   : 780km
武装     : 20mm機銃×4(翼内)
乗員     : 1名

 1940年7月、RAFはドイツが高々度爆撃機を手に入れる前に高々度迎撃機
を用意しておきたいと考え、要求仕様F4/40をメーカー5社に提示した。
 ところがこれに応じたのはウェストランド社のみで、他の4社は事実上辞退
してしまった。
 この時のウェストランド社の製作した機体が迷作「ウェルキン」である。
 この「ウェルキン」もF4/40の仕様を満たすのは困難で、1942年4月に要求を
緩和した新たな仕様F7/41を提示した。
 この新たな要求仕様F7/41により、要求仕様F4/40を辞退した4社のうち2社が
再度応募を決めた。
 このうち、ヴィッカース社の作品が「タイプ432」、通称「ティン・モッ
シー」であり、残るフェアリー社の作品が「ランプリー」である。

 フェアリー「ランプリー」の特徴は、2基のグリフォン発動機をタンデムに
装備し、これで機首の二重反転プロペラを駆動していたことである。
 正面投影面積を減らし、空気抵抗を減少させることで速力向上を目指す、あ
る意味航空機開発において伝統的と言える手法であった。
 当然といえば当然なのだが、このタンデム発動機配置はトラブル発生の温床
となった。設計段階ですら数度の抜本的修正が発生し、試作機の初飛行は1944
年5月となっている。他2社の「ウェルキン」「タイプ432」が1942年に初
飛行を遂げていることを考えれば、致命的な遅れである。
 すでにこのころには高々度迎撃機など必要性が無くなっていた。相手となる
べきドイツ高々度爆撃機が存在しなかったのである。
 1944年当時、「ウェルキン」は高々度夜間戦闘機への転用が画策され試験中、
一方の「タイプ432」は1943年に開発中止となっている。
 「ランプリー」が初飛行以前に開発中止とならなかったのは奇跡とさえ言え
る。

 「ランプリー」は2基のグリフォン発動機を冷却するため、機首下面と内翼
前縁にラジエーターを装備している。このラジエーターと発動機自体の搭載ス
ペースのため機内容積にはまったく余裕が無く、燃料容量が極めて少なくなり
航続距離は欧州機一般の基準に照らして見ても短くなっている。

 「ランプリー」の運動性は戦闘機としては平凡であり、その最大速力と上昇
力を除けば、平凡としか言いようの無い性能であった。
 発動機の不調と短い航続距離を考えればほとんど使い道のない機体である。
 また、高々度飛行に不可欠といえる与圧式コクピットも決して好調とは言え
ず、高々度飛行に於いてパイロットに過大な負担をかけることとなった。

 後に海軍航空隊で、艦上迎撃機への転用が試みられたが、わずか数度で試験
は打ち切られ、計画は白紙撤回されている。


作者のコメント

巣田 夏生です。
画像はFAA風に仕上げていますがかなりいい加減です(爆)。
この機体は名前が重要なポイントとなっています(笑)。
側面の排気管を「目」と「呼吸孔」に見立てています。
なにせ、「ヤツメウナギ」ですから・・・・。