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諸元 戦闘重量 : 14.5t 自重 : 12.0t 全長 : 5.24m 全幅 : 2.45m 全高 : 2.24m 発動機 : カーチスD-12液冷V型12気筒(車載用改修型) 350馬力、1基 武装 : ヴィッカース40mm水冷機関砲(車載用改修型)1門 ルイス7.7mm機銃(車体前面)1門 最大装甲厚 : 25mm(前面) 履帯幅 : 330mm 乗員 : 4名 最高速力 : 48km/h 行動距離 : 180km 偵察に加えて、歩兵支援、決戦時の突破兵力たることを要求されたことから、軽戦車と言うよりは騎兵用戦車として試作された装軌式戦闘車輌。 まずは、その設計要点を下記に列挙する。 ・充分な火力を得るために、40mm機関砲を搭載。 ・40mm機関砲は発射速度を落とし、砲架装置を軽量化。 ・車体前面機銃には、各国で入手が容易なルイス7.7mmを採用。 ・イブクーロ王国空軍の水上機と同系列のD-12水冷発動機を搭載。 ・上記により、発動機関連整備の面での負担を軽減。 ・発動機は車体後部搭載、前輪駆動。 ・耐久性と整備の容易さから、リーフ(板バネ式)懸架装置を採用。 ・転輪の数は整備の容易さと、荷重分散のバランスを考慮。 ・上記により懸架装置3基、転輪6基を採用。 この試作軽戦車の最大の特徴は、大口径機関砲を搭載していることである。一発あたりの威力と連射性の双方を満たすことで、持続性制圧射撃力を保有している。 ベルト給弾式のため戦闘中の弾種の交換は難しいが、徹甲弾を使用すれば軽戦車程度は充分撃破可能であり、ある程度の対車輌戦闘も可能となっている。 ただし、装甲は決して厚くはないため、対車輌戦闘時の防御力は期待できるものではない。これについては後述するが、対車輌戦闘に本格投入するには装甲強化が必要である。――逆に言うと、装甲強化と若干の改修程度で対車輌戦闘が可能となるキャパシティを有していることを意味する。 この40mm機関砲は、車載のために発射速度を毎分60発程度に落としている。原型の毎分200発の発射速度では、発射衝撃に耐える砲架装置の重量が大きくなり過ぎるためであり、発射速度を抑えることで、また平射専用とすることで、砲架装置を車載可能な程度にまで軽量化している。とは言え、やはりかなり大重量の砲架装置になることは確かであり、この軽戦車の車体が大型化する一因となっている。 この大型化した車体に偵察車輌としての機動性を与えるため、発動機もまた大出力化している。この点についてはすでにイブクーロ王国空軍で採用している水上戦闘爆撃機と同系列のカーチスD-12水冷発動機、それを車載用にデチューンしたものを採用することで解決している。 D-12系列の発動機は生産型で400馬力程度まで発揮可能だが、これをデチューンすることによって350馬力程度の車載時出力を確保している。 実を言えば、車載用としては大型なD-12系列発動機もまた、この軽戦車が大型化する一因となっている。 大型化した車体を支える懸架装置は、板バネ積層のリーフ式で、これに中型転輪2基づつを組み合わせて装備している。単純に車体荷重分散の意から考えるならば、ボギー式の小転輪を2基(懸架装置1基に4転輪)組み合わせて装備するべきかと思われるが、部品点数の増加が整備性を低下させることが懸念されるため、中転輪の組み合わせ(懸架装置1基に2転輪)とし、部品点数を減少させている。 またリーフ式懸架は板バネ積層枚数の増加で車体重量の増加にある程度対応できるため、この軽戦車は重量増加を見込んだ設計が可能となっている。 具体的には、装甲厚増加で中戦車に対応し得る設計となっている。また前述の通り、装甲厚が充分であればある程度は対車輌戦闘も可能と考えられる。 最後に要約を述べるとこの戦車は、将来的に中戦車――主力戦車――へと拡張可能な『大型軽戦車』である、と言える。無論、軽戦車としての要求仕様は充分に満たし得るものである。 兵装などの装備品も現時点における生産数が多いもの、入手が容易なものを選択しており、また懸架装置などの構造もオーソドックスなものを選択しているため、生産、整備、補充は比較的容易な戦車であるといえる。 付け加えるならば、ヴィッカース社は自前で鉄鋼なども生産しているため品質の保証は充分で、装甲材の強度、履帯の摩耗などについても他社製品に対してアドバンテージを有している。 唯一問題点をあげるとすれば、車体が大型な分単価がやや割高なことだが、発注元であるイブクーロ王国の財政が潤沢であることから、大きな問題であるとは言えない。また将来、主力戦車への転用が可能であるとすれば、むしろ安上がりな戦車であると言っても良い。 |