キ73 四式双発戦闘機「覇龍」

「覇龍」

 昭和17年に起こったドゥーリットルのB−25による日本空襲の際 に、ほとんど有効な打撃を与えられなかったことにショックを受けた 日本陸軍は早急に対爆撃機用の重戦闘機を開発する必要性を痛感し、 その開発を三菱に依頼した。
 三菱側では何よりも重武装をとの要求のため、装備が多大になること を予想し、大馬力エンジンによる双発形式とすることにし、発動機に 自社製のハ101(火星)を選定した。これにより武装として機首に合計 3門の37o砲・ホ203を装備することを可能とした。
 しかし、実戦において米陸軍の4発重爆B−17が難攻不落の機体で あることが判明したのと、さらに大型のB−29が開発されつつある 事実を入手したことにより、日本陸軍側はさらなる重武装を要求してきた。 三菱でもこれに答えて前方固定武装をさらに強化して37o砲・ホ203 ×5と2門追加し、同時に胴体中央部上方にさらに2門のホ203を 上向き砲として装備するように設計変更を行った。これにより重量が 増加したため発動機もさらに強力なハ104に換装した。
 昭和19年の秋から本土防空用として実戦配備され、11月24日 の東京初空襲時に12機が初陣として迎撃に出動し、合計でB−29を 26機撃墜という華々しいデビューを飾った。
 さすがに37o砲5門の破壊力はすさまじく、B−29といえども 当たりさえすればほとんどの場合1撃での撃墜が可能であった。
 昭和20年に入ると機首武装のみホ204に換装し、発動機にさらに 強力なハ214を装備した2型が登場した。大型のホ204のため搭載 スペースの関係で3門に減りはしたものの、発射速度は140発/分 から400発/分に向上していたため1秒当たりの発射弾数ではむしろ 向上し、その他の性能の向上と相まって破壊力はさらに向上した。

1型諸元(()内は2型)

全長:12.65m(13.54)
全幅:17.22m

武装:前方固定  ホ203 37mm機関砲×5(ホ204 37mm機関砲×3)
    上向き砲  ホ203 37mm機関砲×2

エンジン:ハ104 空冷星型18気筒 1900馬力
      (ハ214 空冷星型18気筒 2400馬力)
最大速度:588Km/h(618Km/h)
航続距離:標準1450q 最大2120q