1940年9月、米海軍は以下の仕様で戦闘機の要求を提示した。
| 機種 | 艦上戦闘機 |
| 最大速度 | 611km/h以上 |
| 航続距離 | 1800km以上 |
| 武装 | 前方固定12.7mm×4以上 |
| 発動機 | ライトR-2600 空冷複列星型14気筒 |
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特記事項 (1) 発動機は上記のものを厳守。 (2) 本機は現在開発中のヴォートXF4Uのバックアップを目的とする。 (3) ヴォート社はXF4Uに、グラマン社はXF5Fに専念し、参加自粛のこと。 | |
世界情勢がキナ臭くなってくる中、欧州戦線の戦訓はF4FやF2Aといった戦闘機では明らかに能力が不足していることを物語っていた。そして同時に、R2800発動機の開発問題、アリソン発動機の供給問題、F4Uの開発のスケジュールの問題も触れ、「一刻も早くR2600を搭載した一流の艦戦」が必要であることを訴えたのである。
だが、この特記事項に一人だけケチを付けた男がいた。いわずと知れたロイ・グラマンである。
「XF5Fの初飛行はエイプリルフールに済ませているし、そこで見つかった不具合も7月の改修で順調に仕上がっている。なんでほぼ開発の終わった機体の為に新規商談を自粛せにゃならんのだ」
だが、軍隊というのはお役所でもあることを忘れてはならない。下された決定は以下の様なものだった。「グラマン社がF5F開発陣にノイズを与えるような行為を禁ずる」
これも妙な話で、開発主務者のシュエンドラーはF5Fの初飛行の一週間後には受注したTBFの設計に入っていたのである。海軍自身がF5F開発陣に専念を不可能にしていたのだ。軍の矛盾に満ちた横槍に腹を立てたロイ・グラマンと総支配人ジェイク・スワーブルは絶対にベスペイジのF5F開発陣にノイズの入り様のない所に設計室を用意した。・・・ご近所のファーミングディルにある、リパブリック社工場の一室を借りて設計を開始したのである。
このことは情報が他社に漏れかねないというリスクはあったが、それ以上のメリットをシュエンドラーにもたらした。
長距離戦闘機なので、アスペクト比はF4Fの5.48やF4Uの5.36よりも高い値に設定する。さりとて高くすると横転性が低下するため既存の値とあまりにかけ離れた値を採用することは危険であり、仮の値として5.8を採用する。
巡航時の燃費を0.22kg/hp/hourと仮決定すると、アスペクト比5.8から求まるおおよその揚抗比と突き合わせて、必要な燃料重量比率は約0.14〜0.15程度と求まる。他の要素がF4Fと同等の比率で収まったとすると、約4.3トン程度の機体になる。
F4Fが1200馬力で3.7トンだから、馬力荷重約3.1。対するにこの仮称F6Fは4.5トン1700馬力として馬力荷重2.64であるから、翼面荷重180台でも問題ない離艦能力を持つだろう。もしターボが調達できなかった場合でもそれなりの速力を確保するためには翼面積はギリギリまで削りたい。そのギリギリの翼面積は24という値であり、F4Fよりも小さい翼を選定した結果、機械式過給器を使った場合でも排気推力を使って最高速力570km/hは確保できる見通しだった。
翼面積を削減した上にアスペクト比を高くした結果、翼内スペースが不足気味であり、脚柱の長さを減らすため低翼が選ばれている。脚を内側に折り畳むと中央部を通る排気管と干渉するため、F4Uと同様に約90度捻りながら後方に引き込む。折り畳みもF4F,TBFでおなじみの捻りながら後方に折り畳む方式である。
F4Fでは545リットルの胴体内タンクが全てだったが、この戦闘機は推算では800リットル前後搭載しなければ満たせない。これはF4Fの五割増ではあるが、これは今までの操縦席真下のタンクに加え、内翼にタンクを増設することによって十分対応可能としている。
排気タービンはP-47と同じく後部胴体にインタークーラーと共に置かれる。これにより高度7000mまで1700馬力を維持し、計算上の最大速力は700km/hに達する。
コクピットから伸びた背びれと、ほぼ楕円形の後部胴体断面との間に生じる隙間をタービン吸気口としている点がデザイン上ちょっとした面白さを与えている。
| 全幅 | 11.8m |
|---|---|
| 全長 | 10m |
| 翼面積 | 24m^2 |
| 自重 | 3.29t |
| 全備重量 | 4.5t |
| エンジン | ライト・サイクロン・ターボ R2600-8-1 1700hp |
| プロペラ | TBM/TBFと同じく、直径3.99m三翅 |
| 燃料搭載量 | 胴体内、もしくは内翼内タンクに合計約800リットル |
| 武装 | 外翼にブローニングM2 12.7mm機銃四丁 |
| 下記性能はいずれも推算値 | |
| 航続距離 | 1814km |
| 巡航速度 | 高度3300mに置いて290km/h |
| 最大速度 | 高度7000mで700km/h |



というわけで、反則技です(笑)
R2600を積んで、F4Fと史実のF6FとP-47とF8Fのキメラを作ってみたらどうなるかという実験でした(笑)