Heinkel He101

Oberseite-Gewicht



F:みなさんこんにちは。ネタぎれ時のストック要員、フィリス・矢沢です。
S:アシスタントのセリオです。
  今回は艦船の部に参加していないので、ノエルさんと綾香お嬢様の紹介で
  こちらに出向というこになりました。よろしくお願いいたします。
F:こちらこそよろしく。

  無表情なセリオに対して、フィリス先生はにこりと微笑みかけた。

F:相方がいないのは寂しいですから、少し嬉しいです。
S:恭也さんはご一緒ではないのですか?
F:声はかけたんですが…こういう場に出るのは嫌だと…
S:成る程。
F:今日は藤田さんは?
S:『めんどくさいから嫌だ』と…
F:成る程ぉ

 こほん。

F:あ、ええと…、ではこの機体について、少し説明しましょうか。
S:そうですね。どうせ落描きですし、サクサクいってみましょう。
F:…………

  少し困った顔をするフィリス先生だ。

F:『He100』という戦闘機があります。
  『He101』の元となった、ハインケル社の戦闘機です。
S:『He112』が『Bf109』との競争試作に敗れた後、ハインケル社は
  高速戦闘機として『He113』の開発を進め、『He100』として完成をみます。

F:第一に速度性能を優先し、部品を減らすなどの生産性も多少は考慮された
  この戦闘機は、結局大量受注は受けられずに少数の生産だけで終わります。
S:理由としては、とりあえず戦闘機は『Bf109』でよいと思われていたこと、
  エンジンが『DB601』しか装備できない設計になっていましたが、それが
  『Bf109』に優先的にまわされていたことなどがあると言われています。

F:そういった状況下で、Bf109の後継機の競争試作という話に、
  ハインケル社は当然のように参加します。
S:『He100』の発展型、ということですね。
F:そうですね。問題もいろいろあったとはいえ、機体性能そのものは
  良かったわけでしたから、当初は単に改良型のつもりだったようですが。
S:胴体はあまり変わっていないようですが、エンジンは…『DB603』ですね。
F:『DB605』系エンジンの開発の遅れ…『DB601』系の『Bf109』への優先配給…
  そういった理由から、この機体は『DB603』を使用することになります。
S:『DB603』ですか…
F:もともとは、『DB601』しか装備できない『He100』の発展型として、
  『DB605』の装備を予定して設計されたこの機体には、『DB603』はあまりにも大き過ぎ、
  結果としてロングノーズの、非常に機首の重い機体になっています。

  なぜか、フィリス先生は苦笑した。

F:『頭でっかち』とか言われるのが普通ですね。

S:機体のバランスがひどいことになりそうですが。
F:重量物であるラジエターを機体下部、かなり後方に配置することで、
  バランスをとる努力をしています。それでもノーズヘヴィ気味だった
  ということですから、完全には解消できなかったようですね。
S:『He100』では最初は蒸気冷却方式でしたが、途中から引き込み式の
  ラジエーターを胴体下面にとり付けるようになっていますが。
F:この『He101』ではラジエーターが大型化されたこともあって、
  最初から普通に固定式でとりつけられていますね。

S:武装は20mm機銃×2…(+2)というのはなんでしょうか?
F:オプションで増設可能、ということです。
  要求仕様にあわせる為だけに搭載可能になっています。
S:増設ですか。
F:航続距離も落下タンク装備でかろうじてクリアですね。
  ちなみに機銃の増設と落下タンクの併用はできないようです。
S:カタログ上では対地攻撃用の爆弾の搭載も可能とありますが…
F:搭載は可能かもしれませんね。
S:…深くは聞きませんが、当然これも併用は不可能なのでしょうね。
F:…不可能かもしれませんね。

F:後は、主翼も華奢っぽかったので少し補強。
S:これは全然別物ですね。
F:こんなところでしょうか。
  この機体、『He101』は『He100』ゆずりの高速性能とともに
  その扱い難さも引き継いでしまっていますね。
S:冷却不足気味という問題もあったようですが、
  ただ、速度性能だけはたいしたものだったようですね。

F:ところで、Bf109の後継機というこの要求仕様をみると、
  戦闘機としては軽量級のBf109に対して、火力や航続距離の強化、
  対地攻撃が可能な搭載量の大きな機体、といった要求がみられるのに、
  そういった方向性を全くといっていいほど考慮していないようなのは、
  …どうかと思うのですが…
S:間の悪い人というのはどこにでもいるものですが、
  それだけというわけでもない、のかもしれませんね。


要目(He101) 全長  :9.2m 全幅  :9.6m 全高  :2.8m 自重  :2,400kg 全備重量:2,950kg 発動機 :DB603A 液倒V12(1750hp) 最大速度:706km/h 航続距離:800km (+ 400kmから最大800km) 武装  :MGFF20mm機銃×2 (+ 20mm機銃×2) 乗員  :1名 Bf109の後継機の競作に参加したハインケル社の高速戦闘機。 前回の競作の反省からか、高速性や生産性を重視した機体となっているが、 反面、操縦性はかなり厳しい。 当初、装備エンジンはDB605を予定していたが、 1号機は間にあわずにDB601Eを装備、その後も安定した供給が得られず、 3号機からはDB603を装備するように設計を変更した結果、 かなり頭でっかちな機体となったという。 結局DB605を装備したのは2号機の1機のみだった。 武装は20mm機銃を主翼に4丁装備する予定だったが、 操縦性が悪化することを嫌い、標準では2丁しか装備されなかった。 もともとが余裕の無い機体なので、その後の展開は厳しいだろう。