T-34への反論「T-39」


T-34が、WW2最良の戦車・という評価を少なからず目にするのだが、
はたして、そうなのだろうか?
こんな疑問をもつ者が、1939年末のロシアにもいた.
そこで、以下の課題の解決を目的とした戦車の試作にとりこむことになった.
 
Q:あんなきゅうくつなキャビンで、本当に効率的な戦闘が可能なのだろうか
 
そもそも、砲塔を旋回するたびに、乗員が体をよじるようなT-34では、
効率的な戦闘ができるかどうか疑問だ.
それに、T-34の砲弾の多くは、キャビンの床下にある.
戦闘中、手元の鐵甲弾を打ち尽くしたら、どうするつもりだろう.
4人乗車のT-34では、戦闘中には車長も砲撃に夢中にならざるを得ないから
指揮などとうてい不可能ではないか?
 
A:そこで、ぼくらのT-39では、
フロントエンジン・リアドライブのオーソドックスな構造を採用し、動力周りの故障
を減らし、かつ、後部に広い戦闘室をつくることにした.
砲塔は一体鋳造.ソ連邦鋳鉄技術の腕のみせどころだ.
乗員は5名.
T-39内部配置
 
主砲は、思い切って53口径の100ミリ砲を採用した.
かつてドイツの戦車工場を視察したとき、最大の戦車だといって、たった20トンの
4号戦車をみせられたが、そんなことがあろうはずがない.
彼が20トンが最大・などと言うときは、その倍、40トン級の戦車を用意しているに
ちがいない.
 
ナチスというものは、いまは親しいような顔をしているが、いつか必ずソ連に攻めて
くるのは間違いない.
そのとき、40トンの戦車・・・どんなものか想像するだけでも恐ろしいが、しかし、
僕らはそれに立ち向かわなくてはならないのだ.
 
それには、76mm砲なんかじゃ太刀打ちできないだろうし、85mmでも確実とは
いえないかもしれない.
主砲には、思い切って53口径100mm砲を選択した.
戦闘室が広いから、62発の砲弾の80%近くが砲手のそばにおける.
T-39内部配置
 
エンジンはT-34と共通のV12ディーゼル500馬力を採用した.
よいものをチョイスするのは当然のことだ.
 
車体は、幅3.2mx長さ6.6m.
車体高さは2.6mあって、T-34よりも一回り大きい.
敵40トン級の戦車は、恐らく88mm砲を搭載するだろうから、それにそなえた装甲
をほどこし、原設計では、34トンとなる見通しがついた.
 
ここで、陸軍が新型戦車の試作案を募集してきたので、僕らもさっそく応募する
ことにした.
仕様をみて驚いた.
車重が30トンに制限され、しかも45mm砲弾に耐えればいい・といっている.
陸軍のお偉方は、ナチスの宣伝にだまされているんだ!
ドイツが、いつまでも45mm程度の威力の戦車砲でいるわけがないじゃないか!
 
T-39側面
 
なにかを削らなくては、応募要領に合致しない.
そこで、主砲は譲らず、装甲を薄くすることで何とか30トンぎりぎりに収めた.
フロントエンジンだから、T-34のような単純傾斜装甲にはできないので、
正面のみ80mm、その上の50度傾斜部分を65mm、
あとの車体側面や砲塔の周囲を45mmで抑えることにした.
砲塔と車体の上部は25mmにとどめた.
 
機銃は、主砲同軸と車体前部に各1丁を装備.
車体後部パネルの右3分の1は、ラジエータが居座っている.
左側には、乗員用ドアがあり、開口サイズは左右90cmx天地110cm.
らくらく出入りが出来る.
別にヒーターなどは無いが、前方のエンジンと、車室下の冷却水路から程よく
熱が伝わるので、ロシアの厳しい冬でも快適に過ごせるだろう.