T-36戦車は、T-34中戦車の後継戦車として1940年から開発が始められた。
とはいえ、当時のそれは予備研究主体のもので、その主要なコンセプトは、
機動戦用の中戦車(T-34)の機動力と、堅陣突破用の重戦車(KV1)の攻防性能を
併せ持つ統合規格を造るというかなり欲張った、もとい、意欲的なものだった。
基本的にはT-34クラスの戦車の攻防性能をどこまでKV1クラスに近づけるというもので、
他にも、より生産性を上げる為に車体構造の簡略化を図ること、
車体そのものをコンパクトにまとめ、被弾率の低減と重点的な装甲強化をはかること、
車内容積を確保する為に従来縦置きだったエンジンを横置きにすること、
サスペンションはT-34中戦車に用いられたクリスティー式ではなく、KV1重戦車で用いられた、
より安定性が良く、内部スペースを取らないトーションバー・サスペンションを採用すること
などの項目を掲げて開発が取り組まれた。
主砲は強力な長砲身の76.2mm戦車砲を搭載することになった。
装甲は、重戦車としては中距離以上からの75mm砲に耐えられるよう、
60mm程度の装甲厚が必要だとされていたこともあり、
T-34の45mmを上回る60mmとされた。(KV1は75mm)
新しい試みには付きものといっていい多くの初期故障に悩まされたこともあり、
結局正式採用されることはなかったが、そのコンセプト自体は後の開発に
引き継がれたものも少なくないともいわれている。
<T-36戦車>
全長: 6.68m
全幅: 3.10m
全高: 2.25m
全備重量: 26.5t
乗員: 4名
エンジン: V-2-34 4ストロークV型12気筒液冷ディーゼル
最大出力: 500hp
最高速度: 50km/h
航続距離: 300km
武装: 41.5口径76.2mm戦車砲F-34×1
7.62mm機関銃DT×2
装甲厚: 60mm
耕一:というわけで、ソ連の試作戦車、T-36です。
千鶴:これです!
耕一:(…子供のらくがき)
千鶴:耕一さんの指示通りに一生懸命描きました。
耕一:いや、残っている資料とかほとんど無くて。
千鶴:(にこにこ)
耕一:こ、個性的で独特な感じがでてますね。
千鶴:ありがとうございます。
耕一:というわけで、あらためて、T-36です。
千鶴:…移動トーチカ?
退化してるというか、駄目っぽく見えるんですけど?
耕一:いや、KV1が造られた経緯を知ってますか?
当時、ソ連の重戦車は多砲塔の大型戦車があたりまえだったんですよ。
千鶴:あ、そうなんですか?
耕一:ええ、それだと当然大きく重くなって、重戦車といっても装甲も薄いし、
砲塔がたくさんあってもうまく連携できるわけでもないし、いろいろあって
単一砲塔の重戦車を造ってみたら多砲塔の重戦車よりも小さく軽くできるし、
その分装甲を強化することもできて、機動性でも優位だったと。
それがKV戦車として採用されたんですよ。
千鶴:そもそもなんで多砲塔の重戦車なんて造ったんでしょうね?
耕一:うっ、いや、そりゃ見た目が強そうだからじゃないですか。
千鶴:…それは、仕方ないですね。
耕一:うむ。
千鶴:それで、それとこのT-36がどう関係するんですか?
耕一:だからこれは多砲塔から単一砲塔への流れをもう一歩推し進めた
「無砲塔戦車」なんですよ。実際、T-34より装甲厚いし。
千鶴:…耕一さん、最近無理してませんか?
耕一:…シクシクシクシク
千鶴:…えーと、それでこれ、自走砲とか駆逐戦車というものとは違うんですか?
耕一:いや、これはちゃんと砲自体は旋回するんですよ。
構造的には旋回する砲の上からフタしてるだけなんだけど。
剥き出しの砲にちゃぶ台を被せたとかいった方がわかりやすいかな。
千鶴:ああ、なるほど!
でもそれだと脚の部分が邪魔で旋回できないんじゃないですか?
耕一:支柱は見えてるのは4本だけど8箇所にあって旋回する角度にあわせて
はずしたりはめたりできるんですよ。
千鶴:ああ、脚をたためる台ってありますもんね。
でも旋回中にそれをやるんですか? なんだか大変そうですけど。
耕一:めんどくさいでしょうね。時間もかかるし。
戦闘中にそんな悠長なことやってる余裕は無いと思われ…
千鶴:私だったらあせっちゃってうまく外れなかったり、壊しちゃったりしそうですね。
耕一:…
千鶴:今、おもいっきり想像しました?
耕一:い、いや…別に千鶴さんじゃなくても、これはきっと
うまくはまらなかったり、外れなくなったり、よく壊れたりとかしますよ!
だってソ連戦車だし!
千鶴:…いいんですけどね。
耕一:しかも基本的に支柱と蓋だけなんで、脆いし、
隙間が大きくてそこから砲弾が飛び込んだりし易そうだし。
千鶴:…やっぱり、駄目なのでは?
耕一:…所詮は試作戦車だし…。
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