13試大型陸上攻撃機試案
高速一撃離脱攻撃機



 陸上攻撃機という機種が帝国海軍で開発されて以来、そういった機体に疑問を持つ人間も多くいた。 しかし九六式陸攻の活躍のため」そういった人間の主張は無視された。
 彼らが主張する陸上攻撃機の最大の問題点はその航続力にあった。確かに長大な航続力は一見すれば素晴らしい。しかし実戦ではあまり有効でもないのである。 日本海軍が陸攻の使用を想定していたのはギルバートやマーシャルといった海域での艦隊決戦が始まる前に敵艦隊を攻撃するといった状況下である。しかしこのあたりの海域で何千キロといった航続力は必要ないのである。確かに広い地域に分散した航空隊が遠くからでも一点を攻撃できるメリットは大きいが、ならばいっそ航空隊を付近の基地に移動させればよい。日本の国力ではそれらの基地が満杯になるほどの陸攻を保有することは無いであろう。陸攻はある程度の航続力は必要であるが、むしろ他の性能が必要なのである。
 では彼らの主張する陸攻の必要性とは何であるか?
 これは多くの意見があるが、ここではこの出品された機体を設計した人物の意見を取り上げる。
 彼の意見では陸攻に必要なのは速度である。長躯飛行するわけであるから発見されてから出撃し海域に到着するまでの時間は短いほうがいい。短ければ短いほど敵艦隊の移動距離が少ないからである。つまり高い巡航速度が必要なのである。同時に必要なのが突入速度である。爆撃機に共通の低速度だと戦闘機に捕捉されやすく、敵艦隊の対空砲火にも捕まりやすい。とくに大きい陸攻のことである。海面すれすれに飛んでも艦載機より被弾確立が高い。おまけにその大きな航続力についていける戦闘機は無いであろう(零戦はまだ未完)。従って陸攻は自分で自分を守らなくてはいけないのである。ハリネズミのように武装するのも可能であるが、これでは爆装が減るし、戦闘機は排除できても対空砲火は排除できない。つまり一番効率的なのは高い攻撃速度とある程度の防弾性能である。また飛行時間が短ければ短いほど有利でもある。一日に出撃できる回数も増えるし乗員の疲労も少ない。
 さて速度が必要といっても重い爆撃機である。戦闘機を超える速度をひねり出すのは難しい。そこで設計者は考えた。彼はまずエンジンをエンテ式に配置し、推進効率を向上させた。また大馬力エンジンである火星エンジンの搭載を考えた。後退翼を採用し、空気抵抗を減らしたのである。また翼はラミナーフロー翼を採用して低い空気抵抗を持たせ、航続力を向上させている。
 防弾性能は無視されていない。高い巡航速度を誇る本機ならば(速度の低い航空機より)滞空時間を減らしても航続距離自体は減らない。 従って燃料タンクは主に防弾措置の取られた胴体内部に設置されている。インテグラルタンクは必要ないとされた。
 速度があるため、また重さを軽減するため、武装は最低限とされた。まず機種に7.7ミリ機銃一門を装備し、後方には7.7ミリ連装機銃を装備。機体上面に360度回転する20ミリ連装機銃を装備している。武装はそれだけである。本機最大の対空能力はその速度であり、機銃は最後の防衛手段なのだ。
  爆装は充分考慮されている。四発機であるからには従来の陸攻の二倍の爆装は必要である。でなければ従来の機体を生産したほうが効率が良くなってしまう。爆装は胴体内部に収納され、最大2.5トンとされた。揚力の問題もあるが、速度を低下させるとかえって本機の持ち味を殺してしまうからである。
 こうして高速で戦場にたどりつき、敵の護衛戦闘機を振り切って敵を攻撃、一撃離脱を終えて高速で帰還する「高速陸上攻撃機」なる構想が掲げられた。こうした構想が採用されるかはあなたが決めることである。

<後書き>
今回は忙しくて画像が手抜きになってしまいました。
陸上攻撃機に必要なのは速度と思っていましたが、
本館での議論ボードの内容を見た後、ますますそう思いました。
ヒューストンからサンディエゴまで運転して疲れた...
−BB