※ビニール袋はかぶらないで下さい。
※接着剤を使う時は窓を開け換気に気をつけましょう。

ブリュースターXF4A-1バックギャモン
BREWSTER XF4A-1 BACKGAMMON


全長   :  9.82m
全幅   : 10.80m
自重   : 3,980kg
発動機  : ライトR-2600 空冷複列星型14気筒
最高速度 : 582km/h
航続距離 : 1,600km
武装   : 12.7ミリ機銃×4
乗員   : 1名

解説

バックギャモンは1940年9月・アメリカ海軍発令で開発中のヴォートXF4Uのバックアップ(うまくいかなかったときの代わり)を目的としてブリュースターが開発した艦上戦闘機です。
正しくはXF4A-1といいます。Xとは「試作機(ためしに作ってみた機体)」の意味です。バックギャモンはのちに輸出版につけられた商品名です。

アメリカ海軍は当時ヴォートにXF4Uという機体の開発を命じてました(後のコルセアです)。しかしそれは大変冒険的な機体だったので、もしかしたらうまくいかないかもしれませんでした。そこでアメリカ海軍はほかの会社に信用のあるライトR-2600 空冷複列星型14気筒エンジンを使った戦闘機の開発を命じて、万が一に備えました。
そこで開発されたのがこの機体です。この頃ブリュースターは自分達が造ったF2Aバッファローに大変自信を持ってましたので、最初はこの計画にはあまり本気にはなっていませんでした。ところが翌年に太平洋戦争がはじまるとバッファローがまるで日本軍に歯が立たないことがわかりました。すぐにバッファローの注文は止まってしまいました。ブリュースターは大変困ってしまいました。なんとしても失った信頼を取り戻さなければいけません。

そこでこの計画でいい機体を作って信用を取り戻そうとしました。ただブリュースターはXF4Uがうまくいった場合ライセンスで作ることが決まってましたので機体番号は4になったのです(当時アメリカ海軍は会社ごとに番号を振ってました。)

ブリュースターは基本的にはバッファローの設計に間違いはなかったと思ってました。ただ、エンジンが非力だったのと機体が重いわりには防弾が不十分だったからやられたのだと思いました。
そこでブリュースターはコクピットの周りを10mmの装甲版で作った筒のような胴体にしてこの中に大事なものすべてをつめ、胴体後ろや翼はすべて鋼管でできた骨組みに羽布を張ったものにして軽量化を図ろうとしました。速度を出すために主翼は片方の長さが約4.5mと大変短いものでした。
これは当時軍艦などで使われた集中防御という考え方をヒントにしたといわれています。ただしエンジンまで装甲で覆うと大変重くなるためエンジンの回りは薄いカウリングで覆われているだけです。またコクピットより前の部分も薄いアルミ板で覆われてました。ここには潤滑油タンクなどが収められました。座席の後ろ側には厚い防弾ガラスをはめてその後ろ側も窓にして視界を広くしようとしてました。
主翼も全部羽布張りなので燃料タンクは最も防御力に高いコクピットの内部に置かれました。それだけでは航続距離が足りなくなるので翼の胴体よりの位置に左右に2個の増槽タンクをつけてました。バッファローの時にあった特徴的な下方窓はパイロットから評判が良くなかったので採用されてません。
翼には4丁の12.7ミリ機銃が収められプロペラの外側から撃てるようにしました。機銃は骨組みにねじ止めされました。翼の形には楕円テーパー翼が採用され、その位置は中翼となりました。また空母にたくさん搭載できるように翼はフラップのすぐ外側から折りたためるようになってました。ただしF6Fのように後ろにたたむものでなく単純に上に曲がるもので操作は人力でした。
主輪はバッファローで使われた胴体に収め翼の一部を使うものが不評だったので直接胴体に収めるものにしました。
プロペラはハミルトン定速3翅で大きなスピンナーがついてました。

このようにしてできたバックギャモンでしたが、結果はあまり芳しいものではありませんでした。
最高速度は582kmにとどまり運動性も鈍重でした。海軍は、速度不足、運動性不良、航続距離不足、着陸速度過多、機体強度不十分で武装は貧弱と評価しました。
要するに全部駄目です。
これは鋼管構造で強度を持たせるためには思ったより重量がかかること、重心位置にあまりにも重量を集中したのと中翼の採用で安定性が高すぎる、事翼面荷重が高すぎる事などが原因でした。
またパイロットから見てガソリンタンクに囲まれたコクピットは大変不気味で不安なものでした。
こうしてバックギャモンはアメリカ海軍には正式に採用されませんでした。

しかし、世界の中にはブリュースターの新型機と聞いただけで目の色を変えて欲しがる物好きなパイロットがたくさんいる国が一つだけありました。
北欧の森と湖の国フィンランドです。彼等はまるで某ゲーム会社のソフトの愛好家が新作や限定グッズ情報をつかんだ時のように狂喜乱舞すると共に、もし手に入らなかったらと激しい焦燥感(あせっていらいらすること。いらだつこと。)を感じました。
彼等はバックギャモンを手に入れるため合法非合法は問わず、ありとあらゆる手練をくだし、努力し、何とか手に入れようとしました。もし、前日から徹夜した挙句、炎天下6時間並べば手に入るといわれたら、平気で並んだでしょう。
このようなフィンランドの熱心なブリュースター愛好家達は別名「ブリッ子」(Brewster kid)と呼ばれました。戦後に『あんな寸胴な飛行機のどこがいいんだ』と発言した航空評論家がフィンランドから殺到する抗議の手紙や電報で大変困ったというエピソードがあるほど彼等はブリュースターの機体を愛してました。
彼等は政治、外交は元より個人的友好や脅迫、賄賂を含め、ありとあらゆるコネクションを動員してバックギャモンを入手しました。それは以下のルートでフィンランドに届きました。
まずアメリカから中立国のトルコにバックギャモン練習機として輸出されました。そこで輸送中船ごと事故ですべて失ったことにして足跡を消し、分解して列車で複数のルートでエストニアのタリンまで運び、そこでまた組み立てられ後はフィンランドまで飛んでいきました。
このようにしてフィンランドに入ったバックギャモンはフィンランド軍で大事に使用され、ソ連軍相手にそこそこの活躍をしました。


組み立て方

まずは表と照らし合わせて部品が全部入っているか確認してください・・・・・

以下略

作者たわごと

光あるところに影がある。 まこと傑作機の影に数知れぬ駄作機の姿があった。傑作機を作るつもりで駄作機を作ってしまったメーカー達。 だが人よ名を問うなかれ。闇に生まれ闇に消える、それが駄作機の定めなのだ。

エーというわけで島風高雄です(^^;;。今回は何故か一生懸命駄作機を考えてしまいました。理屈そのものは以前から考えていた集中防御型戦闘機です。被弾して困るのはパイロットと燃料タンク。ならそれをまとめて防御区画にしてしまえ。そして他の部分は軽くする。防御部分以外を羽布張りにして軽量化したすれば?しかし考え込んでいくうちにどうしたってうまくいかない。よほどうまく工芸品みたいに作らないと駄目でしょう。
あらためて金属モノコックでこの配備を実現したフォケウルフの凄さを思い知らされます。しかし何かの機会にこのアイディアを絵にしてみたく思ってたところ今回の試作がありましたのでバックアップとして闇に消えた飛行機として描いて見ました。
そして駄作機と言ったらこのメーカーしかない!としてブリュ−スター社の登場となり、フィンランドのエピソードまで暴走してしまいました。(^^;;

船を二隻描いた後で図面的なメカの描き方に限界を感じてましたので、今回はいつもの人物画と同じ手法フリーハンドで鉛筆で書き、スキャナで取り込んで、パスでペン入れし、あとはエアブラシツールでゴリゴリ塗るやり方にもどってみました。
質感を増す為に50%グレーで雲模様を作って乗算で下色の上に重ねてみました。パイロットと国籍マークはプラモデルの写真から流用しました。
全体的に丸っこいF4Fみたいなデザインになってしまったなぁ。もっと太目のほうがブリュ−スターっぽいかな?もし評判が良かったら幸運の青いスワスチカをつけたフィンランド塗装版も描いて見ようかな(^^)(たぶん駄作機では評判いまいちでしょうけど)

それではご意見ご批判のほどよろしくお願いします
2002.4.3
島風高雄