[_日本陸軍 - 外洋砲艦試案]
_Japanese army project gunship

全長 140.2m 武装
全幅 26.0m 45口径40cm連装砲1基
排水量 7500t 八九式45口径12.7cm連装高角砲3基
軸馬力 14250hp 毘式40mm連装機銃5基
最高速力 16kt 八一式爆雷投射器2基
航続距離 6000浬/12kt (C)Amagi
昭和4年、陸軍は唐突に砲艦を保有すべく造船各社に試案の提出を打診した。その直接的な要因となったのはアメリカのフィリピンにおける要塞の構築で、南方作戦において障害となるこれらの攻城槌となる砲艦を欲したためである。ところが、当然の如く海軍はこれに強硬に反対した。しかしながら幾つかの造船所がそれに応じるに至って、海軍は態度を一転させて陸軍に相談を持ちかける。
「海軍が助成金を出し、最新鋭の装備を搭載した艦艇を装備してみないか?」

あれだけ反対していた海軍が心変わりしたのは、陸軍に100%自前の艦艇を保有させないためだった。本来、南進するにあたっては海軍の支援が不可欠なのだ。しかしながら、万が一砲艦を有した陸軍が輸送船と共に自軍のみでフィリピンを占領されては面子が立たない。それならば海軍が融資し、演習にも積極的に手を貸して陸軍側に「借り」を作っといたほうが良いを言うわけだ。これで「もしも」の時にも、新聞の一面には《海軍の補助を得て建造された砲艦○○》と載るわけである。
また、融資するとは言え維持管理費が陸軍持ちとなる以上、その額面は艦艇を1隻建造する事に比べれば極めて安くつく。これは開発なったばかりの新兵器のテストをするのにはまさにうってつけと言えた。万が一、それが失敗作であっても使うのは陸軍だから問題ないというわけだ。本当に有用なのかどうかも怪しいと大艦巨砲主義者の嘲笑を買っていた八九式45口径12.7cm連装高角砲に、毘式40mm連装機銃。機関配置は《機・缶・機》と言う半シフト配置とも言うべき方式を採用。さらに、直接エネルギーを推進軸に伝えるのではなく、一旦電気に変換するタービン・エレクトリック方式を採っていた。こうする事により機関から直接推進軸を伸ばす必要がなくなり、艦中央部に主砲を搭載する事が可能となる。無論、そうなると主砲の前方への射界は制限される。しかしながら、煙突を除くと周囲は極力余分な艤装をしない事で真前方を除くほぼ全包囲に主砲を振り向ける事が出来た。また、煙突は主砲の爆風に痛まぬよう、若干の補強がなされていた。
だが、どれも信頼性は未知数。
けれども、失敗しても陸軍のフネ───

むろん、陸軍にしてみれば予算の補助は非常に有り難い話ではあった。しかしながらこれまで反対の姿勢をとってきた海軍が態度を翻した事に不審を抱く。
───何か裏があるのでは?
実に正しい直感である。結局陸軍は態度を保留し、他からも来ている試案の1つとしてこれを受け取る事となった。

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