ホステンストット=マグニホーサム













=諸元=

主要寸法 
 全長 15.2m  全幅 19m 全高(3点姿勢)プロペラ先端 4.85m  機首上端 3.8m  垂直尾翼上端 3.4m
 3点姿勢角 10度

主翼
 二本桁構造 前桁 10% 後桁 50%  50%位置で左右一直線
 主翼面積 49.9u  
 上反角 6度
 翼弦長 中央 3.72m  翼根 3.5m  エルロン外端部 1.75m
 取付け角 翼根 3度  翼端 マイナス1度      
 翼厚 翼根 17% 翼端 12%

フラップ 
 ファウラー式 翼弦比 30% 幅 3.95m

エルロン
 フリーズ式 翼弦比 20% 幅 3.95m

水平尾翼
 面積 12.2u   取り付け角 1.5度

垂直尾翼 
 面積 5.8u

発動機
 空冷単列星11気筒 内径 155o 行程 175o 総容量 36304cc
 離昇出力 1500馬力  エンジン外径 1.6m

乗員 3名  (正副操縦 2名 航法兼通信士 1名) (物資の空中投下時は投下要員 +1名)

重量 
 全備重量 7350kg 
 搭載貨物重量 1500kg
 落下傘装備の完全武装兵士 12名
 落下傘装備の人員 16名
 落下傘なしの人員 20名

プロペラ
 可変ピッチ 3翅  直径 3.6m

降着装置
 主車輪 直径 90cm 幅 32cm   尾輪 直径 30cm 幅 12cm
 左右車輪間隔 4.325m

胴体
 最大幅 1.7m 最大高さ 2.0m

貨物室
 前部貨物室 高さ 1.35m  幅 1.5m  長さ 2.5m
 後部貨物室 高さ 1.65m  幅 1.5m  長さ 2.5m
 貨物搭載デッキ 高さ 1.65m  幅 1.5m  長さ 1m
 貨物室ドア 高さ 1.2m  幅 1m  飛行中開閉可能 内開き
 
格比
 翼面苛重 147.29kg/u
 馬力荷重 4.9kg/hp
 主翼縦横比 7.23
 発動機のリッター馬力 41.3hp/l

=解説=

当初の設計思想は戦闘機より一回り大きい程度の機体サイズで
敵の空襲下でも地上で隠蔽でき(戦闘機用掩体に納まる)、
最低でも1トン以上の貨物を搭載できる野戦輸送機を造るハズであった。
実際にはそんな機体サイズでは胴体容積が小さ過ぎ、実用的では無い事を知り、
ふりだしにもどった。

本機の設計思想
 @単発の輸送機で機体サイズにはこだわらない
   単発は双発より製造費、製造時間とも少なく、戦時向きである。
 A貨物満載時と空載時で重心移動の無い事
   すなわち空中投下可能
 B並以下のパイロットでも容易に操縦できる事
   優秀なパイロットは実線部隊に取られる
 C離着陸が難しくない事、速度性能は二の次とする
   高速をめざす機体は離着陸が難しくなりやすい
 D夜間の離着陸も困難ではない事
   敵戦闘機の勢力圏下では必然的に夜間運用が多くなる

実際の設計と特記事項
 Aを実現するには貨物室容積の中心を重心位置に合わせれば良い、
 広い貨物室容積を得るに当たり、明らかにじゃまな物が2つある。
 コクピットと主翼構造の胴体貫通部である。
 この2つの邪魔者を上下に重ねて重心位置に置く、
 するとその前後に、充分に広い貨物室が得られるのである。
 前後に2分された貨物室は確かに使い勝手が良くない、
 航空機エンジンのような大型重量物は重心位置たる通路には置けるはずもなく、
 従ってこの機は弾薬や食料等の小梱包や人員を運搬する限定的な機体となる。
 
  貨物容積の有効広さを大きくするために2つの手を打った
 貨物室床面を主翼桁上端よりずっと低くし、胴体断面を丸ではなく、四角断面にした。
 低翼の輸送機であれば床面は主翼構造の上に置くのが普通だが、
 本機でそれをやると貨物室容積が激減してしまうし、天井が低いと積み降ろしもやりにくい、
 床の強度は落ちるが、肋材を密に配置し胴体外板を厚くして対処した、胴体側面の窓は図面から消えた。
 また、物資の梱包は大体において四角い箱型であり、
 これを丸断面の胴体に積み上げるのは収まりが悪い、人員を運ぶ時も同様である。
 しかし胴体を四角くしてみると操縦者の前下方視界は最悪だった。
 良策は無く、左右2名の操縦席は思い切り端っこに寄せられ、それぞれ片側の前下方視界については、
 液冷戦闘機と同程度にまで改善できる見込みが立った。
 だが反対側の前下方視界は改善不可能で、左右操縦者がよく情報交換できるように通話装置が常時ONにされた。
 (エンジンの轟音で直接の会話はきわめて困難)
 事実上この時点でB、C、Dの達成は困難になった。
 
 単発輸送機のひとつの特徴として翼根への荷重集中がある。
 エンジン、積載物、乗員、装備品、これら重量物の全てが胴体に集中しており、
 両翼にエンジンを装備した双発機のように翼幅方向への荷重分散ができない、
 本機では主車輪を外側引き込みにして若干これを緩和した。(主脚は結構重い)
 内側引き込みだと荷重集中している翼根に大穴があく事になり構造上許しがたい、
 では固定脚ではどうか、確かに本機は高速をめざすわけではないし、
 軽量化のチャンスでもある。しかし固定脚機に乗りなれた操縦者が他の引込み脚の機体に乗った場合、
 離陸後脚を引込まずに飛行したり、または脚を出さないまま着陸する事故が報告されており、
 何よりも緊急時、荒地への不時着や海面への不時着水をするのに
 固定脚では死傷確実である点を考慮して引込み脚を採用した。 
 
 輸送機としては主翼縦横比が小さいが、これ以上大きくすると主輪収容部の翼弦長が減ってタイヤが桁間に収まらない、
 主脚は三方転びの一軸引込みなのでタイヤ径よりも大きい空間がないと出し入れ時に前桁とぶつかるのである。
 従って「全幅が伸びると横操縦が鈍くなる」という理由は後から考えたにすぎない
 BCDの実現のために翼面荷重を下げたかったが、搭載量も稼ぎたかった。
 そこで夜間運用や操縦員の練度が浅い場合には貨物を減載して翼面荷重を下げる手段がとられた。
 左右車輪間隔は長い方が初心者向きだが、乱暴な着陸で翼根がへし折れないよう短めにされた。
 重心から左右接地点を結ぶ開き角は約82度で安全とされる範囲内である。
 
 エンジンは大馬力で前後長が短いものが望まれた、直径は大きいほど良かった(通路幅が広くなる)
 そんなエンジンはひとつしかなかった、
 ログローレッゲライボー社製 単列星型11気筒エンジン ドグボグンボ である。
 この会社は単列星13気筒エンジンまで開発中であったが、もちろんスグに放棄された、
 現在、15気筒エンジンに全力がそそがれている。
  
その他の特徴
 翼端の捩り下げで安全な失速特性を得ている(BCD) 
 水平尾翼面積を大きめに取り、飛行中の重心移動にも安定が得られるようにした(輸送機では当たり前)
 Dのため電波高度計と強力な夜着離ライトを装備。また幻惑を防ぐためエンジン排気管は下面に設置した。
 航法兼通信士は左右操縦員の間にある跳ね上げ式の簡易座席に座る(通路なので往来時は立つ)
 気化器空気取り入れ口、及び滑油冷却機はエンジンカウルの中にある

テストパイロットからの報告
 上面のカウルフラップを開くと前方視界を妨げる
 前下方を見たい時は風防側面に側頭部をくっつけ、方向舵を蹴るかエルロンで浅くバンクせよ。
 
率直に見た本機の特徴
 単発の輸送機としては貨物室容積が大きい
 視界が不良で危険
 敵戦闘機の攻撃に弱く、前線を飛ぶ野戦輸送機としては使えない
 空挺にしても空中投下にしても貨物ドアが小さいので不便