シュドノイツキア陸軍省 宮殿親衛隊
       帝国兵器廠1940年式迎撃装甲車
                「親衛隊仕様 ケフカー改」


ケフカー改

 諸元
重量  22.5t
全長  5.2m
全幅  3.0m
全高  2.48m
主兵装   110mm短砲身豪炸砲
その他の兵装  7.62mm突撃銃、5.56mm前方機銃
最大装甲厚  95mm特殊装甲(砲塔前部及び側面)
乗員  4名
最高速力  58km/h(信地)


 開発当初ただの攻撃戦車と思われ首脳陣から見向きもされな かったケフカーだが、1943年の配備完了直後に起こった演習で の事故がその可能性を大きく見せつける事となった。その事故 は、年に一回の皇帝が観閲する大演習中、ある大口径野戦砲 が誤って実弾を発射してしまい、それが他の目標に照準中だっ たケフカーの砲塔側面を直撃してしまうといった物だったが、車 外で活動していた歩兵数名に死傷者が出たものの直撃を受け た当のケフカーは弾着部に凹みが生じただけで動力も砲も乗員 も殆ど目立った損害が出なかった。救護班が駆け付ける中何が 起こったか全くつかめず緊急ハッチからわらわらと飛び出してく る乗員を、皇帝は特別席から落ちんばかりに身を乗り出して見 ていたといわれる。この事故の結果、ケフカーの文字通りの鉄 壁の防御力が再確認され、立案者サノチェト中将は受勲、昇格 し新たに製造されるケフカーの一部は要塞宮殿常駐の親衛隊 に配備される事となった。

 要塞宮殿に配備されるに当たっては迷路のように複雑に入り 組む狭い通路を自在に走行する為、Vp-58台車を性能に支障を きたさない程度に切り詰めたVp-58b台車を採用したが、結果と して重量が大幅に削減され機動性とスピードが増した。さらに 「いかなる時も皇帝陛下に銃口を向けてはならない」という戦陣 訓を踏襲し、後方の敵に対して使用する4連装7.62mm掃討機関 銃と3連装迫撃砲は備え付けられていない。こうして華々しくデ ビューを飾ったケフカーであったが、問題があった。全長が短く なったため台車が110mm豪炸砲の反動に耐えられず、斜面の 多い城内で坂の上に向かって発砲すると後ろ向きに転覆してし まう危険性が出てきたのだ。親衛隊の教官は訓練のときこう言 った。「斜面の下方及び水平面の目標にのみ攻撃するように。」
 なにはともあれ、1945年3月の攻防戦において、親衛隊の精鋭 の戦車兵達は軽快な親衛隊仕様ケフカーの特性を十二分に生 かし、曲がり角から、柱の影から、跨道橋の上から鈍重で身動き の取りづらいレジステに散弾の嵐を浴びせたのである。しかし捕 捉されたケフカーの運命は余りにも悲しかった。ハルディニアの 抵抗記念堂に展示されている写真の一枚に、「休息」という題名 のものがあるが、帝国親衛隊が誇った「姿なき番犬」は150mm 砲を機関部にもろに食らい、大穴があき、真っ赤に発熱している 鉄板の上でレジステの戦車兵達がパンやベーコンなどを焼き、 さらにコーヒーまで沸かしてにこやかに談笑していた。