




| =諸元= 主要寸法 全長 11.625m 全幅 14.0m 三点姿勢角 11度 主翼 単桁構造 主桁 35% 補桁 65% 35%位置で左右一直線 主翼面積 32.0u 上反角 内翼-2度 外翼8度 翼弦長 翼根 3.0m エルロン外端部 1.5m 取付け角 翼根 2.0度 翼端 0度 翼厚 翼根 15% 翼端 9% 高揚力装置 後縁フラップ ファウラー式 翼弦比 25% 前縁スラット 外翼部 エルロン フリーズ式 翼弦比 25% 発動機 ウバッヘンウッヘンホーヘン社製 『グリクローΣ』 液冷V型12気筒 内径 155o 行程 170o 総容量 38493cc 離昇出力 2000馬力 緊急出力 2300馬力 乗員 操縦1名 銃手1名(航法、通信) 重量 全備重量 6015kg 過苛6195kg 最大6335kg 標準 1000kg魚雷x1 乃至 325kg開傘爆雷x3 過荷 1180kg音源追尾魚雷x1 乃至 590kg開傘爆雷x2 最大 1320kg回遊魚雷x1 (磁気信管艦底起爆式) プロペラ 4翅 直径 3.5m 降着装置 主車輪 直径 85cm 幅 25cm 尾輪 直径 30cm 幅 10cm 左右車輪間隔 5.0m 胴体 最大幅 0.9m 射撃武装 ステレンダレット社製 11mm機銃 『ガルツォン』 x1 (手動旋回機銃) 格比 翼面苛重 187.96kg/u 馬力荷重 3.0kg/hp 主翼縦横比 6.125 =基本概念= VT信管の実用化以後、 敵機動部隊への攻撃は全滅覚悟の大バクチとなった。 急降下爆撃など、もはやVT信管のエジキでしかなく、 雷撃でも高度5m以下の超低空を飛ばなければ 雷撃距離に近寄る事さえ不可能になった。 高度5mと言えば高度計はまったく役に立たず、 ちょっとでも気をゆるめれば海面に接触してドボン! 危険度の極めて高い飛行高度である。 世界最強の米機動部隊と対決したのは大日本帝国海軍である。 その雷撃機パイロットの語る所によれば、高度5mで突進した場合 米艦艇の対空火器は雷撃機を直接には撃たず雷撃機の前方海面を撃つという、 弾着の水柱を林立させ、操縦を誤らせて海面に突っ込む事を狙っているのである。 戦果を挙げ得るか否かはともかく、はたまた生還できるかどうかもさて置き、 敵機動部隊への『攻撃を達成する』ためには、次の二つが必須条件である。 @高速性能(対空弾幕にさらされる時間を短縮) A前下方視界(高速+超低空という極限飛行を強行するため、夜間攻撃でも有利) =実際の設計= 最高速度を高めるため大馬力の液冷V型エンジン『グリクロー』を低空仕様化した 『グリクローΣ』を採用、プロペラも高速向きに直径を小さめに取った。 主翼面積は32uに設定され、前縁スラットとファウラーフラップで 離着艦性能を補っている。 魚雷は完全に爆弾倉内に納まる設計にし、各部の空力的洗練を徹底した。 操縦者の前下方視界をよくするため、エンジンは操縦者の背後に置かれ、 冷却器だけが操縦者の前に配置された。 出力軸は減速される過程で複数の歯車に仲介された後、 操縦者の尻と爆弾倉の隙間を通る延長軸に接続されている。 使用する歯車のサイズと位置を良く吟味し、 ギアハウジングが爆弾倉側に突出しないように工夫された結果、 当初の予定より胴体上下幅を小さくする事に成功した。 ただし期待された軸内砲は装備不可能になった。 操縦者の後ろにエンジンを装備した実機はいくつかあるが、 エンジンの整備点検、及び換装を可能にするため 軽量に仕上がるセミモノコック構造にはできず、 骨組みかそれに近い構造をとっている。 本機では主翼桁の前にエンジンを装備し、 主翼構造の胴体貫通部はその後ろである。 つまり主翼と尾翼をつなぐ胴体の最も重要な部分は 軽量強固なセミモノコック構造になっている。 高出力エンジン(2000馬力)の単回転プロペラ機であるから、 離着艦時の安定性のためにもダウンスラストをつけたい所だったが、 2mの延長軸駆動であり、スペースに余裕が無いので却下された。 排気管上部のふくらみはシリンダーヘッド突出部のカバーである。 胴体上面に開口する気化器空気取入れ口は境界層を分離している。 双垂直尾翼を採用した理由は3つある。 @防御機銃の直後方射界確保 本機は高速機であるので敵戦闘機はおおむね後方から 食い下がる形になる 障害物は無い方が撃ちやすいに決まっている。 A敵味方識別の容易化 味方戦闘機、味方対空砲からの誤射を避ける Bプロペラ後流圏外に垂直尾翼を置く事による方向安定性の改善 本機のようにプロペラ軸が下寄りで、 なおかつダウンスラストも無い設計では プロペラ後流圏内に垂直尾翼を置くと プロペラ起因の機首偏向をさらに増長させてしまう。 低速時や滑走時の舵効きは低下するが、 他の利点もあり、双垂直尾翼とした。 =その他の特徴= 本機は艦上機として設計されているが、 188kg/uという高い翼面荷重で離着艦性能を得るため、 強力なファウラーフラップを装備している。 そのためフラップ全開時には水平尾翼の下面失速が懸念された。 これを緩和するため垂直尾翼の下端を水平尾翼下面に出す事を避け、 垂直、水平尾翼の中間部を曲面に仕上げた、 これにより、構造的連続性と干渉抵抗の低減をも得た。 なお、この尾翼形態では錐揉みからの回復特性が悪いため 水平尾翼下面の胴体側面積を多目に残した、 胴体尾端はとがらせずRを持たせ、小舵角でも方向舵がよく効くようにした。 陸上飛行場からの運用も考慮し直径の大きい尾輪を採用した。 尾輪、着艦フックとも完全引込み式。 飛行性能を最優先したため主翼の折りたたみ機構はない。 脚出し時、主輪カバーを開きっぱなしにすると抵抗が大きいので 閉まるようにした(P−51と同じ) 横開き風防の開閉部は前後席で共通化した。 本機の主翼は逆ガルに近い形態をとっている。 これは主脚柱を短くするためだが、 胴体内部では主翼桁が魚雷をまたぐように、 より大きい角度で曲がっており脚柱の短縮に一役買っている。 すなわち胴体内逆ガルである。 本機はエンジンを胴体、しかも重心位置に装備しているため 燃料タンクは主翼内に配置し、水メタタンクだけを胴体に装備した。 =実戦運用= 低空性能に優れ、低空を巡航する本機は 敵のレーダーに探知されにくい反面、 遠距離まで見通す事ができず、敵艦隊を発見しにくい、 従って雷撃隊単独での攻撃は成り立ちにくく 雷撃隊の目となる別機が高々度を飛び、無線で誘導する事が是非必要である。 防御機銃で敵戦闘機との対決にこだわる理由 本機は高速機であるといっても敵戦闘機を振り切るほど速いわけではない、 巡航高度を含め低高度を飛ぶ本機が、 中高度以上を飛ぶ敵戦闘機に見つかった場合、 高度の優位を速度に変えて追跡されれば まもなく射程距離に捕らわれるのは確実で、対決は避けて通れないのである。 しかし超低空を高速で逃げる本機は有利な面がいくつかある。 @ 防御火器の貧弱な相手を攻撃する場合、 戦闘機側は後上方攻撃をかけるのが基本形となる。 射撃を開始するや敵機に衝突寸前まで発砲し続け、 しこたま弾丸をたたき込み、 そのままの降下角で高速を維持したまま下方に抜ける攻撃法である しかし本機にこれを行うと海面に激突する。 A これを避けるため、 敵戦闘機はずっと手前で射撃をやめて引き起こす事になる。 遠距離からの射弾はあまり怖くない、 タイミングよく方向舵を踏み込めば避けられる。 B 本機に対し、敵戦闘機が真剣に弾丸を当てようと思えば、 真後ろから追いかけるしかない。 しかしそれは本機の旋回機銃に対し、まともに身をさらす事を意味する 仮に双尾翼が邪魔する角度から接近しようとしても、 本機がちょっと向きを変えれば、すぐ真後ろに見る形になるのである C 超低空高速飛行は一歩間違えれば海面に突っ込んで自滅してしまうが 敵戦闘機の多くが操縦者の前にエンジン置いており、前下方視界は良くない。 そんな機体が本機のマネをするのはかなりの危険をともない、、 割に合う結果は得にくいのである。 さて、本機が攻撃すべき敵機動部隊は 戦略的に最重要の空母を守るため輪形陣を組んでいる 外周にいる駆逐艦郡、巡洋艦郡の間をぬって 中央に陣取る空母や戦艦を狙ったとしても 雷撃機側の損害に見合った戦果を上げるのは難しい まずは無理せず、外周艦艇多数を血祭りにあげ、 これらの救助に残りの外周艦艇が当てられるのを見越して 数次に渡る連続攻撃をかける。 その上でやっとチャンスが生まれると思わなければならない (駆逐艦は身軽で雷撃をよけるのがうまい、炸薬量は減るが音源追尾魚雷か艦底起爆魚雷が有効) 輪形陣を充分に崩した後は、いよいよ空母に攻撃をかける。 この時、魚雷を使うのも良いのだが、個人的には爆雷を使いたい、 空母に限らず大型艦は動作が鈍く、 舵を切ってから実際に艦が向きを変え始めるまでに時間がかかる。 そこで空母の正面を横切るように飛び、 空母の鼻先で開傘式(パラシュート)の爆雷2〜3発を落とすのである。 空母が爆雷の上を通るまでに爆雷が沈降しすぎないようエアバッグを膨らますか、 爆雷の尾端にスクリューを付けて逆回転させ水中でホバリングさせる。 信管は時限式で充分である。 エアバッグ式であれば爆雷をワイヤーで連結する方が良い、 短時間でも舳先にワイヤーが引っ掛かれば全弾が有効に作用する。 この時限爆雷による攻撃法は雷撃より攻撃角の自由度が大きく、 角度が浅くなったからといってやり直す必要もない、 敵艦の甲板を飛び越す必要もなく、 魚雷攻撃よりは危険が少ないと言えるだろう。 垂直尾翼の配置と対戦闘機防御 双尾翼がいかにも有利なように読めたかもしれないので簡単に補足。 単尾翼では真後ろが撃ちにくい反面、 斜め後方から真横までは邪魔するものが無い、 つまり、編隊内の僚機が攻撃されている場合は非常に撃ちやすい、 火網が集中できる。 双尾翼では逆に自機が攻撃されている時に撃ちやすいのである。 本機では攻撃機動で単機となる場合も多く、 高速という要素も入るので双尾翼にした。 実際、超低空高速飛行時には緊密な編隊など組めるはずがない。 『ガルツォン』 11mm機銃について 本機銃はそれまで使っていた7.62mm旋回機銃の後継として開発された。 当初、口径は8.89mmの予定だったが、 某国製造の12.7mm機銃の情報に触発され 威力負けしないよう、一時は12.7mm化も検討された。 しかし研究の結果、体格の小さい銃手には扱いにくく、 銃座自体も大型化してしまう事が判明したため、 一回り小さい11.0mmとする決定がなされた。 一発当たりの比較で7.62mm弾の4倍、 7.92mm弾なら3倍の運動エネルギーを持つ事、 そして弾道特性で某有名12.7mm機銃を 上回る事を目標に開発された機銃である。 (ちなみに某有名12.7mm機銃は1発当たりで7.62mm弾の5〜6倍の運エネを持つ) 口径 11.0mm 砲口初速 900m/s 連射速度 840発 弾重量 33g 全長 1.25m 銃重量 23kg |
