RkD01−ジレ001「試製1式列車砲」

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 第二次大戦開戦後に大陸の鉄道網を早々に制圧した日本軍にとって、鉄道は軍の物資輸送に必要不可欠の存在であった。
 当初は車両に防弾処理を行った「装甲列車」で物資を輸送していたものの、輸送区域の拡大化、戦局の複雑化により、沿線からのゲリラによる砲撃や略奪が頻発し、司令部は輸送列車の防衛策に頭を悩ませていた。
 そのため陸軍所属の戦闘機や沿線での戦車による護衛などで対処していたが、戦闘機は航続距離の問題から常時護衛につくことが難しく、また戦車は速度が遅いため、どちらも効果的な防衛策とは言えなかった。
 特に中国の沿岸、満州〜北京、大連〜長州など、沿岸部では洋上からの長距離の艦砲射撃によって幾多もの輸送作戦はことごとく失敗していた。
 そのため、司令部は効果的な列車防衛策について連日討論を重ねていたが、この時同盟国ドイツの新兵器「列車砲」が注目される。
 直ちにできる限りの列車砲に関する資料、戦果の情報が全力で集められた。当然戦時中であり十分情報は集まらず、結局集まったのは数枚の写真と幾多もの大陸を渡った兵士同士の噂であり、司令部は列車砲が実は心理的効果をねらった兵器だとは知るよしもなかった。
 資料を検討し、軍の技術陣、司令部での討論の結果、列車防衛及び後方支援(遠方射撃)用として新型列車砲の製作が決定された。
製作が決定したものの、一企業だけでの製作は困難と判断され、当時としては珍しく、軍技術部、満州鉄道、三菱重工、富士、国鉄等、数メーカーと国営企業の共同で開発が行われた。

軍から出された条件は大まかに言って以下のものであった。
 ・単体で移動可能で、最高速度80キロ以上で自走し、なおかつ機関車としての機能も有すること。
 ・蒸気機関では騒音が大きく、走行に複数人必要なのでディーゼル機関を使用すること。
 ・口径は50センチ以上とし、遠方射撃及び中級艦に匹敵する防御力と火力を有し、対空武装も装備すること。
 ・主砲部は45度の旋回可能とし、発射時に反動による横転防止のため、固定脚(アウトリガ)を装備すること。
 ・重量は乾燥時350トン未満とすること。
 
 こうして開発がスタートしたが、日本国内と違って大陸では線路幅が広く、直線部分も多いため、通常の機関車の数倍近くの大きさで設計がされた。
機関は三菱製の高速魚雷艇用のV20気筒ディーゼルエンジンを富士の技術者が改良を加え、最高出力は9870Ps/2000rpmを誇る。
 主砲は幾多もの試案があったが、海軍砲兵技術部から技術供与を受けて新型の60センチ砲が使用されることとなった。
 対空砲は20ミリ機関砲を6門装備し、40ミリ砲に換装可能なように製作されている。
 前後に配備された司令室は戦艦の艦橋の技術が生かされており、広い視界を持ち、内部は二重構造で丈夫は司令室、下部は運転室となっている。そしてこの列車砲の最大の目玉が走行時は側部に折りたたまれている4本の脚型の固定脚(アウトリガ)であろう。油圧制御されたこの4本のアウトリガは数十本の油圧ピストンにより、約二分で展開し、主砲発射時には反動による線路への負担を軽減するため、線路から完全に浮かせた状態で下部に別のアウトリガを出し、車両を安定させ主砲を発射する。この「蜘蛛の足」を参考にしたという固定脚を広げた発射形態の異様な様子は敵兵を震え上がらせ「スパイダートレイン」と呼ばれ恐れられたと言う。
 結局この車両は5両が試作されたにすぎず、高コストのために正式採用はされなかったものの、輸送列車の護衛、牽引の機関車として使用され、沿岸部では60センチの主砲を駆使して五隻の駆逐艦、2隻の空母を撃破し、内陸部では山間部の要塞を陥落させるという実に華々しい戦果を挙げた。また、未確認情報ではあるが、この「1式列車砲」に使用された60センチ砲は後の超戦艦「大和」の主砲の試作型ではないのかという噂が戦後数年間流れていた。

スペック:
全長:47.6m
全高:7.9m(主砲含まず)
全幅:4.7m(アウトリガ展開時は14.7mに拡大)
主砲口径:60センチ
機関:三菱製V20気筒ディーゼルエンジン(9870ps/2500rpm)×2
最高速度:97キロ(単体)
重量:297トン
航続距離:8,200q