チャラン、チャンチャン、毎度お馴染みの解説を…。
与太郎:ご隠居っ、ご隠居ってば!なに見てるんすか?
ご隠居:あ〜何だ与太郎か。なに見てるって、この本かい?
与太郎:へえ〜飛行機の本ですか、え〜と、ドイツ〜なんとか?
ご隠居:その歳で漢字も読めね〜のかいっ!、どいつくちくき!
与太郎:どどいつの口聞き?お座敷でも上がるんですかい?
ご隠居:口聞きじゃなくて、駆逐機!
与太郎:鬼畜器?あれっチクチクき?
ご隠居:おめ〜さん、わざと間違えてんだろー!
与太郎:早口で言うと、舌噛んじまいそうなヤツですね〜
ご隠居:わざわざ早口で言わなくていいんだよ!まったく…。
与太郎:でっ?その駆逐機?ってなんなんです?
ご隠居:おっ珍しいな、喰い物しか頭にねぇお前さんが。
ご隠居:いいかい、駆逐機ってなー
これさえありゃ敵の飛行機を駆逐できる強え〜ヤツって名前だ。
弁慶みてぇにたくさん武器積んで、遠くまで飛べるしろもんだよ!
与太郎:へえ〜そんじゃ、戦闘機なんていらねえですね!楽でいいや!
ご隠居:たいがい駆逐機は双発、まあ〜エンジンがふたっつ付いてんだ。
馬力があるからたくさん武器が積めて遠くまで飛べんだよ。
だけどな世の中そんなに都合良くできてねえーんだ。
エンジンふたっつ積めば図体はでかくなるし重たくもなる、
そーすっと、小回りがきかねーわな、相手の戦闘機はたいがい軽くて
すばしっこいから、いざ合戦になるとこれがてんで相手にならねえんだ。
勢い勇んで作ったはいいが、役立たずってんで、昼間の仕事から
夜忍込んでくる爆撃機相手に、商売替えしたんだ。
与太郎:へえ〜夜這退治ですか!富久の旦那みてえ〜だ!
駆逐機って左官屋の寅んとこの娘みてえですね〜。
ちいせい頃は器量良しなんて言われてたのに、今じゃブクブク肥って…
ご隠居:御近所の悪口言うもんじゃね〜よ!人のこと言えねぇ〜だろオメェは!
与太郎:へいへい、じゃなんでそんな寅の娘みてえ〜なヤツしげしげ見てんです?
ご隠居:できの悪り〜子ほど可愛いなんて言うだろ、ドイツ人だって同じだ…。
この本はまだ駆逐機が誉められてた時代のことを書いたもんで、
駆逐機に未来有りって!ドイツの偉いさんが調子にのって
もっと良くしろ〜っの号令で、いろんな会社が工夫したんだよ!
コイツなんて見てみろ、もっと速くしようってんで、胴体にムリやり
エンジン2つ積んでギヤだのドライブシャフトだので左右のプロペラを
回すってしろもんだ…。
与太郎:長いまくらでしたね、ようやく解説ですか…。
でもバカですね〜。素直に前と後ろにプロペラ付けりゃいいのに。
抵抗も少ねぇーし、へんな癖もねぇーし、こんな複雑な駆動方式はムリ!
21世紀のオスプレイだって事故起こしてヤバイのに…。
ご隠居:お前に言われちゃおしめえ〜だな!おもしろくねーだろ、ちゃんとしちゃ!
前後にプロペラ付けんのはこの競作でも出てるだろうし、
実際も他の会社がもうやってんだよ、同じじゃしゃーんめえよ。
ドイツ職人の粋ってもんだ!凝りに凝ったもんが良いんだよ!
与太郎:そんな興奮しないで、卒中で倒れますよ!
じゃっ、こいつはやたら速く飛べたんですかい?
ご隠居:まともに飛べりゃ〜な…。地上試験から問題だらけだったらしいなコイツは。
下手に凝ったもんで重くなるし、駆動部分が場所とるし…。
ギヤ欠けに油が漏れ、おまけに振動がとんでもなくて、ガタガタ〜ってな。
与太郎:夜、大工の弥吉と千代んとこもよく揺れますよ、ガタガタ〜って…
ご隠居:そんなもんじゃねえよ!吉原じゅうだってコイツほど揺れね〜よ!
与太郎:そりゃ、おおごとだ。
ご隠居:へんな納得するなっ!
おっほん!それで騙し騙し飛んでも揺れは納まんねえから始末が悪りい。
全開出力で飛んだ記録がねえんだこの機体は…。
計算じゃ700kmは出るはずだとよ、はっは…たまらん。
与太郎:なんだか、悲しいですね。
ご隠居:おまけに急降下爆撃なんて、この当時お決まりの宿題があって、
こんな機体で急降下する勇気のあるヤツはどこにもいねえだろうと思ってたら
無茶するヤツがいたんだこれがっ!
与太郎:どうなったんです?
ご隠居:言うまでもねえよ、翼もげた!
ご隠居:これに懲りてこの後、ヘンシェル社はかなり保守的な設計方針を
とるって寸法よ。まっ、この時期だれでも一度はこんな考えに走るんだ。
与太郎:胴体中央にエンジン積んで、延長軸、ありますね〜失敗作!あれも…これも…。
ご隠居:おいおいっ怒られるぞ、あの人たちに…。
与太郎:ところでご隠居?この話、「おち」はどうすんです?
ご隠居:普通おめえ〜が、おとすんだよ!たいがい。
与太郎:大丈夫ですよ、こんな解説付けりゃ、もうおちてますよ!競作採用から。
おあとが宜しいようで…。 チャラン、チャンチャン…。
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