13試大攻 中島案 G5N2 水陸両用超大型攻撃飛行艇「月山」
概要 昭和13年、日本海軍は一度試作要求したLX大型陸攻の発注を 製作前に取り消すという 異例の決断を行った。これは、中島に命じた DC-4の陸上攻撃機化というアイデアの問題点がクローズアップされると 同時に、原型機であるDC-4も失敗作であることが判明したからであった。 要求に対しては当然それに合わせて新しく設計するのが望ましい。 なぜなら、機体性能の大半を決定する主翼は面積、アスペクト比、翼形など 多数の要因の同居するものであり、違う目的に作られた主翼をおいそれと 適用することなどできないからだ。 中島の主務者、松村技師は胸をなで下ろした。彼が変更設計を手がけた LXは海軍の漸減作戦の一番槍を付けるには甚だ不適当な機体で有ることが わかっていたからである。 話は遠くさかのぼる。日清日露の両戦争を勝ち抜き、世界の一等国の 仲間入りを果たした日本が、次に仮想敵とせざるを得なくなったのが 米国である。 海戦の勝負は戦艦の数で決まる。当時としては至極当然の考えの元に 国を傾ける大計画、88艦隊計画が始まっていた。 これは、8隻の高速戦艦、8隻の巡洋戦艦を核にして機動遊撃部隊と 主力部隊が相互支援し、数を機動力で補って数的不利をカバーしようと いうものであった。 しかしながら、状況は一変する。 世に言う、軍縮条約である。軍拡に国家経済が耐えられなくなっていた 英国が軍縮を提案。ワシントン条約会議で日本は対米6割の戦艦しか 持てなくなるのである。 残る巡洋艦、駆逐艦で戦艦の穴を埋められるのか、いや埋めなければ ならない。こうして考え出されたのが漸減作戦であった。 敵艦隊の来寇途上に潜水艦を配置、次いで航空機、そして決戦前夜に 巡洋艦を旗艦とした水雷戦隊が夜襲を行い、無理矢理でも戦艦数を対等に 減らす。トドメとして戦艦が決戦に駆けつけ、機動力を生かして敵艦隊の 頭を押さえて殲滅するというものであった。 そして、本来ならばこのLXは航空機による襲撃の第一撃として 水雷攻撃を敢行するはずだったのである。 しかしながら、当時の九一式航空魚雷は強度上の問題から投下速度80ノット、 投下高度80mに制限されており、とてもこんな性能の魚雷を抱えていては 攻撃はおぼつかないことは明らかだった。 この時期、艦艇の対空砲火も強化されつつあり、とても4発の頑丈な 機体と言えど突入は危険だった上に、LXの操舵応答性も緩慢そのもので あることが予測されていた。 これではとても、射点にたどり着けない。 海軍内部ではこの時期、航空雷撃不要論まで出ている始末だった。 松村技師はこの問題を克服する腹案を持っていた。 これまでの航空雷撃は必中を期して肉薄しているからこそ敵艦の回避に 追従できるだけの運動性を要求されていたのに対し、搭載量を増大して 長射程の大型魚雷を搭載し、編隊機数を利用して公算命中を期し、 対空砲火の外側、約8000m付近からアウトレンジして魚雷をばらまこうと いうのである。 航空機は艦艇より一機当たりのコストが低いので数を用意でき、そのうえ 速度が速く、敵の艦隊を包囲して同時異方向攻撃を実施することは艦艇よりは たやすい。 この提案は四発機に肉薄雷撃を強いるよりは無理のないものであったと言えよう。 その結果、これまでの陸攻、大攻よりも運動性要求は低く抑えられ、 安定して低空を低速で飛ぶことに専念すれば良くなる。さらに、大型魚雷を 使うことで、命中時の被害は絶大な物になる。 炸薬量比較 九一式航空魚雷(直径45cm):炸薬150kg/魚雷重量784kg 九二式魚雷(直径53cm):炸薬300kg/魚雷重量1720kg 九三式酸素魚雷(直径61cm):炸薬490kg/魚雷重量2700kg 九五式改一酸素魚雷(直径53cm):炸薬405kg/魚雷重量1665kg しかしながら、太いとは言っても、艦船用の魚雷である。とても 投下高度80mに耐えられるわけが無い。速度にしたって80ノットと いうのは駆逐艦の倍に相当する。 航空機が投下するためには魚雷の強度を大幅に高める必要があり、 それは即ち炸薬量の減少・・・大型魚雷の旨みを減殺することに なってしまう。
松村技師は逆転の発想でこれに答えることにした。 つまり、飛行機も船と同じ条件で雷撃できればいいのである。水陸両用型の 飛行艇とすれば、艦船並みの発射高度で魚雷を投下可能である。 もともとは海軍航空機は明治45年から「防備された敵港湾内の軍艦攻撃」を 目的に整備されていたのであり、これは海軍航空機としての原点を追求する事に なったとも言える。大攻の航続力はそのためにも要求されていたのだ。 さて、この時点でライバル機より重量設計・空力設計で不利になる。なぜなら、 陸上機用の降着装置を持ちつつ、その上で機体荷重は艇体下面まで分散できる ようなしかけを作らざるを得ないからである。 ここまで決まった後、機体の規模を決めるのは航続力と搭載兵装の重量である。 ここで海軍はとんでもない要求を出してきた。「艦艇と同じ攻撃方法では、 艦艇と同じ被弾率を出してしまう。飛行艇なら至近弾ですら危ういのだから、 敵艦隊の対応時間が駆逐艦の半分しか無いことを差し引いても、それなりの 破壊期待値が必要である。」 早い話が、61cmの酸素魚雷4射線を要求してきたのである。 この武装重量、そして航続距離5500kmを当てはめた結果、アスペクト比を 16、揚抗比を19近くにまで向上せしめても、全備重量は72.6トン、発動機を 火星として11.2発、護なら10発必要という出力結果となった。化け物10発 大攻の誕生である。 敵泊地となる環礁の水道に強行着水し、4本の酸素魚雷を投下。すぐさま 強烈な加速で離水し離脱するコンセプトは、こうして定まった(笑) 松村技師は頭を抱えて中島知久平に苦悩をぶつけたのは想像に難くない。 もっとも、すぐさまこんな返事が返ってきたそうだが。 「馬鹿もん!そんなちっぽけな課題で悩んでるようでは『Z機』が作れるか!」 (注:史実ではZ機構想はもっと後の話です(笑)) 既に中島は「LXが二機入る工場」を竣工ずみであり、制作場所に 困らないことはわずかな救いであった。
上流設計 そもそも護は12年の四発大攻内示を受けて作られたエンジンであり、中島 機体部門の要望によって特性変更が行われていた事情がある。松村は二つの 改造を発動機に要求した。 ・減速比の低下 ・離昇出力のさらなる増大 「減速比の低下」 ただでさえきつい5500kmに、さらに防御機銃重量を含めて12トンの武装が 乗るのである。幸いなことに仕様にはブリングバック能力が記載されて居なかった ため、これを活用することにした。問題となるのが燃料消費率である。 やや先行していたB6(後の天山)では、これを0.28(kg/ps・hour)と見積もって いた。しかしながら、こっちは多発機であり、すべての発動機が最適燃焼を するのも難しいと考え、0.29と多めの値を見積もった。 武装重量が多く、これ以上の燃料増大は破綻を招く可能性もあるため、揚抗比の 増大を狙ってアスペクト比は16と決定。プロペラ効率は0.83を狙わないと航続距離の 達成は難しい。結果、出力軸回転速度を既存の1/2にすることで計算上は効率0.9に まで達し得る見込みだった。もっとも、日本のプロペラ技術に自信の置けなかった ところではあり、0.84として諸元の策定を行った。 「離昇出力のさらなる増大」 これで導き出されたのは巡航燃料率0.275。これに暖気燃料、離昇燃料、 予備燃料が加わると、全燃料比率は0.313となる。 推進重量を0.16、大型機故に構造重量を0.26と取ると、全備72.6トンと なった。これを1870ps×10で引っ張ると、馬力荷重3.88。巡航は兎も角、 離昇には出力が小さすぎるのだ。離着陸距離を概算すると、591m。あまり 余裕がない。アスペクト比を16取り、翼幅が84m上限(工場屋からの制限)と 決めると、翼面積は440以上取れない。エンジン側の離昇出力を上げる 必要があったのだ。 幸いなことに、このころ、海軍では水メタノール噴射実験を重ね、火星 発動機では約1.28倍もの出力向上を見せていた。これを護に適用すれば、 護は2150hp出る物と確信を持てた。これであれば馬力荷重は3.34まで減少する。 高いアスペクト比は、フラップ装着範囲も広くなるのであり、全幅84m、 翼面積440平方メートルで余裕を持って離着陸性能を満たせそうな目算が立った。 ここまで大型化すると安定性も半端なものではない。外洋離着水すら 可能性が見えてきたのである。
下流設計 主翼取付部には曲げ荷重がかかるため、大きなアスペクト比の翼は強度的に 不利となる。それに対処するのが双胴形態である。翼端から取付部までの距離も 減るため、曲げモーメントだけでみても有利になるし、一か所にかかる荷重は半減する。 この形態にはその反面、艇体のビームローディングが稼ぎにくいという欠点が 存在する。 ビームローディングは機体重量を艇体最大幅の三乗で割ったもので、 離着水性能の目安となり、低いほど離着水が容易になる。 各艇体にかかる重量が半分になっても、全幅が単胴の半分しか無いなら これが三乗され、結果、1/2倍を1/8倍で割ることになり、4倍となって しまうのだ。 ビームローディングを同等に押さえるなら、全幅は単胴艇体の0.5の三乗根、 0.8倍まで広げねばならず、それの双胴なので1.6倍にまで正面面積が増加・・・ つまりは、空気抵抗の増加となってしまう。 この空気抵抗増加には艇体の高さと長さを削ることで対応した。そのままでは ペラが離水時に触れてしまうため、エンジンの高さを主翼上面まで持ち上げる ことで対処している。これは、ペラ後流を上面により多く導き、離昇時の 揚力を稼ぐことをも狙った配置である。 これで、空気抵抗の増加を最小限に抑えつつ、ビームローディングと 構造重量軽量化の両者を立てた。ビームローディングは0.716で有り、 離着水特性の穏やかさは川西13試大型飛行艇の比ではない。 高揚力装置は中島が既に97式艦攻で培った、ファウラーフラップを発展 させた物を使用している。フラップが展開することで、翼面荷重は140台まで 低下する。こうすることで、なんとか離着陸性能は空技廠Y20計画機 (後の銀河)より良好なところまで追い込めた。 陸上運用に必要な脚は主脚は普通に主翼内、側方にそのまま引き上げる。 尾輪は上面図からではわかりにくいが、垂直尾翼付け根内舷側に設けた バルジに引き上げる。 爆弾倉は艦船用魚雷を横向きに発射する関係上、中央翼に装備。水平に 投下された魚雷はそのまま調定深度まで沈降しながら進むのと、ビーム ローディングが低く、艇体の喫水下が浅いことも相まって、停泊状態でも 問題なく射撃可能である。 爆弾倉の位置からいっても胴体が目隠しとなるために、着水状態での 魚雷投下を悟られにくく、なおかつ酸素魚雷の航跡は視認しにくいので、 着水雷撃の回避は極めて困難である。 燃料は双胴の底部に、潤滑油は主翼上部に張り出したナセル内に それぞれタンクを設けて搭載している。偵察時の燃料搭載は爆弾倉内に タンクを増設した上で、翼内増槽にも燃料を追加し、五割増の空間を 確保する。
![]()
![]()
まとめ 発動機を10発持つだけにこの機体のコストは高価であるが、航空魚雷で あれば12本を投下できることを考えれば、通常の大攻の6機分に相当し 費用対効果では比較にすらならないと言える。爆弾装備を考えても、4発 大攻の3.3機分に相当し、2.5倍前後のコストに余る性能を発揮する。 さらに、艦艇用酸素魚雷を投射できるということは、敵方の対空砲火に さらされる時間が全く無いということであり、生存性についても大幅な 改善を期待できる。特に、射程40kmを誇る93式61cm酸素魚雷を装備した 場合においてそれは顕著に現れると考えられるが、最大射程12km前後の 95式53cm酸素魚雷でも距離6000m程度で実用的な射程に入るため、敵の 対空砲はともかく、対空機銃を無効化...敵火力を半減できることは 間違いない。 つまり、相対的に敵対空砲火への耐久力を倍増させているといえる。 また、防御砲火も充実している上、発動機が7発止まっても飛行可能な 冗長度を持っていることは、捜索任務において敵制空権下を強行捜索 できるだけの耐久性を持ち合わせていると言えるだろう。 行動半径を絞れば一機で61cm酸素魚雷6本と、駆逐艦に匹敵する 攻撃力を持ち、離着陸性能は空技廠のY20計画機(後の銀河)と同等で 展開能力にも不安がなく、基地が建設不可の場合は水上機基地に展開できる 本機は、競合する他機より高価であることを考えてもなお費用対効果に 優れると言える。
諸元 発動機:中島護改(仮称護21型 離昇2150hp) 10発 プロペラ直径:4.2m 全幅:84m 自重:37.9t 胴体幅:3.7m 胴体高さ:4m 翼面積:440m^2 フラップ面積:50m^2 防御機銃:機首7.7mm連装銃座×2 背部20mm銃座×2 外舷7.7mm銃座×2 内舷20mm銃座×2 (下方射界、後方射界は外舷銃座と協力し、死角を減ずるものとす)
正規荷重性能 離陸重量:72.6t 搭載燃料:31,114リットル ビームローディング:0.717 翼面荷重:165.58kg/m^2(フラップ展開時:149kg/m^2) 馬力荷重:3.04kg/hp 高速巡航性能:5507km/19hour,300km/h(6000m) 距離最大巡航性能:5659km/19.5hour,270km/h(6000m) 最大速度:490km/h(5000m・水メタ無し) 515km/h(5000m・水メタ使用時) 搭載武装:93式酸素魚雷4本+防御機銃関係1トン もしくは95式酸素魚雷6本+防御機銃関係2トン もしくは91式航空魚雷12本+防御機銃関連2トン もしくは爆弾10トン+防御機銃関連1.99トン (飛行性能はいずれも推算値)
偵察荷重性能 離陸重量:71.4t 搭載燃料:45,400リットル ビームローディング:0.705 翼面荷重:162.34kg/m^2(フラップ展開時:145kg/m^2) 馬力荷重:2.99kg/hp 巡航性能:8019km/29.7hour,270km/h(6000m) 最大速度:500km/h(5000m・水メタ無し) 515km/h(5000m・水メタ使用時) 搭載武装:防御機銃関連1トン (飛行性能はいずれも推算値)
いいわけと妖しい能書き「まもって!守護月山(違)」 A:というわけでこの月山なんだけど。 B:火葬ですなぁ。B-36よりスパンの長い、しかも軽い機体なんて。 A:まあ魚雷の限界を機体側で吸収しようとしたらこうなるという お手本ですな。 B:こんなデカブツがお手本なのかよ。 A:だって、猛烈な対空砲火をよけながら速度80kt以下、高度80m以下を 保って雷撃することがどんなに過酷なことか。その上に敵艦の回避運動に 追従できる運動性。並みの大型陸上機が行けると思う?これが余裕なら、 B-747で橋の下くぐれるぜ。 B: いつぞやのハイジャック犯みたいなこと言ってんじゃねえ(怒) って、そこまで運動性は必要なの? A: 肉薄雷撃の理想は、敵艦の斜め前から、敵艦の予定進路を垂直に 横切るように飛ぶことだ。こうすると、タイミングが合えば魚雷は 横っ腹にぶつかる。しかも、魚雷にさらす敵影が一番大きいという ことは、許容誤差も大きく取れる。 で、そのタイミングを決めるのは敵艦の速度と魚雷の速度の比だ。 わかりやすく、たとえば1:1なら、これは頂角を90度とする二等辺 三角形ができあがるね。敵艦が前方から45度に見えたときに打ち出すんだ。B: うん、それはわかるけど。 A: 困ったことに、敵はそうやすやすと撃たれるはずもない。斜め前に つこうとする敵機が居るなら、回避運動をするんじゃないかな? 敵艦が回避運動をすれば射点を取り直す必要がある。この射点の 取り直しには速度が欲しい。敵艦の旋回のさらに外側を回り込んで いくわけだからね。射点を変えて、さらにもう一度敵進路に向き 直って・・・と考えると、80ノットでは頼りないなぁ。
回避運動を無視すると、予定していた射点に付く頃には敵艦は お尻を向けちゃう。なにせ襲撃側速度は魚雷の制限から80ktに 押さえられているわけだし。 B: 敵主力艦は速くて30kt前後。91式航空魚雷は43kt。お尻から撃っても なんとかなるんじゃ? A: なんとかなる?91式の魚雷射程がせいぜい2000m/43kt。航走時間は 2000mを43kt(=21.79m/s)で割って91秒。 敵艦の速度が30ktとすると、 700mで放たれた魚雷は相対速度13kt(=6.6m/s)で敵艦に近づく。700mを これで割って命中に要する時間が約106秒。つまり、命中前に魚雷は 止まってしまう。艦は逃げ切れちゃう。600mで撃ってようやくトン トンになるけど、90秒あればさらに方向を変えてかわせるかもね。 ちなみに、手元にある航空教範では120度より後ろからだと500m以内で 撃つべし、という簡単なイラスト図が有る。 さあ、敵対空砲射程が一万メートルとして、敵艦の対応時間を 考えてみよう。5000mまで敵艦が横腹を向けて相対速度80kt、 5000mから敵艦がお尻を向けて相対速度50ktになるとして。 B:5000mに踏み込むまで120秒、5000mから500mまで、177秒。計約五分だね・・・。 ・・・周囲の艦からも食らうだろうし、これだけ集中して浴びせられると、 投下する頃には対空砲火でミンチになってませんか? A: 航空雷撃無用論がこの時期海軍に出た理由の一つが、これだったんだ。 もっとも、複数機でかかって対空砲火を分散すれば何とかなると思うよ。 でも、異なる方向から息もつかせず連続肉薄雷撃をやると、味方同士衝突の 危険が増さないかな?小型機は間一髪でかわせるかもしれない、あるいは そもそもぶつかる率も低いだろうけど、大型機は? というわけで、大攻においては、肉薄雷撃をしなくても何とかなるなら、 その方が望ましいことはわかるだろ? B:だからって飛行艇とはね・・・。 A:穏やかな海面なら着水は余裕だろう。水メタかませば一式陸攻より 馬力荷重は有利になる。その上ビームローディングは0.7。 機体自体が重いから、97式よりも加速性以外は穏やかな特性になる ことは間違いなし。魚雷投下後は外洋で離水できる可能性が高い。 B:30ウン年後のPS-1かよ。時代を間違えるのもほどほどにしろよ。 A:だって、PS-1は2800馬力四発の11200馬力、23トン、こっちだって 魚雷投下後、燃料半減状態で2150馬力十発の21500馬力、48トン。 しかもこの時の月山の翼面荷重は連中の半分ぐらいだ。 数字上は十分可能じゃないか! B:馬力荷重2.23って、当時の戦闘機に匹敵するぞ...(唖然) A:PS/US-1が凄いのは「荒天下でも洋上離着水可能なこと」であるけれども、 当時の飛行機は荒天ならまともな長距離作戦自体ができないしねぇ。 B:...。そうだよな!カツオブシや波消し装置持つわけじゃないもんな! (ヤケクソ) A:まあ、着水しなくてもいいんだけどね。波に艇底が触っても飛行を 維持できるわけだから、機長は大胆に速度高度を下げられるはずだ。 超低空なら地面効果も期待できるし。 B:なるほど、外洋であっても投下の成算は十二分にあり。港湾襲撃 だけじゃないぞ、と。ところで、魚雷の照準はどうすんだ? A:当然、こんなので艦の運動に追従できるわけがなかですな。 水上艦の如く横向きに打ち出す。打ち出すと言っても、落射器だけど。 これなら機のヨー軸運動性は不要。タイミングを合わせるだけだ。
投下高度は10m有るか無いか、速度は艦船並み、なわけだから、 投下時の衝撃は無視できるだろう。そうなるとジャイロで方向を 修正して目標角度を維持できるね。航空魚雷は長さ方向に80ktがかかり、 着水衝撃を頭部の狭い範囲で受け止めるので相当強度で苦しんだ みたいだけど、艦船が甲板の上から横向きに打ち出す事での問題は 既に解決済みだからねぇ。 B:確かにそれなら雷撃可能だけどぉ・・・(頭痛がしてきた)・・・。 そいつで敵輪形陣を取り囲んで一機あたり4発の93式を投下するのか。 取り囲み方がなんだかまるで幌馬車包囲して喜ぶインディアンを 想像させるな。
A:妙なたとえ方を(苦笑)さて、これを作れなかったら富嶽は無いぜ。 あっちは5000馬力6発の30000馬力。 こっちは2150馬力10発の約21500馬力。 B:それもそうなんだけどね・・・。この軽さで作れるのか? B-36は翼面積443で、77トンだぞ? A:B-36は速度の要求も高いから頑丈に作る必要があったんだと思う。 XB-15なんか、翼面積258.3だけど、自重は17トン。翼面積440で 自重38トンは十分成立し得るだろう。 B:くそう、こんな化け物、存在可能なのかよ〜!!(嘆) A:いやー、しかし萌えますなぁ〜。爆撃にしたって大和主砲弾 並みの大型爆弾を編隊で一斉投下。甲板を抜かれて轟沈する サウスダコタ・・・。 B:しかもその大和主砲弾並みの徹甲弾を一機で6発だぁ? ほとんど戦艦じゃねぇか!! A:うん。だって、97式が大艇、2式が特艇だから、 その上を行くこいつのいい略称が無いんだよねぇ。 艇の上をいくなら艦だけど、この一斉投下の威力から言っても 「航空戦艦」で決まりでしょ! B:「決まりでしょ!」じゃねぇ、伊勢と日向の立場はどうなるんだ!! A:あ、そりゃ「戦艦空母」って呼ばれるに決まってるじゃねぇか。 B:飛んでもねぇ話だ。 A:でもこいつは飛ぶからねぇ。 B:訂正。全く持って飛んだ話だ。 A:まあ、さもなくばあれですな。97式が軽飛行艇と呼ばれて、 二式が中飛行艇と呼ばれるようになるんですな。 B:Bー36かよ。 A:月山はそれよりスパンが長いんだけど・・・。 B:......。やめろジョッカー!!(発狂) ......おあとがよろしいようで。 作者コメント 推算と勢いだけで作ってみました(笑) 富嶽を超える「幻のめい機」になることは間違いなし。 「めい機」の「めい」には好きな漢字を当ててください(爆) 改版履歴 ver 1.00 6/28 作成、送付。 ver 1.01 7/01 6/30オフで護水メタ噴射時の出力が過大と指摘され、 諸元計算直し。