昭和13年、海軍はすでに成功を収めた中型陸上攻撃機よりもさらに、攻撃力、航続距離の大きな大型陸上攻撃機を計画し中島
飛行機へ「十三試大型陸上攻撃機」の名称で試作を命じた。
海軍と中島は次期大型陸上攻撃機の設計参考用として、米ダグラス社製、DC−4旅客機に目を付け、本機を購入しようとした
のである。
しかし、後の情報収集によりDC−4旅客機がとんでもない失敗作であることが判明しこの計画は潰えるように思えた。
一方三菱重工では、その当時、十二試陸上攻撃機(後の一式陸上攻撃機)の設計を行っていた、しかし、近い将来、十二試陸上
攻撃機でも能力が不足するのではとの考えから三菱独自で四発大型陸上攻撃機の研究を行っていたのである、そこに絶好のチャ
ンスが訪れる、「十三試大型陸上攻撃機」が各社による競作になったのであった。
三菱は参加を表明したが、海軍内部から十二試陸上攻撃機(後の一式陸上攻撃機)へ影響が出かねないとの懸念が示されたが、
三菱の強い要請により参加が認められることとなった。
しかし、海軍の本機に対する要求は(海軍はいつもそうだが)過大な物であった。
作戦行動半径は2750q以上(航続距離:5500q以上)
速力247ノット以上(時速460キロ)
兵装搭載量3000s、又は航空魚雷2本以上
それに加え、強固な防御力と将来の改造を見込んだ発展余裕を持つことが要求されていた。
三菱はこの難題に総力を上げて取り込むことになる。基本設計が終了していたことと、設計段階で限界が見えていたこともあり
十二試陸上攻撃機チームより本庄技師を引き抜き、同技師を主務者とするチームを組み設計開発を開始したのである。
設計チームの初期構想では発動機6基を推進式に装備した長大な主翼を持った機体であったが、発動機の数、機体の大きさに
海軍側が難色をしめしたことにより設計のへんこうを迫られたのである。
三菱チームは昼夜を問わない突貫作業の末、新たな構想を海軍へ提出を行い海軍はこれを認めることとなる。
この時、提出された物が後の「十三試大型陸上攻撃機」正式採用名「二式陸上攻撃機<剣山>」である。
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三菱 十三試大型陸上攻撃機 試製<剣山> G5M1 |
諸 元:全 長 25.32m
全 副 36.57m
全 高 6.21m
乗 員 11名
発動機:名 称 護一一型
型 式 空冷複列星形14気筒
最大出力 1,870馬力
基 数 4
性 能:最高速度 542q/h
巡航速度 354q/h
実用上昇限度 10,200m
航続距離 8,400q(偵察任務時)
5,750q(攻撃任務時)
武 装:防御機銃 13o連装機銃 4(機体上面 2、機体下面 2)
13o単装機銃 2(前方 1、後方 1)
爆弾等 各種爆弾 50(合計重量:4,000sまで)
航空魚雷 3 (合計重量:4,000sまで)
機 体:十二試陸上攻撃機と似た葉巻型の胴体へ長大な主翼を備えた、オーソドックスな機体構成となっている。
唯一独創的なのが、脚の装備の仕方で胴体の前後に主脚を設け、四基あるエンジンナセルの内側二基に補助脚を設け
ると言う、日本航空界で初めての構造を取っている。
発動機:当初、自社開発の2500馬力級発動機(後のハ214)の搭載を予定していたが、海軍より中島製「護」で行くとの通達
により、これを採用している。「護」は当初予定していた物より出力が小さかったことから予定していた性能が出せなかっ
たようである。しかし、ハ214が搭載された<剣山>二一型以降では三菱が予定していた以上の性能をを記録することにな
る。
武 装:防御機銃として、前方、後方機銃として13o機銃が各1門、機体上面に13o連装砲塔が2基、機体下面に13o連装砲
塔が2基搭載されている、海軍側の要求としては側方に各1基の7.7o機銃が要求されていたが上面、下面に装備され
た可動砲塔によりカバーできるとの判断から装備されていない。
搭載爆弾は、通常の対地攻撃では、60s爆弾〜500s爆弾を合計4,000sまで搭載することが可能である。
対艦攻撃では、航空魚雷3発、又は800s爆弾4発を搭載することになる。ただし、一一型〜二一型までの機体では低空
での運動性能の低さから航空魚雷を搭載することはほとんどなかったようである。二二型以降では新たに開発された、四式
ロケット推進滑空誘導魚雷を搭載するための改造が加えられ1発の滑空魚雷を搭載することが出来た。
四式ロケット推進滑空誘導魚雷の説明は後半に行うことにする・・・
防 御:十二試陸上攻撃機では要求された航続距離を満たすため主翼のほとんどを燃料タンクとしていたことから被弾した場合、ほ
とんど助からないであろうと言われていた。十二試陸上攻撃機のことがあったため、<剣山>では出来うるかぎりの防弾措置
を施してある。主翼のほとんどが燃料タンクであるのは変わらないが、タンクにはセルフ・シーリングタンクを採用し、発
動機4基には自動消火装置を装備しているうえ、胴体主要部には20oの防弾板がはられており、この時期の機体としては
かなりの物であった。
<剣山>各型概略
・十三試大型陸上攻撃機 試製<剣山> G5M1
護11型を搭載。 試作数4機
・二式陸上攻撃機 <剣山>一一型 G5M2
護12型を搭載。 生産数54機。 後に二二型に準じた改造を受ける。
・二式陸上攻撃機 <剣山>一一型甲 G5M2a
計画のみ。試作、改造機なし。
・二式陸上攻撃機 <剣山>一一型乙 G5M2b
対水上索敵電探を装備。 生産数135機。 後に二二型に準じた改造を受ける。
・二式陸上攻撃機 <剣山>二一型 G5M3a
発動機を三菱ハ−214に換装。電探の換装。 生産数157機。 後に二二型ならびに三二型へ改造を受ける。
発動機換装により最高速度、作戦行動半径増大。
・二式陸上攻撃機 <剣山>二二型 G5M3b
爆弾倉の搭載方法を変更、あわせて滑空魚雷の搭載が可能になる。 生産数214機。
・二式陸上攻撃機 <剣山>二二型甲 G5M3c
機銃掃射型、<剣山>一一型からの改装。 改装数4機。 実戦配備されず。
・二式陸上攻撃機 <剣山>三一型 G5M4
計画のみ。試作、改造機なし。
・二式陸上攻撃機 <剣山>三二型 G5M4a
発動機を換装。電探の換装。生産数242機
発動機換装により最高速度増大。
<剣山>総生産数 806機
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四式ロケット推進滑空誘導魚雷一型
全 長 6.00m
全 幅 4.00m
全 高 1.38m
発 射 重 量 2.42トン
魚 雷 全 長 6.00m
魚 雷 口 径 53p
魚 雷 重 量 1.388トン
弾 頭 重 量 400s
滑空時誘導方式 無誘導
魚雷時誘導方式 2次元パッシブ音響ホーミング
滑空時推進方式 液体ロケット
魚雷時駆動方式 タービン(酸素魚雷)
射 程 30km(飛行距離20q、魚雷射程10q、雷速50ノット)
契 約 会 社 三菱名古屋研究所
「四式ロケット推進滑空誘導魚雷一型」は、現在で言うところの対艦ミサイルである。二式陸上攻撃機<剣山>は設計段階から低空で
の運動性が悪いだろうと言われており(実際悪いのだが)、対艦攻撃に対して800s徹甲弾だけでは大型艦に対して決定打にならな
い(命中率等・・・)ことから開発が開始された。
当初、ロケット推進式滑空無線誘導弾として開発が開始されたものは、目標から10q地点で発射、目標手前4qまで 母機で誘導
し命中させるという物であった。しかし、この時期アメリカ軍がVT信管(近接信管)の配備を始めたとの情報(実際に米軍がVT
信管の配備を始めるのはかなり先であったが)から母機を敵艦の4qまで接近させるのは自殺行為でしかなかった。
そこで、潜水艦に配備が始まったばかりの音響追尾魚雷に目を付けたのである。
「音響追尾魚雷を敵艦の近くに落としてやればいいのでは」この考えから「四式ロケット推進滑空誘導魚雷」の開発が始まった。
飛翔体と魚雷部と2チームに分けて開発が進められた。
魚雷部に関しては設計はすんなり進んだのだが、飛翔体でつまずくことになる。当初固体ロケットを使用し、最大速度650q/h射
程20qを目指していたのだが、速度は達成できたのだが、射程が達成できなかったのである、固体ロケットでは燃焼時間が短く推
進力を長く維持することが出来なかったのである。そこで、固体ロケットから液体ロケットへ方針変更を行い、苦心の末、要求性能
を満たす液体ロケットエンジンが完成したのである。(生産性は悪くなったのは言うまでもない)
次に問題になったのが、魚雷の切り離しのタイミングと、水面への突入時の衝撃であった。
魚雷の切り離しのタイミングは自動で行わせるのが難しいため、特別仕様(高空飛行仕様、排気タービン装備機)の<剣山>を敵艦隊上
空へ進入させておき、その機体からの無線指示によって行われることとなった。切り離しの指示がない場合、液体ロケットの燃料が
切れた時点で自動で魚雷が切り離されるように作られていた。
魚雷が水面へ突入時する時に生じる衝撃に関しては、いろいろと対策を取っては見た物の、全体の30%前後の魚雷が突入時の衝撃
によって機能不全を起こしてしまうが、この点については、現状70%の正常動作で納得するほかなかったようである。
四式ロケット滑空誘導魚雷は統計によると発射時にロケットの点火に失敗する等で、全体の10%が機能不全により自爆処理がなさ
れる、正常に作動した物も水面突入時の衝撃によりさらにその中の30%が機能不全により失われる、水面下への突入に成功した、
70%の内、敵艦をとらえることが出来る物はおおよそ30%と言われていた。発射数全体に占める敵艦を捉える魚雷の割合は実に
18.9%と言う高い確率を示した。この18.9%と言う数値は魚雷としては驚異的な命中率であり、48発を発射した場合、9発
が敵艦を捉えることを意味する。小艦隊であれば壊滅していておかしくない数値である。
<剣山>そして「4式ロケット滑空誘導魚雷」が戦争後期の厳しい時期の海軍対艦攻撃力の中核であったのは言うまでもない。
後に、第2次大戦中最良の対艦攻撃兵装と言われる「四式ロケット推進滑空誘導魚雷二型」へ進化していくことになるが・・・
この話はまたの機会にしたい・・・・
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制作者の戯れ言・・・・
今回はかなり焦りました・・・完成していた物に後書きを書こうとPCの電源を入れると立ち上がらないときたもんだ(^^;;;
何とかデータは救い出したが原因がわからない・・・最終的にグラフィックカードがお亡くなりになったようで(T_T)
ま、愚痴は置いておきまして、何とか完成に漕ぎ着けることが出来ました。
航続距離を優先するために低空性能を犠牲にした設定を書いてみました。それの埋め合わせとして四式ロケット推進滑空誘導魚雷を
投入してみました。
いい加減な設定とは思いますが、皆様に楽しんでいただけたなら幸いです。
誤字脱字はお許しくださいm(_'_)m
2001/06/30 JT
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