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1940年3月、Bf109の後継機として次期主力戦闘機の発注が各メーカーになされた。 現在、量産型のD-1を生産中のHe100に対して冷淡な対応をしておきながら、この発注に怒りを覚えたエルンスト・ハインケルは、この発注に答えることは了承したものの、極めて消極的態度で望むことにした。 まず、設計主任として、あまりにも堅実すぎる設計故にエルンストから社風に合わないと冷や飯を食わされ続けていた、42歳のミハエル・フィレンツェン技師を据えた。そして、大して開発費をかけるつもりもなかったので、空軍に対する皮肉のの意味も込めて、ボツになりかかってるHe100を流用して設計することを同技師に申し渡した。なお、機体番号は割り当てられているものの、すでに宣伝用に使われているHe113を、これも半ば当てつけで使用した。 設計が開始され、まずエンジンはDB605Aが選ばれた。He100で使用していたDB601から比べると400馬力近い大幅な出力アップである。これだけでかなり性能が向上することが期待された。しかし、フ技師はその性格上、あまりにも理想を追いすぎていたHe100が大嫌いだった。そこで、この機体の凝った設計部分をことごとくオーソドックスなものにする決意を固めた。 まず、一番の頭痛の種、蒸気表面冷却方式を通常のラジエータ-方式に変更した。より重いDB605に対して重心位置を補正するために、その位置は後部胴体下面とした。そして、より大柄のDB605に変更したことで、機首周りのスペースが不足しため、オイルクーラーはラジエータと一緒にこの位置に収めた。このとき、Bf109F同様、すでに理論的には周知されていた、境界層をバイパスする事による冷却効率の向上も考慮した。 燃料タンクは、エンジン直後に一部を押し込み、コクピット下部と内翼主脚格納位置後方にも配置した。それでも、要求値のクリアが難しかったため、残りは両翼下面に1個ずつの落下タンクを装備することで解決した。また、ここに250kg爆弾を懸吊することも可能だった。 武装は元々の内翼部と、主脚格納位置外側の2カ所ずつにそれぞれ20mmを一門ずつ配置した。 重量が増加した事による運動性の低下を考慮して、主翼は左右それぞれ50cmずつ延長され主翼面積を拡大した。 その他、方向安定性の低下を考慮して、垂直尾翼も増積されている。 飛行テストでは、He100ゆずりの機動性の良さを見せたが、機体がそのまま流用されていたためじゃじゃ馬的な操縦性で、乗り手を手こずらせたという。 諸元 全幅 :10.42m 全長 : 8.62m 全備重量:3250kg エンジン:DB605A 液冷倒立V型12気筒 1470馬力 最大速度:665km/h 航続距離:1550km 武装 :MG151/20 20mm×4 |