−概要−
近代の(?)国家では艦艇を含め兵器は軍がただ単に欲しいと言う
だけでは作れない。艦艇の建造する場合、軍備計画の策定から最後
の竣工・引渡しまで結構な数の段階があるしそれゆえそれ相応の時
間を必要とする。今回の軽巡の建造も例外ではなく、まずは軍令部
によって軍備計画を策定するところから始まる。
ワシントン条約の批准によって八八艦隊計画が廃棄された日本海
軍は戦艦同士の堂々の艦隊決戦と言う方針を修正する必要に迫られ、
条約型巡洋艦戦隊と水雷戦隊を中核にした夜襲部隊によって決戦前
夜に予め敵艦隊を消耗させてから戦艦部隊による昼間決戦に持ちこ
もう、と言う漸減作戦を考案した。訓練もかなり猛烈(危険)で、昭
和2年の大演習では駆逐艦1隻が沈没してしまうほどだった。また、
極めて画期的である特型駆逐艦も登場したことによって水雷戦隊の
戦力は著しく向上する傾向にあった。
しかし、特型駆逐艦の登場によって夜襲部隊の中核でもある水雷
戦隊はその戦力を一段と向上させたかに見えたがロンドン条約を批
准した為に特型駆逐艦の建造はそれ以後不可能になり、条約型巡洋
艦(重巡)も建造が進みつつある「高雄」型でその保有枠は満杯となっ
てしまう。
これは夜襲部隊の基本的な編成である重巡・水雷戦隊各1個のセッ
ト、計4個の整備が不可能になってしまったことを表す。水雷戦隊の
突入を支援すべき重巡が不足では漸減作戦の遂行が難しくなるのだ。
以上がロンドン条約の影響と言える。
言うまでも無いが日本海軍の仮想敵はアメリカ海軍である。
軍令部には重巡1個戦隊分の穴を埋める為の戦力として重巡並の戦
闘能力を持った大型軽巡の建造する、と言う考え方があるが重巡や
それに準じた軽巡の整備ばかりにまい進する海軍に疑問を抱く勢力
もいることは確かで、彼らの考えは漸減作戦の大幅な(?)修正を必
要とするものである。
あたらしい漸減作戦・夜襲編(仮)←(^^;)
・夜襲部隊の編制(最大)
旗艦:巡洋艦1隻
重巡戦隊:3個(12隻)
軽巡戦隊:2個(4隻乃至6隻)
重雷装艦戦隊:2個(4隻)
水雷戦隊:4個(軽巡4隻、駆逐艦48隻乃至64隻)
・戦術
1、日没前に発進した水偵は敵艦隊の位置を常に艦隊に知らせ、
戦闘時は場合によっては吊光弾の投下を行う。
2、夜襲部隊と敵艦隊とが接触すると重雷装艦戦隊は先行して
敵艦隊を両側から雷撃を敢行し、後続部隊の突撃路を確保
する。
3、重・軽巡戦隊は重雷装艦の魚雷が敵艦隊に到達後すぐに突
撃して水雷戦隊の突撃を支援する。
4、水雷戦隊は重・軽巡戦隊に後続して適宜応戦しつつ敵主力
艦を雷撃する。
5、夜襲部隊の指揮は各戦隊から独立した艦が務める。
・戦技
いろいろ(爆)
画期的と言うか注目すべきは旗艦を戦隊から独立した艦が務める
事と重雷装艦の存在と言ったところか…。
旗艦の巡洋艦は、文字通り旗艦任務の遂行の特化した艦で、旗艦
を含めて最大で90隻近くが参加する夜戦部隊を常に指揮官が把握で
きるように大掛かりな司令部設備と通信設備を併せ持つ。
敵艦隊にいの一番に突撃する重雷装艦はその強力な雷装で敵艦隊
に強引に穴を開けるのが目的だが、これは条約によってアメリカ海
軍より劣勢になる事が確定したの重巡を賄うものである。
その他、軽巡・水雷戦隊については新型の「7,000トン」型が中核
となり、若干の「5,500トン」型が軽巡戦隊として戦闘に加わる。軽
巡戦隊は重巡戦隊の戦闘を補佐するのが目的である。
上記の構想に必要と思われる艦艇の概要については艦政本部との
協議の結果、下のように暫定的にだが決定されている。
−仮称「7,000トン」型−
要目
基準排水量:7,075t 全長:170.5m 全幅:16.0m 吃水:5.8m
速力:35.5kt 出力:110,000馬力 航続距離:18ktで6,000浬
武装:50口径14cm連装砲4基、40口径12.7cm連装高角砲4基、
機銃2基以上、61cm3連装魚雷発射管4基、水偵2機乃至3機
同型艦:5隻
一言で言ってしまえば正統派の軽巡である。また、「5,500トン
」型の実質的な後継でもある。その為に武装は大幅に強化・合理
化されているし、指揮・通信能力も向上している。
主砲は従来の50口径三年式14サンチ砲の連装タイプだが砲室を
大きくして操作性の向上を図ると共に機力装填装置の追加も検討
されている。なお、最大仰角は55度。
14サンチ砲を採用した理由は15サンチクラスの砲より重量面で
有利である点が大きく、威力に関しても駆逐艦程度なら問題は無
い、と判断された為である。
武装で最も進んだのは雷装と対空兵装と言えるかもしれない。
魚雷発射管は新造時の「妙高」や建造が進みつつある「高雄」型を凌
駕するほどもので、これは日本海軍で最強クラスと言える。対空
兵装も新型の八九式12.7サンチ連装高角砲4基の搭載を予定して
十分な効果を得られると考えられている。
−仮称「8,500トン」型−
要目
基準排水量:8,500t 全長:190.5m 全幅:18.0m 吃水:6.0m
速力:36.0kt 出力146,000馬力 航続距離:18ktで8,000浬
武装:60口径15.5cm3連装砲3基、40口径12.7cm連装高角砲4基、
機銃4基以上、61cm3連装魚雷発射管2基、水偵11機
同型艦:なし
世界でも例を見ない(?)艦隊旗艦専用巡洋艦。多数の艦艇と水
偵が参加する夜戦を戦いながら指揮するのは効率的ではない、直
接戦闘せずに指揮官は隷下の部隊を指揮するのに専念できるよう
な艦が必要である。と、言う発想から考え出されたもので既に書
いたようにその司令部設備・通信設備は大掛かりである。仮称「7
,000トン」型をも凌駕する指揮・通信能力は連合艦隊の旗艦となっ
ても十分に機能できるほどのものであるとされる。
本艦の武装は目立って強力と言うわけではない。自衛を念頭に
置いた武装だし第一、通信設備及び司令部設備、更には艦後部の
スペースの殆どを水偵の為に割いたから武装を強力にする余地は
あまり無いのだが…。とにかく、この点からも本艦が艦隊の統一
指揮を最優先にしていると言う事がわかる。
艦隊の指揮は戦闘海域から少し離れたところから行い、情報は
隷下の艦艇や水偵からのもので賄う。特に直接戦闘を行わない水
偵を重視する方針である。
指揮官率先の海軍の考え方に矛盾はするが旗艦が沈没、と言う
悪夢のようなシナリオが発生する可能性は大幅に低下する。
−重雷装艦−
要目
基準排水量:7,000t 全長:162.15m 全幅:17.0m 吃水:5.1m
速力:32.0kt 出力:90,000馬力 航続距離:14ktで5,000浬
武装:50口径14cm単装砲4基、61cm魚雷3連装発射艦10基
同型艦:初期型4隻を改装
アメリカ海軍に対する重巡の劣勢を強引にひっくり返す為の裏
ワザ(爆)。文字通り搭載する魚雷は半端ではなく、その量を持っ
て敵護衛艦群をあっという間にぶっ潰す(笑)。
「5,500トン」型の初期型である「球磨」型を4隻改装する構想で、
それ自体は割と単純なものである。ただ、大量の魚雷と発射管が
必要でこれらの増産は魚雷開発のメッカである呉海軍工廠に任す
しかない。
−コメント−
普通の軽巡を作りたいが為に発想は暴走気味、飛躍的になってし
まいました。
別に何がそうかは言いませんが(爆)、優秀なレーダーでも無い限
り完全に統制するのは無理、とか酸素魚雷が使えない限りあれは自
殺行為だとか思われそうですが作成した当の私は面白かったのでそ
れはそれで良いわけです(笑)。
あと、仮称「7,000トン」型のモデルはイギリスの「リアンダー」級
です。外見と言うよりはその“軽巡らしさ”に倣ったつもりです。
ええ、「つもり」です(^^;)。
この試案では軽巡にしか触れなかったので駆逐艦の話でも…。
駆逐艦は史実と同様で航洋能力だけは特型並の中型駆逐艦を整備
していく方針です。と、言うか史実とまったく同じでいきます。
注意:本文では艦載機を一律に水偵と表現しました。
(2001年9月30日)
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