
十一試艦爆は九九艦爆として制式化されることになったが固定脚が故に、比較的早く旧式化す ることは明白だった。そこで海軍は愛知に対して、更に十四試艦爆の開発を命じた。 既に空技廠では十三試艦爆(後の二式艦偵)の開発が始まっていたが、言わば本機はその「保険」 だったのである。要求された性能値は空技廠が十三試艦爆の目標に掲げたものと全く同じ過酷 なものとなった発動機に関しては熱田を使用する案もあったが、空技廠が同じ発動機を用いて 開発に入っており、空冷・大馬力の「火星」を使うことになった。 引き込み脚は当然として、爆弾倉を取り入れたので主翼は中翼・逆ガルになり、十一試艦爆で梃 子摺った抵抗板も新たにフラップ兼用案を採用して、各部に徹底的な抗力低減の工夫がなされた 結果、昭和十六年末に試作一号機が完成し、数次の改修がなされた後の審査で最大速度511km/h を記録し、航続距離も25番懸架状態で2000km弱という好成績を残した。 本機の性能に満足した海軍は昭和十七年に「二式艦爆」として制式化を決定し、不慣れな空冷エン ジンの取り扱いと強度上の問題を残したまま、ひとまず艦偵として制式化された十三試艦爆を尻 目に同年末、九九艦爆に続く制式機として採用されることになり、十八年には「慧星」(けいせい )艦爆と改称された。 本機の採用により、同じ愛知の九九艦爆二二型は少数が昭和で転換生産にされるに留まり、空技 廠の二式艦偵も艦爆として採用されることはなく、高速艦偵としてのさらなる改良の道を辿るこ とになった。 本機の本格生産は十八年に入ってからだったため、艦戦並みの速力と運動性も米軍戦闘機には抗 し難いものがあったが、しばしば米戦闘機を返り討ちにした例も伝えられている。 しかし制空権を失い、搭乗員の技量が落ちた末期には防弾の欠如も祟って、激しい消耗を繰り 返すことになってしまったのは本機にとって不幸だった。 諸元 全長:10.24m 全幅:14.00m 最大速度:511km 巡航速度:380km 上昇時間:4'56/3000m 航続距離:1580〜2530km 発動機:三菱「火星」一三型 武装:7.7mm機銃×3(機首固定×2 後方旋回×1) 250kg爆弾×1+30kg爆弾×4 500kg爆弾×1 その他 コメント 「九九艦爆の純後継機」&「艦爆と艦戦の歩み寄り」(?)というテーマで何となくデッチ上げたい と思ったのが投稿のキッカケです。 当館の投稿したイラストの改良すべき点を、胃袋さんが的確に指摘して下さったお陰で、何 とかマトモなカタチに仕上がったと思います。_(._.)_ 加えて、同絵掲で様々な十四試艦爆案を提案して下さった常連の方々にも感謝です。 |