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●機体概要● 川西が最後に製作した飛行艇が本機である。本機は川西が長年に渡り蓄積してきた飛行艇技術の全ノウハウが集約され、世界的に類を見ない野心的な機体として完成した。 本機は諸外国に類を見ないジェット水上戦闘機として後にシー・ダートが出現するまで唯一の存在であった。 ●機体開発史● 本機は昭和19年9月、盟友ドイツより潜水艦によってもたらされたMe262の資料を元に、中島製作の陸上戦闘機『橘花』と同時に、その開発が開始された。 同様にドイツの資料を基に製作された戦闘機は本機に先行する事二ヶ月の陸海軍共同防空戦闘機『秋水(陸軍名キ−200)』があった。 本機と同じ奮進式発動機を装備した陸軍の『橘花』はB−29迎撃を目的とする迎撃戦闘機として、海軍機である本機は低空で侵入する米艦上機への迅速な迎撃を主眼に計画が開始された。 だが後に『橘花』は本土に接近する米国艦艇に対する特殊攻撃機へとその性格を変質させた。B−29迎撃も重要であったが神州・日本に夷敵の上陸を許す事は何としても防がねばならない最重要事項であった。戦況はそこまで逼迫していたのだ。 そんな中、整備された滑走路を必要としない本機は本土防衛の要として大いに期待された。 陸上機は幾ら優秀であっても整備された滑走路を必要とする。 本機最大の利点は、飛行艇である為に、滑走路の制約を受けない点である。 米海軍空母艦載機によって港湾・飛行場の多くが爆撃を受けるに至り、日本軍に整備された飛行場は望めなくなったのが現状である。 だが日本は島国である。 周囲には多くの海岸線が存在し、それらは本機にとって無限の滑走路を意味する。 幾ら米軍の猛攻と言えど太平洋を無くす事は当然ながら不可能である。 本機は海軍側の当初の要求により、狭所に隠蔽可能な事とされた。 この要求に設計陣は空母搭載機の様に主翼を大きく折り畳む事で、対応した。 本機に搭載を予定していたネ20発動機の開発は1944年12月から開始され、突貫作業の末、翌45年4月に完成した。 本機は、その設計段階から徹底した生産工程の簡略化が推し進められた。 生産工程は零戦の1/3を目標とし、実際は1/2となった。 機体の大部分にベニア板やブリキが用いられ、フレームの多くは鋼鉄製で構成された。 同じ噴進式発動機を持つ『橘花』と操縦席、風防、等の多くの部品が徹底的に共用された。 一説には本機と『橘花』の部品共有率は50%を越えていたとも言われている。 これは中島と川西の間で非常に親密な関係が持たれた事の表れでもある。 両社は両機の基本装備を分割して担当し、引き終わった図面を交換し合う事で設計期間の短縮を進めた。 中島の持つ優れた航空機技術と川西の持つ飛行艇技術の全てが本機に集結されたのだ。 両機の組立工具は中島の4式戦『疾風』の物を使用する事で纏められた。 本機の開発は昼夜を徹して続けられ、中島の『橘花』とほぼ同時期の1945年6月末に試作機が完成した。 完成した機体はネ20を背面に2基搭載し、尾翼は僅かな傾斜を持つH型の双垂直尾翼とされた。主翼は肩翼配置とされ、折り畳み部分の内側に補助フロートが配された。 陸上機であった『橘花』と異なり水上機である本機は飛行場まで輸送する手間が掛からず、『橘花』に先駆ける事、翌7月18日に初飛行が実施された(『橘花』は8月7日、木更津飛行場にて高岡中佐の手によって初飛行が行われた)。 本機は機体の大重量と艇体接水面積矮小から来る離水性能の低さが心配された。 心配は現実となった。 試験飛行時、本機は予想された通り離水性能が非常に悪かったのだ。 高速性を追求して機首を大きく絞ったの艇体は波に突っ込むと機首が沈み込みを起こした。 だが機体の速力が乗ってくると事態は一変し、離水能力は急速に向上した。 2式大艇に範を取った艇体下面は飛沫が少なく、水切れが非常に良かったのだ。 翼面積を大きく取った事も滑水距離の短縮に拍車を掛けた。 一旦離水してしまうと本機の飛行性能は非常に良好で、特に加速性能は申し分なかった。 飛行性能を第1に設計された艇体は空中にある時に最大の能力を発揮した。 8月2日に実施された3回目の飛行で本機は全力試験を実施し、速力677km/hを記録した。本機は飛行時に大きな抵抗となる主フロートを持たない事も手伝い、陸上機である『橘花』の予定速力とほぼ同等の速力を得る事に成功したのだ。 本機は試作機初飛行以前から量産計画が進められており、資材の調達も実行されていた。 日本国内の僅かな戦略物資が掻き集められ、機体の木造部分製作には日本楽器も参加する事が決定していた。本格的な量産は10月より開始される予定で終戦時には2号機が完成し、3〜5号機迄が、ほぼ完成状態にあったと言う。 本機の改良型として発動機をネ230に換装した性能向上型、武装を30m/m * 4とした武装強化型、大型爆弾を内蔵した特別攻撃型が予定されていたと言われている。 ●性能諸元● 全長 10.00m 全幅 11.00m 自重量 2,450kg 全備重量 3,600kg 過荷重 4,518kg 乗員 1名 発動機 ネ20軸流式8段圧縮機 単タービン・ターボプロップ * 2 公試出力 静止推力475kg * 2 最大速力 677km/h(6,000m) 武装 20m/m * 4 ●設計技師olympiaより一言● 皆様、お久しぶりです。olympiaです。 実は、本機は競争試作以外で初めての投稿作品となります。 『架空機の館』を見付けてから結構長くお付き合いさせて貰っていると言うのに一般投稿が初めてとはお恥ずかしい限りです。 様々な機体を考えてはいるのですが手が遅く、いっこうに完成しません。 全く、ものぐさでダメダメです。 次の機体も考えてはいるのですがいつ出来上がることか…。 と言う訳でダメダメなolympiaでした。 |