イブクーロ王国陸軍 軽戦車「AMC31」

「AMC31」・クリックするとちょっとだけ大きくてキレイな画像が見られます

 1930年、フランスはイブクーロ王国から軽戦車の発注を受けた。
 この発注の予算には、自国内発注では考えもつかないほどの多額の研究費が含まれていた。これは何事にも妥協を許さないノイッチ王子の、最高の戦車を開発しようと言う意思の表れであった。
 これを受け、当時、戦車の開発においては世界の頂点を自認していたフランスは、持てる技術力をふんだんに使いこの発注に答えることとなった。
 基本方針の検討が始まったが、まず、いかに効率的に車体をデザインするかが最初の検討事項となった。その中でも比較的早期に決定したのは、エンジンとトランスミッションを一体に設計し、不要にドライブシャフト等に車内スペースを占有させることを無くし、小型ながら広い車内空間を確保するということであった。このため、エンジン配置は横置きとすることが決定され、それを可能とする全長の短いエンジンを新規に開発することから始まった。この開発には、当時、エンジンの開発においては多くの経験をすでに持っていたルノー社が指定された。数社に競作させる案も出たが、潤沢だとはいえ限られた予算を徹底的に新機軸の開発に投入することが何よりも優先されたため、1社特命の形での発注となった。
 しかし、この時点ではまだ、フロントエンジン前輪駆動(FF)にするか、リアエンジン後輪駆動(RR)にするかは決定し難かったため、まずは簡単な試験用車輌を2種類作成し、その結果をもって最終決定することになった。
 次に、車体の製造方法が検討された。
 車体を溶接構造とすることはすぐに決定されたが、議論となったのは、砲塔を溶接にするか鋳造にするかであった。主に強度面で議論が飛び交ったが、結論としては、この程度の小型砲塔であればそれほどの差はでないであろう、ということになり、量産性を考慮して鋳造型砲塔が採用された。
 主砲についても色々と検討されたが、機動性を考慮すると、それほどの大口径砲は必要ではないとされたため、37mm砲とすることになったが、命中精度は重視されたため、当時開発中だった長砲身のものが採用された。また逆に、この37mm砲に対する防御力を有することも重要視され、それに見合った装甲が砲塔に付されることとなり、当時の軽戦車としてはやや厚めの装甲を持つこととなった。  なお、主砲の同軸上下部に7.5mm機銃を装備することも決定された。
 次はサスペンションであった。一般的な考えから行くと、走破性を考慮すると大型の転輪とすることが望ましいはずであった。しかしながらそれでは、イブクーロ王国の険しい地形に対する追従性に問題点を抱えることになる懸念があった。その結果考え出された案は、転輪はやや小型とするものの、大きめのストロークを持ったコイルスプリングと、その内側にオイル封入式のショックアブソーバーを備えた、トレーリングアーム式のサスペンションにすることで走破性、並びに追従性を両立させて確保するというものであった。

 エンジン、および長砲身の37mm砲の開発を待つ間、前述の2両のテスト車輌を使っての試験が開始された。この車輌には、新考案の前述のサスペンションも組み込まれており、同時に二つの開発を行うことになっていた。
 既存のエンジンを改造して行われたエンジン配置のテストに関しては、わりと早く結論が出ることとなった。RR方式の車輌は、FF方式のものに比べ、重量配置の関係で登坂性能が大きく劣っていたのである。逆に降板性能はRR方式の方が安定していたが、その差は登坂性能に比べると小さいものでしかなかった。
 それに比べ、サスペンションの開発は難航した。転輪の個数、及びサスペンションの支点位置を色々と変えて実験が行われたが、なかなか計算したサスペンション性能が発揮されず、また、開発されたばかりのオイル封入式ショックアブソーバーが、しばしばトラブルのもととなった。最終的には満足のいく性能は得られなかったが、転輪の個数は6個が最も良好であるという結果は得られ、その他の性能も徐々に良くなっては来ており、エンジンが完成したために残りのテストは本来の車体に組み付けられて続行されることになった。
 さて、エンジンである。結論から言うと、これはこの車輌開発の中では出色の出来となった。すでに決定されていた車体サイズに基づいて設計されたエンジンではあったが、V型8気筒レイアウトとロングストローク型のシリンダを採用したことにより、無理なく小型にまとめることができた。また、ロングストローク型にしたことが、結果的に低速トルクの増大をもたらし、良好な出足となって現れた。
 結局このサスペンションは、微妙なバランスを持つことがわかった。すなわち、サスペンション部品の出来の善し悪しに性能が大きく左右される上、車体に組み付けた後にも、繊細な調整を必要とした。
 その他の性能はほぼ予定通りのものであったが、サスペンションだけはできあがった車体によって大きなばらつきがあった。しかしそれでも、イブクーロ王国へ納品する日は来てしまった。
 こうなると、取るべき道はただ一つである。フランス政府は、製作した車体の中で最も安定したサスペンション性能を発揮した車体を2両選んで、イブクーロ王国へ送りつけたのであった。



諸元

 全幅   :1.92m
 全長   :4.25m
 全高   :2.23m
 戦闘重量:11.8t
 エンジン :ルノー 空冷V型8気筒 160馬力
 最大速度:42km/h
 行動距離:150km
 最大装甲:60mm
 武装   :33口径 37mm砲×1, 7.5mm機銃×1
 乗員   :3名

胃袋3分の1からのコメント:
 私はF−1が大好きで、もうかれこれ20数年来のファンです。20代の頃には、市販車にもお熱を上げていました。つまり、車のことならある程度のことはわかります。この点、船とは比較にならないぐらいはるかにマシです。
 しかしながら、この当時の戦車のことはほとんどわかりません(爆)。一応、人に教えて貰ったり、自分で調べたりしましたが、かなりウソが入ってるかもしれません。
 ごめんね〜!(笑)