5600t級軽巡洋艦試案

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全長152.0m 兵装50口径四一式152mm連装砲3基
全幅15.2m 45口径八九式127mm連装高角砲2基
基準排水量5660t 九二式610mm4連装魚雷発射管1基
軸馬力90000hp 九三式13mm連装機銃2基
速力35kt
航続力18kt/6000浬 (C)Amagi

優秀なる艦艇の建造、これは実に金がかかります。 これは、緻密な設計や工作によるものが中心です。 特に軍縮条約下、植民地の護衛を主とするイギリスを除く各国は制限の枠ギリギリの所まで絞って艦艇を建造しています。 いきおい工作は精巧さを求められ、専用の部品をわざわざ設計、製作して使用されます。 んですから結果的には建造単価が排水量の割りに高くつく事となります。 しかしながら、高くつくのを放置するわけにも行きません。 なにしろ、予算は限られているですから。 つまり、良いフネは高く、だがケチるとそれだけ他に比べてアラが出る。 当然と言えば当然ですが、やはり買う方にしてみれば《良いもの安く》が一番なんですよね。

と、言うワケでこの予算と性能のジレンマを解決すべく、非公式にある研究会が結成されたのです。 その名わっ!
《優秀な艦艇を安価に短期間に建造するための研究会》
───まんまやん

まぁ、シンプル・イズ・ベストっつーコトで。 この研究会は、重巡《妙高》及び《高雄》型の建造を機会に日夜研究、検討を重ねました。 そして、ある結論に至るのです。それこそ!
《同型艦を連続的に大量建造するのが良い》

───まぁ、大量生産すれば単価は安くなるっつーのは商売の基本ですナ。

さて、研究会がこんな結論に達した頃。 軍縮条約による重巡洋艦保有枠が埋まって、軽巡洋艦の枠内での建造に取りかかるに際して艦政本部では案を募集していました。 そこで研究会はお題目を体現した艦を計画し、これに応募したのです。

その案とは排水量5660トンの水雷戦隊指揮用軽巡計画でした。 軽巡と言えば、この頃日本の近代軽巡の先駆けとなった《天竜》が艦齢20年に達しようとしており、 この計画による艦艇が就役する頃には《球磨》型も同様に20年を迎えようとしている頃でもありました。 艦艇は大体15年で一線を退き、25年で予備役に入り、30年で廃艦となります。 すなわち、帝国海軍の花形たる水雷戦隊の旗艦がまもなく予備役前のボロばっかりとなりつつあったのです。 それを踏まえて水雷戦隊旗艦となる新たな艦艇を計画したのです。 これなら排水量も手頃で《大量生産》のお題目にもちっとは適う、と踏んだワケです。

原案として挙げられた様々な形態から選ばれたのが、主砲に戦艦《金剛》の副砲である四一式6インチ砲を連装として3基搭載し、 魚雷発射管は艦中心線上に4連装1基を搭載するというものでした。 もちろん、これは両舷に振り向けることが出来、さらに予備魚雷四本も搭載されています。 これらを排水量5660トンの船体に搭載。 90000馬力の出力をもって35ktで走らせるのです。

なお、軍縮条約における軽巡の整備可能な枠は5万飛んで955トン。 一方、この5600トン型を九隻建造すると5万飛んで940トン。 現状の軽巡保有は18隻、9隻と言うとその半数を置換える事が出来ます。 軽巡洋艦は帝国海軍の花形たる水雷戦隊のボス。 漸減戦遂行のための要。 そこを強化して漸減戦をより効率的に実行し、来るべき艦隊決戦を有利に遂行する。 さらに、大量生産による経験はただ艦を建造する以上の経験を造船界にもたらし、 有事においては艦艇を大量建造する足がかりとなる。

そぅ、研究会の応募した計画案は単に艦艇を増備するに留まらず、 造船界までも巻きこんで生産効率の向上までも図ってしまおうと言う一石二鳥な計画だったのです。


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