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生き物は、環境の中で生存に成功すると、次第に大型化するといわれる. Ju322もそうかも知れない. もともと大型グライダーとして計画され、何機か製作されたらしいが、 実用配備されずに終った.肝心の、牽引する飛行機が見当たらなかったからである. この、架空の物語の中で、Ju322に動力を与え、「マムート」として飛ばし、 つまり、環境の中で存在することを認知させた. Ju322は、どんどん進化し、今日紹介するP型に至っては、初期の型とは まったく共通性をもたない「恐竜」に進化してしまっている. まず、プロペラだが、直径6.2mの特大・幅広型で、毎分940回転までいける. 次にエンジン.自動車のグランプリレースで活躍したアウトウニオン社提案を 採用することになった. これは、オールアルミのW24気筒(!)という怪しげなものだ. ボア、ストロークともに170mmのスクエアエンジンで、 総排気量は92.6リットル. 地上出力は4000馬力/1880rpmで、インタークーラー付き トリプル・ターボチャージャーを備えている. オイルは160リットルも入るドライサンプ式. シリンダーヘッドには冷却フィンが付いている. つまり、グリコール液と、オイルと、風で冷やそう・というわけだ. ア社では、「もっと回せますよ.3000rpmで6500馬力、確実ですよ」 などといっているが、そんなに回ってもらっても困る.プロペラ側の 都合もあるのだからね.それに、航空エンジンは、安全第一なんだ. 次、機体. 全幅:108m 全長:72m 翼面積:900平方m 自重:130トン 最大離陸重量:380トン まさに、史上最大の飛行物体といいきってまちがいないだろう. 最高速度は、これも装備によっていろいろあるのだが、 爆撃機型では、高度11500mで時速520kmで巡航できると説明されている. 搭乗員は、尾翼付け根部分(!)の与圧コクピットに6名が乗り組む. 機長・副操縦士・機関士・航法士・武器管理者・および、よろず御相談係である. 武装だが、固定機関砲などはもっていない. 現場で、好みに応じて、欲しいだけ積めばいいだろう. なお、カウリング周辺・燃料タンク・主要操縦系統などには 特殊装甲板が貼付されている. これは、薄鋼板・セラミック・などを積層圧着したもので、 自由な加工は無理だが、要所に取り付けられている. なんでも、マイセンの陶磁器屋の力作らしい. この装甲だけでも10トンに及んでいる. 爆撃機型は、胴体内部の武装ラックの構造により、さらに2種に別れる. この2種は、2日間の作業で、ラックを交換可能できる. 1.地上爆撃型 SC50型爆弾×1000発、または SC250型爆弾×400発、あるいは両者混載、計、最大50トンまで搭載可能. 2.重目標爆撃型 フリッツX・誘導爆弾(1.5トン)×36発、または 地震爆弾(10トン)×4発、または V−1号空中発射型(要するに巡航ミサイル)×28発 およびこれらの混載が可能である. 1.2型とも、武装を50トン搭載した場合、44時間の航続力があり、 その距離は西回りで22000kmにも及ぶ. 東回りでは、偏西風の速さ次第だが、さらに10−20%は伸びる. 3.輸送機型(内部構造は、フル2階席) 全席エコノミー席の場合:500名+客室乗務員25名 ルフトハンザの「世界周航企画」用の設備:ファーストクラス100名 +ツーリストクラス300名+客室乗務員40名 空軍仕様:降下猟兵360名+小火器 である. 1940年6月、試作1号機が、ユンカース本社工場脇の滑走路に 姿を見せた.飛行機というより、小山というか、翼のはえた造船ドック! 主輪は左右16組づつ、胴体から付きでたポンツーンに収まる. 主翼は片持ち構造であるが、地上にあるときには2.3mも垂れ下がるので、 これに不安感をいだく者もある.そこで、ポンツーンから、「垂直翼」で 支え、「安心感」を高めたものだ. また、水平面での安定にも役立つし、燃料も入れられる. エンジン始動!まず、4番エンジンを回し、電力供給を確認して、 逐次発動する.巨大プロペラの起す風は、まるで空気の塊が 雪崩が押し寄せてくるようにすさまじい. 尾翼付近のコクピットからは、当然の事ながら前方下部が全く見えない. このクラスの規模になると、操縦や機械管理は4重の自動装置が運営し、 人間は、全体を見回す係・になるのだ.左右主翼の先端に装備された 垂直安定板の動作まで確認した後、Ju322Pは離陸していった. |