
−要目− 基準排水量:100t 全長:22.0m 全幅:6.0m 吃水:2.0m 速力:10kt 発動機:中速400馬力 航続距離:10ktで800浬(5ktでは6400浬←たぶん…) 兵装:乗員の人数分の小火器、他はお好み(凡例)25mm単装機銃2基、 爆雷6発、 乗員:15名程度 −概要− 参謀本部がシンガポール攻略の計画(すなわち南方攻略の計画)に着 手したのは昭和15年の8月の事だった。当時はまだアメリカやその他 の国々と開戦するかどうかという問題はかなり微妙で、戦争を始める と言う意識は当の参謀達も持っているとは言い難い面もあった。 しかし、仏印進駐によってアメリカの態度が急速に硬化していたの は確かだった。 そう言う状況で検討された南方攻略計画は、攻略の手順はもちろん の事、占領維持の方法も考えられていた。 警備には陸海共に適当な兵力が必要で、特に海上についてはどのよ うな脅威があるのかを検討しないと警備艇の大きさ、装備などを決め られない為にじっくり(?)話し合われた。 想定される脅威の対象 ・潜水艦 ・魚雷艇などの小型艦艇 ・スパイ及びスパイ船 ・敵性ゲリラ 主な警備の対象 ・占領地域の沿岸海域 ・占領地域の港湾 ・占領地域の沿岸を航行する艦船 参謀本部および軍令部はこれらの諸条件から警備艇の排水量は100t 以下、備砲は6.1インチ以下として艦政本部に警備艇の設計を命じ、 陸軍は艦政本部に人員を出向させて海軍と協同で開発を始めた。 警備艇の行動期間は標準で4,5日、長くて1週間前後と言う前提で居 住性(正確には食糧や消耗品の標準搭載量)や航続距離を設定した。航 続距離は燃料補給なしでも何回か哨戒につく事が出来るが、日本から の自力航行も一応考慮されての結果であった。 幾ら低速で航行する警備艇と言えども半日も走らないうちに外洋に 出てしまうので船体の耐波性を確保する為に船体は鋼製で船首・船尾 共にシアーを強くした。 もっとも、これは航続距離と同じく日本で建造した警備艇を南方に 自力航行させる事も考えられているのだが…。 なお、現地で建造する際には木製が殆どだと考えられるが、鋼製よ り耐久力が劣ると予想される。 兵装、これが無いと戦えないわけだが、この警備艇に関しては余り 兵装には拘らなかった。むしろ行動能力や通信能力に配慮されている。 発見してしまえばあとはどうにでも料理できる。味方を呼んで集団 で袋叩きにするのも良いし、単独で撃沈できればそうする。或いはそ のまま監視することもあるだろう。いずれにせよ、発見さえしてしま えば大抵はこっちの勝ちである。 発動機は陸軍でも扱えるものと言う事でいろいろ揉めたが結局、中 速400馬力に落ちついた。調達が容易で中々の出力を発揮すると言うの が採用の理由だった。最大でも大発程度を扱う陸軍の船舶工兵にとっ ては高出力だろうが、陸軍でもこの程度の発動機は扱ったことがある (高速艇(甲)神風は450馬力の発動機を使用)ので十分扱えると考えられ た。 この警備艇は地上部隊の輸送も可能である。収容能力は短時間の輸 送なら大発以上で、更に長時間、長距離を移動する場合は警備艇は有 用である。ただ、大発のように車輌や重火器を運ぶのには向かない。 設備があれば出来るのだが…。 このように開発が進んでいた警備艇だが、昭和16年12月8日に始まっ た太平洋戦争はその開発に影響を与えた。 シンガポール攻略の大詰めであるジョホール渡河の戦訓により渡河 や上陸の援護もその用途に加えられようとした。作戦を妨害する魚雷 艇の撃破や敵地上部隊への攻撃、さらに障害物の除去である。これは 警備艇でなくても他から転用できるのだが、船体の大きさから強力な 戦力になりそうだと思われ、考慮される事になった。兵装は最大で山 砲程度なら運用が可能と考えられた。 しかし、これらの考えは参謀本部や軍令部の考えで、艦政本部のス タッフは吃水が深めの警備艇では水深の浅い海岸付近や河川での運用 には注意が必要と水を差した。 その辺の問題は兎も角、警備艇の運用の幅は広がりそうである。 艦政本部で警備艇の設計が進む中、参謀本部と軍令部では三つの問 題について話されていた。建制・建造・資材の調達である。 建制に関しては陸軍は南方の占領地域を警備する部隊は南方軍直属 とし、それとは別に各師団の工兵連隊に配備するものもある。海軍は 各警備隊に配置される事に決まった。 警備艇は量産が決まれば主に民間の造船所で建造されるが、兵装の 儀装は陸海軍一括して最寄りの海軍工廠が担当する事となった。陸軍 独自の装備は予め工廠に持ち込んで工事を行う。 最後に、資材の調達は陸軍と海軍は自分が必要とする分を時前で用 意する事になった。建造を全体的に統括する事は無い。 警備艇(試作)は昭和17年5月に竣工した。 −コメント− 明けましておめでとうございます。 え〜、今回は慌てて制作したので人に見せるのはちょっと…なんで すがお許しを(笑)。 イラストの船橋の前についているのは探照灯です。何もないので描 いてみました。 もう時間が圧してるのでこの辺で…(^^;) (2001年1月5日) |