WWII ドイツ空軍戦闘機・ef100



エルベ航空・ef100

諸元    1942年12月時点
全長    ・・・9.10m
全幅    ・・・10.70m
全備重量  ・・・4,200kg(DB601N)
自重    ・・・2,400kg(DB601N)
燃料    ・・・700(L)+機外落下式増加タンク300(L)3本
発動機   ・・・DB601N(DB603見込み)
最大速力  ・・・640q/h(高度6,000m・DB601N使用)
         700km/h見込み(高度6,000m・DB603オーバーブースト使用)
第一巡航速度・・・510km/h(DB601N)
第二巡航速度・・・300km/h(DB601N)
航続距離  ・・・1,800km(DB601N)28,000km(増加タンク)
         1,400km(DB603見込み)2,100km(増加タンク)
武装(見込み)・・・MG151/20*4機首、MG151/20*2主翼付け根
          20mm弾薬600発(各門100発)
          増加タンク併用ロケット懸架*3
乗員    ・・・1名
その他装備 ・・・水メタノール噴射器、加速用噴進装置、可変プロペラピッチ、
         火薬式防風破壊装置、自動プロペラ破壊装置、
         射出式脱出シート(見込み)、射撃時間制限機構(連射0.5秒)

制限事項  ・・・急降下時引き起こし制限、緊急推力5分制限、
         落下式加速用噴進装置18秒(2本)


 1939年ベルリン駅。二人の若い男が佇んでいた。
 駅では当たり前のような別れを惜しむ光景だが、ただ一つ違うのは片方の男が
東洋人であり、流暢なドイツ語を話している事だ。
 「本当に祖国に戻るつもりか?学業を投げ出して。今なら間に合う。もう少し
此処に残ってはくれないか?」
 「いや、実家じゃ学業などとは『時節柄』無為に遊ばしておく程暇では無くなっ
たそうだ。」
 「残念だ。」
 「あぁ。残念だ。」
 「君も日本に来て、我が社の一員として働いて貰いたかったのだが・・・。」
 「無理言うな。熱病に浮かれているとはいえ、祖国を見限る事はできない。」
 「俺もそうだ。」
 言葉を打ち消すように汽笛が響く。
 東洋人の男は一等車に飛び乗り帽を持ち上げて言った。
 「我が生涯の友に幸あれ。」
 彼等の間に残ったのは数冊のノートと大量のメモ書きであった。
 1939年9月ドイツは世界と戦争に入った。
 1940年4月『まやかし』戦争は終わりノルウェーをドイツが占領した。
 そんな中、一人の若い男が社長室に呼ばれた。
 ようするに、下請け作業が忙しくて、新規開発する技術者が居ないという事
で暇そうな若いのを使って競作に参加すると言う事であった。
 その若者の名前はブランカ。エルベ航空に所属するエンジニアパイロットで
ある。

 「さてと・・・」
 席に戻ったブランカは、渡された要求仕様書を改めて見た。
 『1940年3月・ドイツ空軍発令』
 なんだ?今は5月。1月も投げ出していたのか?
 『機種:単発単座戦闘機』
 双子エンジンを積んで単発です。とは言えないだろうなぁ。。。
 『最大速度:680km以上』
 ふむ、難しくは無いし無難な所だ。色を付けないといけないな。
 『航続距離:最大1500km以上』
 おやおや、欲張ったモノだ。最大って事は巡航移動だな。戦闘
 時間は10分として。。。なんだ、最大戦闘半径は400Kmか。
 『武装:前方固定20mm×4以上』
 大好きな中心軸砲は要らないのかな・・・・。
 『用途:爆撃編隊護衛、本土防空、制空』
 なんだか雲行きが怪しくなってきたぞ。万能機を求めるのか。
 『特記事項:(1) 本機はBf109の後継機とする。』
 怪しげなジェット機が成長するまで十年かかると。。。その間の
繋ぎだな。
 『(2) 対地攻撃可能なことが望ましい。』
 望ましいって事は命令だ。防弾板で重量が相当増加するぞ。
 表にすると・・・・・
 a.爆撃編隊護衛
   1.航続力 2.加速力 3.上昇力
 b.本土防空
   1.上昇力 2.火力  3.加速力
 c.制空
   1.航続力 2.火力  3.加速力   
 b.対地攻撃
   1.火力  2.防御力 3.機動力
 だな・・・やっぱり万能か・・・・・。
 ため息を吐いた彼は冷え切った紅茶を口に含んだ。ドイツでは珍
しい紅茶党である彼は、今では入手不能になった英国産紅茶を戦前
買い置きしていたのであった。

 東洋のサムライと一緒にコッソリ空軍練習部隊に潜り込んで模擬
空中戦を行った時の事を思い出していた。
 同高度反行戦は技量の上の方が勝つ。
 反行戦でも速度や高度が上の者が多少技量が低くても勝つ。まして
や技量が上ならば相手は手も足も出ない。

 「まぁ、主力機の後継機って事はエンジンは選び放題だな。」
 唯一の希望を口に出して言った。
 先ずは運用される環境を考えてみよう。
 爆撃機護衛は、護衛機をローテーションさせれば有る程度は大丈夫
だが、敵地での合流などはできる筈も無い。とするとやはり全ての
行程を爆撃と共にするのが望ましいのかもしれない。
 爆撃機の巡航速度は戦闘機に遅い比べてはるかに遅い。
 結局その分余計に飛び回るか速度を落として燃料を余計に食うかし
かない。
 爆撃機の速度に合わせる為に巡航速度を低く抑え、航続距離を増やす
のが護衛には良いであろう。
 大きな翼と、フラップを使って空気に乗るように飛ぶ。
 次に速力だが、最高速度がいくら速くてもソコまで持っていくのに
時間がかかっては使い物にはならない。 爆撃機と同じような速度で飛ん
でいて、戦闘に巻き込まれた場合や不意撃ちを受けた場合の回避反撃には
加速力が良くなければ反撃や離脱が出来ず、相手の思うままであろう。
 プロペラが効率良く空気を掴むように可変プロペラピッチを装備しよう。
 そうだ、大きくなった主翼を使ってそこに落下式加速用ロケットを装備
して、少しでも加速力を得ればなんとかなりそうだ。
 最後に火力だが、現状ではMG151が無い、又30mmも開発中だと
の話もあるので、冗長性を持たせよう。
 一応20mm4門という要求仕様であるが、戦闘中に長時間機銃を撃つ
よりも、高速で機動し続ける戦闘ではあまり意味が無い。短い時間でどれだけ
大量の銃弾を相手に撃ち込むかが勝負の分かれ目だ。
 空中戦では、一瞬である射撃機会に必殺の打撃を与えねば、何時機会が回って
くるかわからないし、グズグズしていると別の敵が後ろに回られ撃墜されてしまう。
 弾薬は少なくても機銃の数は増やした方が良い。
 だが、極度に緊張する戦闘中、どうしても無駄に引き金を引いてしまうので弾が
すぐに消耗してしまう事も事実だ。
 ダラダラ射撃できないように、数十発で連射が止まる仕組みを取り入れるべきで
あろう。
 又、対地攻撃には防弾装備も必要であろう。事実フランス戦では大した対空装備
をしていなかったフランス軍小銃でbf109が爆砕してしまった事例が多々存在
している。
 後方だけでなく、下方や前方も必要だ。
 燃料タンクや機銃弾庫下方6mm、正面10mm。
 コックピットは正面と後方は40mmで守る。

 彼はこんな自問自答をしながら何日も事務所に詰めていた・・・・。

 東洋のサムライと西洋の騎士が纏めたノートを元に突貫作業によって40年冬
には試作機が現れた。
 だが、ドイツ空軍士官達の目は冷ややかであった。
 弱小航空会社の開発製造能力に疑問を持っていたからである。
 着陸性能と視界は満点に近い評価を得たが、その大きな主翼、たとえ全翼に渡る
スポイラーを装備したのにも関わらず、現状のbf109に比べて悪い横転性能と
時折見せる異常振動、あまりパッとしない速力性能のお陰で第一次選考で早々と漏
れてしまった。
 モスクワ前面で勝利間近のドイツ軍にとって必要の無い飛行機として見られたから
であった。

 だが、皆から忘れ去られようとしたが戦局の悪化はそんな贅沢を許されなくなってきた。
 ジェットエンジンの開発になんとか目処がたった時、再び日の目をみようとは誰も
想像しなかった。
 その物語は後日に回す。。。。


作者のウンチク。
神崎.Rivです。
納期ぎりぎりになってしまいました。。。申し訳ない。
絵もヘタッピーですが、後日ジェット化したモノを投稿したいな?と思っています。
うーん・・・エンジンも見込み、武装も見込み、装備も見込み。。。。
1940年という時期は仕方がないかな??

今回の競作は「ノルウェー作戦にて制空戦闘機の航続距離が全然足りない」と思った空軍
が出したと思いました。
戦闘機の使命は敵機を撃破する。でしょう。
いくら最高速度が速くても、巡航速度から最高速度に達する時間が長くては、加速している
間に戦闘に巻き込まれて意味がありません。又上昇力も必要です。位置エネルギーは運動エネ
ルギーに変換できます。激しい機動を行えばそれだけ速度(エネルギー)は低下しますが、
加速力さえあれば、すぐに回復できます。
 ヨタヨタと戦場を飛ぶ飛行機は的にしかならないと私は考えています。
火力も20mm6門、30mm改装可能にしたのも戦闘中、一瞬の射撃でどれだけ火力を
集中させるかが敵を撃破する鍵となるでしょう。
 機動力も火力も結局は敵を撃破するプロセスに過ぎないと私は思っています。
 いかに優位を占め、如何に火力を集中させるか?
 牽引式液冷エンジンにしたのはその為です。
 スペックは今回、あまり研究していませんので。。。申し訳ない。
 設計思想等の件に関しては厳しい批判でも構いませんので、何かあればお願いします。
 お互い腹を割っての話は大好きですので、大歓迎します。
 #低速な巡航速度は、爆撃機に付随する為なので(w


では、最後まで読んで頂いた方ありがとうございました。