
−要目− 全長・・・・6.6m(車体)、8.79m(砲込み) 全幅・・・・2.9m 全高・・・・3.1m 重量・・・・35t 発動機・・・九八式4ストロークV型12気筒液冷ガソリン機関(550馬力) 最高速度・・45km/h(路上) 航続距離・・250km(路上) 装甲厚・・・ 前面 側面 後面 上面 下面 砲塔 100(60) 50(60) 50(60) 20(20) 車体上部 100(45) 35(60) 35(45) 20(0) 車体下部 75(45) 35(90) 35(80) 20(0) *単位はミリ、括弧内は角度 兵装・・・・(主砲)四式10糎戦車砲1門(徹甲弾20発、榴弾20発) (副武装1)九八式20粍高射機関砲1門(1200発) (副武装2)九七式7.7粍車載機銃1丁(2700発) 乗員・・・・5名 −概要− 昭和18年6月に開発が決まった次期中戦車の要求性能はこれまでの中戦車とは 一線を隔するものだった。 戦車の開発方針を転換した日本陸軍はそれまでの中途半端な戦車から対戦車 戦闘を主目的とした(日本陸軍としては)大重量で強武装の中戦車を作ることと なった。 運用 チリと言う名の秘匿名称を割り当てられたこの新型中戦車は105mm砲を搭載す る極めて強力な戦車だが如何せん量産が始まってから数が揃うまで時間が掛か る。数が揃うまで時間が掛かるのである。 そこで、連隊本部と5個中隊が基幹である戦車連隊の連隊本部と第1中隊をチ リで構成し、第2から第4中隊にそれまで開発を進めていたチトの武装を強化し たものか従来の中戦車を割り当てる事で生産数の低さを賄う事になった。ちな みに、第5中隊には砲戦車を配置する。 さて、このような編制の戦車連隊は第1中隊を戦闘に脇を第2から第4中隊が側 面を固めて前進する。行く手を阻むものはまずチリの洗礼を受けるのだ。 以上のように突撃の先鋒を務めるのが当面のチリの運用方法である。いずれ はチリのみで編成された戦車連隊が創設されるであろう。 全体 チリの外観は今までの日本戦車とは違うイメージがある。砲塔の上にある車 長用のキューポラには機関砲が備え付けられているのが最も目にとまりやすい。 後は、装甲の傾斜が従来より大きいといったところか…。いずれにせよこれ までとは違うタイプの戦車ではある。 105mmの主砲や分厚い装甲の重みに耐えられるだけの強度や良好な機動力を発 揮する事を車体に求められた。基本的にチトのものを大型化・強化した車体は それらの期待に応じられると考えられている。 火力 防御力を増しつつある最近の戦車。その装甲を打ち破るにはやはり強力な砲 ・砲弾をこちらも用意するほかない。チリには初速に優れ、生産数も14年式10 糎加濃砲(或いは14年式10糎高射砲)より多い九二式10糎加濃砲を改良して搭載 する事になった。 この九二式10糎加濃砲は砲架の強度にイマイチ問題があるが概ね優秀な砲で ある。 しかし、後座長1600mmはマズイ。戦車で取り扱うには無理がある。 そこで登場するのがマズルブレーキ(砲口制退器)である。これで後座長1120 mm前後になる。これでもまだまだだが1600よりはマシだ。 こうして戦車砲に改造された九二式10糎加濃砲は四式10糎戦車砲と名づけら れた。 さて、例え砲の性能が良いとしても敵戦車を破壊するのは砲弾である。砲弾 の性能が…なら当然…だ。ノモハン事件時にBTに命中したはずの砲弾が跳ね返 されたと言う証言があるが、使用した砲弾が…なだけに当然の結果であった。 そこで、ノモハン事件の翌年の昭和15年にそれまでの普通の徹甲弾とは別に 被帽付徹甲弾の研究が始まったが、弾体を強化した(らしい)一式徹甲弾(75mmの 高射砲に使用)の登場で研究はストップしかかった。しかし、いつまでも普通の 徹甲弾ばかり使っていると必要以上に口径や初速に頼らざるを得ない(しかもフ ランス式の設計の砲を採用してしまったので内筒換装が出来ない。殆どの場合、 初速が速いと砲身寿命は短い)のは目に見えていたので研究は続行された。 当初は37mm〜75mmの各種の砲の為に研究されていたが、105mm以上の砲も戦車 砲や対戦車砲として注目され始めたこともあって105mm以上の砲にも対応する事 となった。 そして、昭和19年の始めに四式被帽付徹甲弾が誕生した。 副武装は九八式20粍高射機関砲で、これは360度旋回が出来るようにしたキュ ーポラに搭載される。これは待ち伏せを意識したものである。 1発の威力や射程は37mm〜57mm砲に劣るが、威力は多数を投射する事で賄える し、射程も照準可能距離を考えると致命的な問題とはなり得ない。 なお、射界はオリジナルと同じく仰角85度まで、俯角5度までである。 さらに特筆すべき点として、日本戦車では始めて砲塔バスケット方式を採用 した事が挙げられる。これで砲塔が旋回するたびに乗員も移動しなければなら なかった頃より遥かに乗員の負担は軽減するだろう。 防御力 高性能な砲・砲弾が使用されるとどうしても防御力を上げる必要がある。 敵の攻撃に耐られえなければその火力や機動力を発揮する事は難しい。 そう言うわけで前面装甲は100mm。これはティーガー1やパンターに匹敵する。 装甲には圧延均質装甲鋼鈑を使用する。決して軟鉄など使うつもりはない。 予定では…。 砲塔は鋳造ではなく溶接で組み立てられる。しかし、キューポラのみは鋳造 でいく。鋳造を全く採用しなかったら提案者の面目が潰れるからである(苦笑)。 もっとも、キューポラくらいの大きさならなんとかなる見込みがあるし、今 後の事も考えると鋳造は考慮した方が良いと判断された事もあるが…。 更に特徴を挙げると従来の戦車よりも装甲を傾斜を増している点である。こ れは被弾径始を狙ったものだが、どの程度効果があるかは不明である(笑)。 ただ、チハの頃のように僅かな傾斜で(自軍の)小口径弾を弾き返せるような 時代ではなくなっているのは確かである。 機動力 最近の戦車は高速化が進みつつある。特にソ連のT34などはかなり速いらし いとの情報が伝わっている。 戦闘で主導権を握るにはどうしても良好な機動力を確保する必要があった。 発動機の九八式4ストロークV型12気筒液冷ガソリン機関は文字通りガソリン エンジンである。ガソリンエンジンは日本戦車の伝統(そんなものあるのか?) に反するが大重量の戦車を高速で機動させるには高出力のエンジンが必要で、 チトのエンジンでは少し出力が小さいと判断された為に手っ取り早い方法とし て航空機用のガソリンエンジンを採用したのである。出力重量比はディーゼル よりも有利で燃費も決定的な差は無い。燃えやすさも装甲が装甲の役割を果た せずに吹き飛ばされる日本戦車と火炎瓶で炎上させられるBTと比較する事は出 来ない。 懸架装置は従来のシーソー式サスペンションで、他の方法を研究していない 以上、この重量では不利なのは承知しているが仕方なかった。 また、操行装置には油圧サーボを利用して操作を補助する。 最後に、覆体の接地長は4.5m、幅は50cmで接地圧は0.777…kg/cuである。 縁起を担いだとも言われるが全くの偶然である(本当です)。 影響 この戦車の開発によって影響をモロに受けるのは工兵科かもしれない。 ハッキリ言って可哀想だ(笑)。 渡河器材から戦車回収車までいろいろな装備をチリに合わさなければならな いからである。強化しなければならない道路や橋も多いはず…。これには相当 な時間と労力を必要とするだろう。 輸送船で運ぶ際にはデリックの能力がチリを吊り上げるほどの能力が無いも のが圧倒的多数なので当面は砲塔と車体を別々に吊り上げて輸送船に乗せたり 輸送船から降ろしたりする。 −コメント− 明けましておめでとうございます。 え〜、今回はいつも以上に荒れています(笑)。何故ならいつも以上に付け 焼刃な知識で作っているからです。そう言うわけであちこちのサイトや本に書 いてることは大方信じてます。すると、なんと矛盾する点が少しですが出てく るんですよね。これには困りました(笑)。 被帽付徹甲弾は口径は違うものの、海はできるのに陸が出来ない道理はない との考えででっち上げました。貫徹能力の差ですが、装甲の傾斜がない場合は あまりり差はでないと思いますが傾斜があれば“火葬砲弾”の方が有利です。 実戦では垂直に弾丸が命中するなんてまずあり得ないでしょうから…(笑)。 出来ればドイツ並に低抵抗被帽付徹甲弾が欲しいと思ったりもしますが、日 本陸軍にそれを望むのは酷ですし、第一時間がありません。ここは被帽付徹甲 弾で妥協します。 それと、APC(被帽付徹甲弾)、APCBC(低抵抗被帽付徹甲弾)などと記号を使う と何が何だか分からなくなるのは私だけでしょうか?(汗) 最後に、この火葬戦車を製作するに当たってアドバイスやコメントをしてく ださった皆様、ありがとうございました。 (2001年1月5日) |