ノースアメリカン NA-79 試作艦上戦闘機

正面/上面図(9K) 側面図(3K)
NA-79 三面図(改修後)

側面図(3K)
原型機 NA-73(比較用)

側面図(5K)
NA-79 試作一号機 海軍納入時塗装

ノースアメリカン NA-79 試作艦上戦闘機 緒元
エンジンライト R-2600-8 空冷 14 気筒(1700hp)+排気タービン
武装ブローニング M2 12.7mm 機銃 4挺(装弾数各 240 発)
最大速度615Km/h (高度 6100m)
上昇力高度 20000ft(約 6100m)まで 8 分
航続距離1050Km(標準) 2700Km(最大)
乗員一名
翼幅8.2m
全長9.2m
全高2.6m
重量3,210Kg(乾燥) 3,920Kg(全備)

The beginning

「紳士諸君、仕事だぞ!」

 1940 年 9 月。のちに P-51「ムスタング」となる NA-73 戦闘機が奇跡的な 102 日の開発スケジュールを終え、工場からロールアウトした直後の話だった。鷹のように鋭い風貌と情熱的な弁舌で知られた鬼社長ジェームス・キンデルバーガーが、数枚の書類を手に颯爽とノースアメリカン社・戦闘機開発スタッフの前に現れたのは。

「ボス、仕事なら充分すぎるくらいありますぜ。」

 開発主任エドガー・シュミットは顎の無精髭を撫でながら呟いた。

「そんな事はわかってる。だが今度は輸出用なんかじゃない、発注元はUSネイヴィーだ!」
「勘弁してくださいよボス、まさか艦戦でも作れって言うんじゃないでしょうね。」
「勘がいいなエド、その通りだ。ヴォートが大ポカをやらかしたんで慌てたネイヴィーが代用戦闘機を求めている。考えても見ろ、我社の戦闘機がUSのマークを付けてナチとジャップの連中を叩きのめすんだ。これが男のロマンでなくて何だろうか!」

 情熱家のキンデルバーガーはバンと机を叩くと、しばし熱い空想に耽っているようだった。シュミットは煙草を灰皿に揉み消して溜め息を吐く。

「正直に言いますがボス、うちのチームは疲れてるんです。それに NA-73 の開発はまだ終わってないんですよ、ネイヴィーの戦闘機なんてグラマンかカーチスに任せときゃいいじゃないですか。」
「エド、君は設計者としては優秀だがビジネスマンとしては失格だな。」
「有り難いお言葉で。」
「なに、そんなに難しく考える必要はないんだ。この仕様なら空力やパーツの殆どは NA-73 から流用できる筈だ、ちょいとエンジンと主翼をすげ換えるだけでいい。」
「簡単に言わないでくださいよ、第一 NA-73 はまだエンジン待ちで初飛行だって済ませてないんですぜ。」
「アリソンがエンジンを調達するまでやる事がないんだろ、暇潰しに丁度いいじゃないか。」
「エンジンが届くのは明日なのか一ヶ月後なのかわからないんですよ?それに俺達だって暇を持て余してる訳じゃないんです。」

 ぶつくさ言いながら、それでも彼は書類を受け取ってざっと見渡した。最高速度 380 マイル/時、航続距離 1000 マイル…海里だから換算で 1200 陸マイル程度か?武装 Cal.50 x 4 以上…ふん、NA-73 が設計通りの性能を発揮すれば達成できる筈のスペックだな。エンジンは指定の機種を使うべし…何?何だって?ライト R-2600 だと?!

「ボス。悪いこと言いませんから、この仕事は降りましょう。」
「何だ、何が問題だ。エンジンか?カーチスが似た様なことやってるじゃないか。」
「あれは順序が逆で空冷が先じゃないですか、水冷エンジンの機体にラジアルを積み替えるなんて聞いたことがありません。」
「だから、君が世界で最初にそれをやり遂げるんだ。」
「言うのは簡単ですが、成功する保証はありませんぜ?」
「君は NA-73 を完成させる前にもそう言っていたよな。」
「ボス、奇跡ってのは滅多に起きないから『奇跡』って言うんです。」
「私は奇跡など信じておらんさ。」
 そう言ってキンデルバーガーは笑う。
「私が信じているのは君と、君達設計チームの実力だ。」

 結局また言いくるめられてしまったな…キンデルバーガーが去ったあと、シュミットは苦々しい思いで書類を見つめた。

「…スティーブ、ちょっとライト社のカタログ持って来てくれ、R-2600 の奴だ。あぁ NA-62 設計チームの所に資料がある筈だ、概略寸法だけでいい。あとスタッフで手の空いてる連中が居たら僕の部屋に集めてくれ。」

 資料が届くまでの間、適当な紙に鉛筆で NA-73 のラフスケッチを描いてみる。この機体を 120 日で作るという話も相当な無茶だったが、今度の話もそれに負けず劣らず無茶である。NA-73 の胴体幅はアリソン V-1710 に合わせて 2.6 フィート(約 80cm)に絞ってあるのだ。R-2600 の寸法がどうだったか覚えていないが、直径 4 フィート(約 120cm)以上は優にある筈だ…。

 シュミットの部屋に手空きのスタッフが集まったころ、漸くエンジンの資料が届いた。概寸だけで良いと言ったのに、どこでどう間違ったのやら正式な仕様書を探していたらしい。分厚いバンダーをペラペラめくって寸法のコーナーを探す…直径 4.6 フィート(約 140cm)。その数値を目にしてスタッフの間から溜息が漏れる。胴体左右に1フィート(約 30cm)もの隙間が空いてしまうではないか。試しにシュミットの描いたラフスケッチにエンジンの寸法を重ねると、あのスマートな NA-73 はオタマジャクシのような頭でっかちの姿に変貌した。

寸法合わせ 5Kb
NA-73 と R-2600 エンジンの寸法

「やっぱり…。」
「無茶ですよ、こんなの。」

 シュミットは肩をすくめて見せた。全く、キンデルバーガー社長も飛行機設計の基礎はわかっている癖に、何でこんな仕事など持ち込んで来たのだろう?

「とにかく、推定性能だけでも試算して提出しよう。」

 ライト R-2600-8 はカタログ値で離昇 1700hp、NA-73 に搭載予定のアリソン V-1710-39 は離昇 1150hp なので出力は 50% ちかく増加することになる。しかしもともと爆撃機用の低高度向けセッティングなので二段二速過給器ながら全開高度はわずか 15000ft(4500m)、一段一速過給器の V-1710 と大差ない。

「海軍は伝統的に低空性能を重視する…んだったよな?」
「しかし、グラマンの F4F では高々度性能も重視していたぞ。」
「今回の仕様に高度性能が明記されていないのは奇怪だな、好きに作れってことか?」
「だが本命ヴォート F4U に搭載予定の R-2800-8 全開高度は 25000ft 付近だ…。15000 じゃ幾ら何でも駄目だろうな。」
「ライト社に掛け合って過給器セッティング変えて貰うわけには行かないか?」
「試作はしてくれるだろうが、量産には間に合うまい…忘れるな、このプロジェクトはあくまで『つなぎ』なんだ。愚図愚図している内に F4U が実用化されれば契約はパーになっちまう。」

 あくまで断る理由として空力性能推算をやるつもりだったのだが、やはり皆生粋の飛行機屋である。「空冷 NA-73」に関する議論は知らず知らずの内に白熱し、時計の針が過ぎてゆくのもいつしか忘れていた。

 翌朝、キンデルバーガーのオフィスに眠い目をこすりながら立つシュミットの姿があった。

「やれば出来るじゃないか。」
「あくまで概算です、艦上化に伴う脚や胴体の強化、主翼折り畳みによる重量増加も考慮していません。その性能が出る保証はありませんよ。」

推定性能NA-73(V-1710-39)R-2600-8+タービン換装
乾燥重量6278lbs(2848Kg)6911lbs(3135Kg)
全備重量7965lbs(3613Kg)8477lbs(3845kg)
最高速度390mph(628Km/h)385mph(620Km/h)
上昇性能20000ft/11min 20000ft/7.5min

「やはり排気タービンを使ったな、そう来ると思っていた。」
「儀装側で最適高度を選択できるのは大きな魅力です。ただウチは殆どタービンを扱った経験がないのがネックですね、思わぬ落とし穴があるかも知れません。」
「必要ならベルかロッキードあたりからヘッドハントしてもいいさ。…速度はもう少し何とかならんかな。」
「それでもだいぶ甘く計算してるんです。それ以上細かいデータは風洞にかけてみないと出てきません。」

 シュミットは「頭でっかち」のラフスケッチをキンデルバーガーに見せながら言葉を続けた。

「ここです、カウリングと胴体側面に 1 フィートの隙間が開きます、ここをどうやって処理して剥離を防ぐかが性能を出す鍵です。推算では前面面積しか考慮していません、乱流が起きれば大幅に下回る速度しか出ないでしょう。」
「…思ったより手強そうだな。」
「だから言ったでしょう、止めるなら今の内ですぜ。」
「誰が止めるものか、私の辞書に不可能はない。」
「残念ですがボス、私の辞書は不可能だらけです。物理法則をねじ曲げることはできませんからね。」
「構わんさ、私は君を信じているからな。」

 ノースアメリカン社初の艦上戦闘機開発プロジェクトは NA-79 の開発コードを与えられ、かのようにいい加減な経緯を経てここに発足したのだった…。


The design

 第一の難関は、大直径の R-2600 を如何にして NA-73 の胴体にフィットさせるかという問題だった。なるべく現設計のパーツを利用する建前上大幅な改設計はできず、前部胴体を円筒形に広げてカウリングにつなげてゆくしかないが、その広げ加減が難しい。風洞実験ではプロペラ後流やエンジン冷却排気の影響までは再現できず、最適形状を得ることの困難さが予想された。

 カウリングは R-2600 のシリンダヘッドをギリギリにクリアする円筒形、ただし下面は「逆さ洋ナシ」状に膨れオイルクーラーとインタークーラーが収められている。カウリング前部はなるべく絞り、大型スピナを付け抵抗削減を図った。推力線の低下と馬力吸収のため、プロペラは三翅 11.2 フィート(3.4m)から幅広の四翅 10.9 フィート(3.3m)に換装されている。

 後部胴体のラジエターは取り外され、胴体下面に排気タービンが新設された。エンジン排気は胴体左右1本づつの集合管にまとめられ、胴体側面のフィレット部分を通ってジェネラル・エレクトリック製の排気タービンに送られる。タービン過給気は胴体左右側面から取り入れ、4本の並列昇圧管でコクピット床下を通って前方で2本に収束、機首下面左右のインタークーラーを通過後機首側面を通ってキャブレター直前で1本に集合する。

内部構造 4Kb
NA-79 動力系配置図
ライト R-2600-8 エンジン
排気系統
吸気系統
インタークーラー
オイルクーラー

 主翼は NA-73 と同じ空力形状を流用したものの、折り畳み機構導入のため構造を全面的に再設計する必要があった。主脚のすぐ外側に分割ラインを設け油圧で上方に折り曲げるようにしたが、この機構を収めるために内翼部の燃料タンクは若干縮小され、外翼部の機銃は外側に移動した。フラップは折り畳みラインで分割され4ピースとなり、着艦時の低速操縦性確保のためエルロンの翼舷長を増やして増積された。その結果、主翼に関して NA-73 と共通化できるパーツは殆ど無くなってしまった。

 燃料タンクは原形 NA-73 の 92 ガロン(350l)から 87 ガロン(330l)に減少し、燃費の悪化もあって増槽未使用時の航続距離は 750 マイル(1200Km)から 650 マイル(1050Km)に低下した。しかし両翼に 125 ガロン(470l)増槽を付ければ 1700 マイル(2700Km)は確保できるので、航続距離の要求は余裕でクリアできる筈だった。

 垂直・水平尾翼の形状は NA-73 と同じである。しかし低速時の操縦性向上のためエレベーターは翼舷長を増して増積された。また尾輪後方には引き込み式着艦フックが装着され、着艦の衝撃に耐えるため脚・後部胴体に構造補強が行われた。

 前部胴体と主翼は全面再設計、後部胴体と尾翼も改造が入り、結局 NA-73 からそのまま流用できるパーツは 20% 未満にしかならなかった。しかし翼型や尾翼の空力検証についてある程度データが流用できたのは開発機関短縮に多少役立った。また 10 月に待望のエンジンが届いて飛行テストを開始した NA-73 には目立った欠陥もなく、ほぼ原設計のまま量産に移行できたのはシュミット達にとって何よりの朗報だった。


War goes on

 1941 年 12 月 8 日、日本軍の奇襲によってアメリカ太平洋艦隊が瞬時に壊滅したというニュースは全米を衝撃に陥れた。ルーズベルト大統領は即座に日独伊枢軸同盟に対し宣戦布告、アメリカ合衆国は慌ただしく臨戦態勢に突入する。大西洋と太平洋、ふたつの大海原を挟んだ前代未聞の二正面戦争で何より必要なのは海軍力であり、そして航空母艦を中心とする機動部隊が制海権を左右する事は日本軍が鮮やかな手口で見せ付たばかりだ。米海軍はその全力を挙げて機動部隊の編成に取り掛かる。

 だが海軍最大の失敗は双発のグラマン XF5F に過剰な期待を抱き、同社をその開発に専念させ現用艦戦 F4F の後継機開発を怠ったことだった。太平洋戦線からは謎の強敵ゼロ・ファイターの猛威が悲痛なニュースとともに伝えられている。海軍の F4F や ブルースター F2A も、陸軍のベル P-39 やカーチス P-40 も、英軍の新鋭スピットファイヤーすらゼロファイターには歯が立たず一方的に叩き落とされているという…。
 新鋭機ヴォート F4U は 1942 年になってもトラブル解決の見込みが立っていない。F4F の性能向上型 F4F-4 の生産は遅れており、しかも防弾・武装強化と折り畳み翼の採用による重量増加のため飛行性能は却って低下する恐れがあるという。かくして来るべき機動部隊決戦を目指す米海軍にとり、高性能新鋭艦戦の調達は最大優先事項となったのだ。

 シュミット率いる NA-79 開発チームにも海軍から矢の催促が相次いだが、この頃 NA-73 の量産型 NA-83 および NA-91 は援英機材「マスタング Mk.I」として量産ラインが流れ始めており、米陸軍航空隊もその性能に着目し「P-51」として一部をテスト採用、その低空性能を活かした急降下爆撃機型(のちの A-36)の開発も打診されていた。キンデルバーガー社長は「祖国存亡の危機に全力を持って応えることこそ飛行機屋の本概である」と意気盛んであったが、ろくに自宅にも帰れない日が続くシュミット達には堪らなかった。

「こんな事になるとわかっていたら、タービン搭載や主翼の再設計などやらずに首のすげ換えだけをやった方が良かったな。」

 深夜の設計室でシュミットはひとりごちた。もしかするとエンジンだってアリソンのまま、NA-73 に着艦フックを付けるだけでも良かったかも知れない。ゼロファイターの性能が如何なるものか知らないが、少なくとも F4F や F2A にひけを取ることはないだろう。格納スペースについても、現用の F4F-3 だって主翼折り畳みできないのだから大差はあるまい。だが、NA-79 の初飛行が3週間後に迫った今となってはもう手遅れだ。


The flight test

 1942 年 2 月 15 日、NA-79 は晴れの初飛行を迎えた。排気タービン特有の押し殺したような爆音を轟かせ、脚を出したまま飛行場を旋回する頭でっかちなオレンジ色の機影を、シュミット達はほっとしたような表情で見守っていた。

正面/上面図(9K) 側面図(3K)
NA-79 三面図(改修前)

側面図(4K)
NA-79 試作一号機 初飛行時塗装

「視界が悪いな、タキシング中はほとんど前が見えん。」

 NA社のテストパイロット、ヴァンス・ブリーズは初飛行終了後にまずそう語った。

「それとコクピット内は凄い暑さだ、換気システムは見直したほうがいい。エンジン冷却にも問題あるんじゃないか?短い飛行だったが筒温と油温は上がりっ放しだった。」

 果たせるかな、その後のテスト飛行では深刻な冷却不良が顕在化した。スピナーを外し、プロペラ基部にカフスを付けて強制冷却を行い、排気管集合部に放熱スリットを設け、通気経路の引き回しにも再検討を加えて漸く過熱問題は落ち着いた。次は視界問題である。試乗した海軍のテストパイロットはヴォート F4U よりマシだがと前置きした上で、「だが俺ならこれで空母に降りる気はしないな」と語った。また NA-73 譲りの横開きキャノピーは着水沈没時に水圧で開かなくなる恐れがあるとの由。視界向上も兼ね、実験中だったスライド式バブルキャノピーが装着された。これら対策を加えた NA-79 はますます原型とかけ離れ、フランス製 MB.152 かオランダ製 FK.58 に似た無骨なスタイルとなり果てた。

「弄れば弄るほどカーチスに似てゆくな。」

 キンデルバーガーがぽつりと漏らした台詞だったが、かつての名門・カーチスの凋落ぶりを知るシュミットにとって、これ以上痛烈な皮肉はなかったろう。

 改修後の NA-79 は速度 382mph(615Km/h)、20000ft(6100m) までの上昇時間 8 分とほぼ予定通りの性能を見せた。操縦性は NA-73 譲りだったが舵面増積によって高速時の舵が重くなり、さりとて低速時の運動性はさほど改善されておらず、特に低速で舵のよく利く F4F に慣れた海軍パイロットの評価はあまり芳しくなかった。またガバナー最適化の不備もあってタービンの応答が悪く、空戦機動中に激しくスロットルを操作すると過回転やバックファイヤを起こす事もあり、動力系のチューニングにはまだ時間がかかりそうだった。

 視界については「着艦できない事もない」とぎりぎりの及第点を貰ったが、現状より 8 インチ(約 20cm) 座席の高さを持ち上げるのが望ましく、できれば水滴風防化することで後方視界も改善されたし、という要望が付いた。また戦訓によれば 12.7mm 機銃四挺では火力不足であり、六挺に火力強化する事が望ましいとも。他にも速度は要求を満たしているがもっと速いに越したことはないとか、主翼下の増槽ラックには 500 ポンド爆弾の搭載能力も持たせたい、新兵器ロケット弾の搭載はできないか、等々…。

 勿論NA社にはそんな大改造をやっている暇はない、第一そんなに手を加えている内にヴォート F4U が実用化できてしまうではないか。ピンチヒッターを求めている割には注文が多いな、とシュミットは苦々しい思いを抱いていた。そんなに万能機が欲しいなら陸軍向けの A-36 に着艦フックでも付ければ間に合うんじゃないか?一体何の為に労力を払って空冷エンジン換装なんてやったのだろう。

 評価担当の海軍大佐とキンデルバーガー社長の大激論を聞きながら、シュミットはもうどうでも良い気分になっていた。技術屋としてやるべき事はやった、採用の可否は軍人なりビジネスマンなりが決めればいい。今はただ、ゆっくり眠る時間が欲しかった。


作者からのコメント

 どうせ既存機改造だから、と軽い気持ちで始めたのが間違いでした。P-51 の脚は胴体下面に食い込んで収容されるので、F6F や P-47 みたいなやり方でエンジン直径をクリアできないんですね…。アゴ型のオイルクーラーとインタークーラーはあまり効率よくない筈です。まぁ色んな意味で「でっちあげ」ですから細かいツッコミは勘弁してください…オイラもゆっくり眠りたい。

文・画とも Copyright by Y.Sasaki 2002 04/01