マッケンゼン級巡洋戦艦

O級もどき

要目

基準排水量:25,000t
満載排水量:30,000t
全長   :228.0m
全幅   :29.0m
機関出力 :150,000馬力
最大速度 :33kt
航続距離 :17ktで7,800浬
兵装
 主砲  :38cm  連装×3基
 高角砲 :10.5cm 連装×9基
 魚雷  :53.3cm 4連装×2基
射出機  :1基
航空機  :3機
同型艦6隻
 マッケンゼン(Mackensen)、デアフリンガー(Derfflinger)、モルトケ(Moltke)、
 シュリーフェン(Schlieffen)、ビューロウ(Bulow)、ヨルク(York)


Z計画におけるO級巡洋戦艦。
当初、シャルンホルストの簡易改良量産型として計画された本級は、
その用途と満載排水量30,000t以内という要求仕様により、設計を一新されることとなる。
外見的にはシャルンホルスト級とビスマルク級を足して2.5で割ったような、
あるいは水で薄めたような艦形といわれている。

漫然と排水量が増えていったシャルンホルスト級の反省から、軽量化に非常な努力を払っている。
電気溶接はいうに及ばず、早期に戦力を拡充する為もあって、
船体そのものの小型化及び構造の簡略化をはかるなど、
従来のドイツの大型艦とは異なる試みがなされている。

主砲は、36cm砲という案もあったが、主力のH級戦艦用に40cm砲を開発していたこともあり、
こちらでの新規開発は見送られ、ビスマルクと同じ38cm砲を使用している。
また、軽量化の為、副砲まで廃し、その分高射砲を少し多め搭載している。

機関は速度の要求性能からタービンに決定された。
ディーゼルとタービンの併用という案もあったが、複数の機関を搭載することの
(生産性、整備性も含めた)煩雑さを考慮してタービンで統一されている。
その為航続距離は短くなり、不満の声もあったが、
その用途に通商破壊戦は重視されていなかった為、それでよしとされた経緯がある。

防御は排水量の制限の為か、かなり削られたようである。
重量と空間を使う従来の多重化防御構造をあっさりと捨て去り、
防御範囲も従来のドイツ艦と比べるとかなり範囲が狭くなっており、(60%程度)
所謂集中防御方式にといっていいものとなっている。
装甲は側舷180mm@20度の傾斜装甲、甲板150mm、主砲塔前楯250mm、天蓋180mm。
弾薬庫及び機関部まわりのみ1インチ程度の装甲が張られているともいわれるが、
これは装甲というより少し丈夫な構造材程度のものであり、実質は上記の数値といってよい。

攻撃力に特化し防御力を極限した(ちと大袈裟)、ドイツ艦らしくない
(ある意味一般的なともいえる)巡洋戦艦である。
主力であるH級の構造が従来通りでさらに装甲厚が増していたりするので、
やはりこれは小さく軽くという制約からきたものなのだろう。
そして、やはり小さく纏め過ぎたきらいがあり、
若干復元性や安定性に問題があるのではないかとも言われている。


H:ということで、我が友邦独逸の巡洋戦艦なわけだが、   まず、外見的にはO級もどきだな。 S:少し細身で一回り小さい印象というところでしょうか。 H:満載排水量で30,000tだからな。シャルンホルストが基準排水量で32,000t。   かなり装甲の薄い(本来の)O級は一回り大きいけど基準で30,000tくらい。 S:シャルンホルストは公称26,000tということになっていましたから、それに近いですね。 H:条約で押さえられてるならシラをきればいいけど(註 良くありません)、   海軍からの要求ではそうもいかんだろうからな。小さくならざるを得ない。 S:一応、Z計画におけるO級巡洋戦艦という位置付けですね。 H:あくまで大艦隊による艦隊決戦支援戦力としてのものだな。 S:用途として「敵艦隊誘致、牽制、遊撃、決戦時の主力支援」とありますから、   巡洋戦艦部隊を先行させ、遭遇した敵(イギリス)艦隊を主力の戦艦隊におびき寄せ、   合同で挟撃するという基本方針によるものということでしょうか。 H:そうだなあ。で、それをやろうとしたジェットランドでは、低速の主力が追随できずに、   巡洋戦艦同士の滅茶苦茶な殴り合いになったわけだけど… S:それに対しては、主力部隊もある程度高速化することで対応できると考えられています。 H:で、敵が主力とやりあってるうちに速度にものを言わせて回り込んで後ろからバッサリと。 S:なにやら少々セコイ気がしますが。 H:このクラスでまともに戦艦クラスと殴りあうのは無理があるから、しょうがないだろ。 S:いろいろと、不満が出そうですが。 H:例えば? S:航続距離が短い、副砲が無い、特に防御力が… H:そうなんだけど、所詮は満載30,000tのフネでしかないし、   艦隊決戦支援戦力なんで通商破壊用途とかはあまり考えてないし、   排水量抑えたから、航続距離が短いのはしょうがないだろ。   そっちは装甲艦とかの2線級の戦力をあてればいいし。 S:通商破壊戦を重視するならUボートを量産した方が効率的ですね。 H:あえてZ計画を選択したんだから、まともにロイヤルネイビーとやりあう為に   必要なものを考えたわけだろうな。 S:用途から考えて、貧弱過ぎませんか? H:まあ、いろいろあるんだろうな。早く数を揃えたいとか、主力に力入れるのは当然としても、   囮に使う巡戦部隊はそんなに手間も金もかけたくないとか…   主砲もありものしか使ってないしな。 S:…貧乏ということですか? H:ぐっ、…ミもフタも無い言い方をすれば、そうとも…   いずれにしろ5、6年はイギリスと戦争しないという前提の計画らしいけどな。 S:セコイわりに悠長ですね。 H:…でだ、巡洋戦艦だから速度を落とすわけにはいかないだろ。   大きさを制限されたら、攻撃力か防御力を落とすしかない。   戦艦より遅かったら支援できないし、敵と会った時も逃げられないから、   優先順位として速度を一番高くしたわけだな。 S:まともに戦艦と戦うだけの力が無いので、つかまらないだけの速度は必要だと? H:そう、だから戦艦クラスに会ったら逃げる。   っていうか、適当に距離を置いて主力の方に誘い込む。 S:それが本来の役割ですね。 H:フッド、レナウン、レパルスあたりには数で優勢を保つってことも不可能じゃないし。   ちなみにシャルンホルスト級も主砲を38cm砲に換装する計画があって、用途はこっちに入る。 S:いずれも38cm砲6門の巡洋戦艦ということになりますね。 H:個人的には大型艦の主砲は6門はちと少ないと思うんだけどね。   バランス的には連装4基8門か3連装3基9門あたりがちょうどいいんじゃないかと。   今回はまあしょうがないけど。   で、巡洋艦なら蹴散らせばいいし、駆逐艦には高射砲で対応する。 S:副砲がありませんでしたね。 H:そこが辛いとこだけど装甲の無い駆逐艦にはむしろ   発射速度の速い高射砲で対応した方が効果的かもしれんし。 S:航空機に対してはどうなのでしょう? H:…あまり考えて無いみたいだな。一応高射砲の数は多いけど。 S:しかし、大英帝国がこの計画を黙って見ているとも思えませんが。 H:そりゃそうだろーな。当然ライオン級とか建造してくるだろ。   そしたらあとはH級がどこまで頑張れるかってことだわな。 H:ここからはまあ、余談だな。 S:…ここから? H:…何が言いたい? S:いえ。どうぞお続けください。 H:…いいけどな。   この計画ではマッケンゼン級6隻にシャルンホルスト級2隻で巡洋戦艦が8隻。   戦艦がビスマルク級2隻とH級6隻で8隻… S:八八艦隊ですね。 H:だあっ! ひとが言おうと思ってたことをっ! S:…誰でも思い付くと思われますが。 H:実は今回、36cm3連装2基を前部に搭載したダンケルクもどきという案もあったんだ。 S:何故それにはならなかったのでしょう? H:そりゃあ、やっぱりダンケルクもどきだからだろう。   ドイツ艦としてはフランス艦の真似なんかできるかという… S:…よく、わかりません。 H:そういうものだよ。 S:独逸の大型艦の艦形は、識別をし難くする為に基本的に似たような   艦形にしているということだそうですが。 H:ああ、マッケンゼン級も見た目は独逸の大型艦そのままだし。   勿論その為にわざと似た艦形にしているわけだ。わざとな。 S:… H:言いたいことがあるなら言え。 S:…いえ、別に。 H:何故目をそらす。 S:一つ気になったのですが、独逸海軍に対する評価はあまり高くないのですか? H:そんなことはないぞ。少なくとも戦艦のかっこよさにかけては独逸の右に出るものはいない。 S:それは意味のあることなのでしょうか? H:大事だろう。ある意味一番大事だとも言える。 S:…そういうものですか。 H:ただな、ロイヤルネイビーは帝国海軍の師でもあるってだけだ。 S:…複雑です。
追補 Z計画における主要艦 シャルンホルスト級 主砲をビスマルク級と同じ38cm砲に換装。 連装3基でマッケンゼン級と同じになっている。 バルバロッサ級装甲艦 基準排水量:18,900t 全長:203.5m 最大幅:24.5m 出力:108,000hp 最大速度33kt 航続距離19kt@12,500浬 武装:主砲 28cm3連装砲×2  副砲 15cm連装×2、単装×4、高角砲10.5cm連装×6  魚雷 53.3cm 4連装×2 搭載機:水上偵察機2機 同型艦3隻 バルバロッサ(Barbarossa)、ブリュンヒルド(Brunnhilde)、フレイヤ(Freya) 当初、P級装甲艦として計画されていたもので、 O級巡洋戦艦と統合され、一時は計画が消滅したものの、 正面戦力の拡充とともに二線級戦力の整備の必要性から再び浮上した。 基本的にはポケット戦艦の拡大型で、特に速度と防御力を強化したものであり、 シャルンホルストの原計画に近いともいえる。 水線150mm、甲板100mm。 主砲の28cm3連装砲塔は、シャルンホルスト級が主砲を38cmに換装した際に 余剰となったものを流用している。2隻分6基が、そのまま3隻分に使われたわけだ。 H級戦艦 Z計画における主力艦として6隻が計画されていた。 40cm砲8門、55,000t級のビスマルクをそのままスケールアップしたような艦だが、 このクラスは2隻のみとして、残り4隻はさら強力な次のK級に計画が変更されることとなる。 K級(H41級) H級の発展型。42cm砲8門、70,000t級。 いずれにしろこの6隻の詳細ははっきりしていない為、艦名もやや確実性に欠ける。 フリードリヒ・デア・グロッセ、(グロース・ドイッチェラント改め)デア・フリート・ランデル ヒンデンブルク、ルーデンドルフ、ファルケンハイン、ヴァレンシュタイン