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ネジゾーリ技師は考えた。一体、この要求仕様をいかにして満足させるべきかと。 まったく、偵察機に戦闘機の能力をも持たせようとはどういう意地悪なのだ。軽くてしかるべき偵察機に、その反対の用途をも兼務させようとは。 しかし、グチを言っても始まらない。すでに要求仕様は出てしまっているのだ。 とりあえず、頑丈で軽くするためには何を置いても無駄を排除せねばならない。そうなると、フロートなどという無用の長物を付けるわけにはいかない。もちろん飛行艇型というものは、エンジンナセルを別に取りつける必要があるせいで、空気抵抗時にはむしろフロート型よりは分が悪いだろう。しかし、重要なのは重量なのだ。そのくらいは目をつぶるしかあるまい。 次に、いかにして良好な視界を確保するかだ。偵察員席を機首に持ってくるか? いやいや、コイツは同時に戦闘機なのだ。そんなことをすればパイロットの視界が遮られ、大幅な戦闘能力の低下を来たす。視界が良好であるべきは、パイロットもまた同じなのだ。 すなわち操縦席は胴体前端となる。そうなると偵察員席は胴体後部に置くしかないが、いかにも後部胴体と尾翼が邪魔だ。 両席の視界を確保する意味からも、重量物をより重心近くに配置する意味からも、エンジンは両席の間に搭載すべきだろう。そうなると、やはり後部胴体と尾翼の処理だ・・・。 うん、双胴式はどうだろう。下方はもちろん、水平尾翼を高く配置すれば後方視界も確保できる。 ・・・いや、だめだ。それでは左右を見渡せない。水平線の彼方も偵察すべき場所なのだ。そう、側方、下方、後方の視界が重要なのだ。 ・・・側方、下方、後方!?・・・そうか! そこでネジゾーリ技師は、鉛筆を手に取ると目の前の紙に向かって一心不乱にラフスケッチを描き始めたのだった。 全幅 10.75m 全長 8.87m 全備重量 2,200kg 最大速度 270km/h エンジン ピアッジオ P.X.R. 空冷単列星型9気筒 700馬力 武装 前方固定7.7mm機銃×2、後方旋回7.7mm機銃×1 乗員 2名 |