中島一式陸上攻撃機
1937年、海軍は4発大型陸上攻撃機としてダグラスDC-4Eを買い取り、それを陸上攻撃機にしようと目論んだ。しかし政府の介入で交渉は纏まらず、結局計画は挫折した。
暇になった中島は三菱が担当していた一二試陸攻への介入を海軍に求めた。DC-4計画が破綻したこともあって海軍は了承し、中島は早速設計を開始した。
軽い気持ちで計画に介入した中島は愕然とする。一二試陸攻の要求値はとてつもないものであったからだ。最大速度時速400キロ、過荷時航続力4800キロ以上、乗員7〜9名、エンジンは1000馬力級二基という無茶苦茶な内容であったからだ。しかし三菱が双発機を設計したと聞いた中島はライバル意識から(キー21やA5Mの苦渋もあり)開発を続行した。
中島はまず機体を極端に軽くし、インテグラルタンクを装備することを検討した。これは三菱案と同じである。だが問題はこの場合、機体の防御力が極端に低くなることが問題であった。すでに中国戦線では九六式陸攻や九七式重爆の防御力不備が表面化しつつあり、将来的に海軍が戦訓から防御力を重視すると予測された。
そこで中島は航続力を削ることとした。これに目を瞑れば要求は達成されると分析されたからだ。しかしこれでは海軍の望む長距離を飛行する陸攻になれないことも事実であった。中島はそれを胴体内増槽という方法で解決した。つまり爆弾の代わりに増槽を装備することで航続距離を飛躍的に増加させることにしたのだ。しかしこの場合、爆弾が搭載できなくなってしまう。そこで中島は爆弾搭載量を2トンとし、800キロ魚雷と増槽を同時に装備できるようにしたのだ。
エンジンは最終的に1500馬力のハ−109を装備することとなった。機体の防御力は大陸での教訓を取り入れ、旋回機銃を多く搭載し防弾装備を施した。具体的には二酸化炭素自動消火装置と防弾ゴム等を装備したのである。結果的にこれは重量増加を招いたが、機体の生存性を高めるという点においては非常に効果的であった。
機体は空力的に洗練され、生産性を高めるために(コストを下げるためにも)陸軍百式重爆「呑龍」と共通の部品を多く使用した。また操縦性、運動性を考慮して尾翼を二枚とし、プロペラからの後方気流が舵の利きが向上するという九六式陸攻の特徴をそのまま採用した。
試作機が1939年に完成すると早速飛行試験が始まった。しかし出席した海軍関係者は不満を漏らした。最大速度は時速404キロ、航続力は増槽無しで2500キロ、ありで4000キロと試作要求ぎりぎりであったからだ。これに対して三菱のG4Mは最大速度時速447キロ、航続力5000キロと中島機を大きく凌駕していたからだ。中島機はしかし操縦性、爆弾搭載量(最大2.5トン)、防弾性能で三菱機を上回っていた。
海軍はそれでも航続力が上回る三菱機を選択しようとしたが、大陸での戦闘がそれを止めた。九六式陸攻が戦闘機の護衛無しに爆撃に向った結果、大損害を出したからである。すでに一二試戦闘機(後の零戦)の制作は進んでいたが、陸攻自身の防御力も向上させるべきだという声があがった。残念ながらパイロットの損失より機体の損失が原因であったが。
ここで三菱は重武装重装甲の編隊掩護機G6M1を試作し、中島機と中国で実用評価試験を行った。結果、中島機の損失が三菱機の損失を大きく下回り、中島の正しさが証明された。中島機の中には翼をかなり失いながらも帰還したものもあり、海軍関係者を驚かせた。
海軍は結果的に両方を採用した。すでに証明された中島機の長所に加え、海軍の任務で5000キロも飛行するような任務は少なかったり、空母機で補えたりしたからである。爆弾を最大2.5トンも搭載し、片翼を半分失っても帰還してくる中島機にカルチャーショックを受けたというのが採用された理由であろう。結果的に中島機・三菱機が採用されたのは九七式艦攻みたいな例となった。もっとも生産数は逆転したが。
太平洋戦争でこの機体が過酷な任務も生き延び、米軍から「Jap Fortress」と呼ばれたことから本機の優秀性がわかる。三菱機が「One Shot Lighter」と呼ばれ、防御力不足から小数生産に終わったのとは大違いである。
中島一式陸上攻撃機(G5N)
全備重量 16560キロ
全長 20.2メートル
全幅 24.3メートル
エンジン ハー109 X 2
出力 1520馬力 X 2
最大速度 時速404キロ
航続力(増槽) 2530キロ(4120キロ)
武装 12.7ミリ機銃 X 6、20ミリ機銃 X 1
爆装 最大 2500キロ
乗員 8名
え〜BBです。とくに何も考えずにノートに絵を書いていたらいつのまにか飛行機に。それがこんな感じの機体だったので修正してペイントで描いてみました。
防御力がある陸上攻撃機ってところでしょうか。実際はこんなすごいの無理でしょう。だって百式「呑竜」があれじゃぁ・・・・
どうも設定がいまいちの感じで・・・だけど頭捻っても資料不足でどうしようもない。ホームステイしているんで日本に置いてきた「陸上攻撃機」が無い〜。
競作の発表楽しみにしながら書きました。