言い訳:
こんな基本設計が1930年代前半の機体を引っ張り出したのはF4Uの当て馬コンペだからということで1938年のコンペについて調べたのが発端でした。カーチスはこれにP-36をベースにR-2600を積んだ発展型を提出して不採用になってます。さらに1941年に海軍がF6Fを発注した際グラマンは乗り気ではなかったというエピソードもあります。同じ立場になればカーチスだって同じような反応をするだろうと思いましたので思いっきり投やりな1938年の焼き直し(1号機について言えばそれ以下)で挑戦させてみました。 数字に関してですが原型のP-40Eと比べてみれば、
さらに機体の実現性・実用性の観点から見ると、
- 離床馬力は1150hp:1700hpで、前面投影面積増加分の必要馬力を二割増としても最高速度は一割増しはいきそうだし、
最高速を発揮できる高度域での馬力比はどうなんでしょう?
R-2600って攻撃機系にばかり搭載されているためか低空性能重視のイメージが強いですが、2段2速過給機付きなので1段1速のV-1710-39よりは高高度性能はマシだとも思われます。最適高度等の条件が同じとしてその高度で離床馬力と同じ馬力比を維持できれば計算上ぎりぎり400mph越えちゃうんですが。- 機内燃料5割増、巡航時燃料消費量が排気量に比例及び巡航速度同等と仮定して150gal増槽装備でちょうど1100mile飛べるし、
世傑には200gal級増槽を二個搭載したP-40Eの写真もあったし、後期モデルはフェリー用に増槽を三個搭載できたそうですので飛ぶだけならもっとキャパシティはあると思います。空母からそれができるかは別の問題ですが。- 武装は元々M2x4-6門だし、20mm機関砲オプションもあったし、
20mmを積んだ実機は無いらしいけど。と、ここまではエンジンを除き問題ありません。しかし翼面荷重は元々F6F-3より僅かにマシなレベルなので燃料を増やした分(450lb)だけでも結構キツイです。幸い要求仕様は機関銃4門なので余分な2門(300lb+)を降ろしてなんとかF4U-1相当に持っていきました。ただし高揚力装置の効果が両者でどれくらい差があるかは私には想像もつきません。発着艦は大変かも。もっとも空母上で過荷状態でどの程度運用するか次第ですけど。
- P-40は機首にラジエータを抱えてるからV-1710より300kgは重いR-2600を積んでも重量トントンでバランスも大丈夫そうだし、
バランスが前寄りなら後部胴体内装備を後ろにずらして、それでも駄目ならバラスト積むだけのこと、それに将来後部胴体延長するし。- P-40M/N辺りを見る限り機体強度上は1000-1500lb程度の爆装やロケット弾の運用は問題なさそうだし、
夜戦用レーダーまで積めるかどうかは疑問だけど。- P-36の頃から外翼部は不時着水時に浮になるようになっているし、
米陸軍航空隊の洋上活動志向がこんな所にも。- 馬力荷重はF6F-3及び零戦21型とほぼ同等だし、
元々量産しやすい機体構造をしている上に(その分重いですが)原型からの変更点も少ないのでエンジンの安定供給と陸海英の量産ラインの奪い合いを解決できればP-40D/Eのバックオーダーを考えに入れても真珠湾前には量産に入れます。もっともこの時点では米海軍はF4Fへの転換すら終わっていないので初陣がいつになるかは判りませんが。
操縦性はあまり変わらないと思いますが問題になるのが方向安定性でしょう。1300hp級に載せ代えたP-40F/Kですらこの問題を解決するためにフィン追加に加えて生産途中から胴体延長が行われてますから1700hp級のR-2600なんか積んだ日にはどうなるか目に見えてます。コクピットが上がった分気流も乱れるでしょうし。早々に垂直尾翼を大型化した長胴型の開発が始まるでしょう。
主翼の折り畳みについては特に考慮してません。構造の大変更が必要ですし、F4Fも主翼を折り畳めるようになったのはミッドウェー辺りから登場するF4F-4からですので。まあ折り畳まなくても翼幅の狭い機体なので(零戦やF4Fの7割弱)それなりの数を空母に積めるはずです。